反オカルト論 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039462

感想・レビュー・書評

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  • オーテピア

  • 第1章、第2章のスピリチュアリズム、オカルトの話は勉強になった。全体としてところどころ気になるところはあるけど、読み物としておもしろかった。

  • 昨今の怪しげな言説に警告を発する良書、特に研究不正の考察がよい

  • たとえそれが「サイエンス」であっても、それがほんとうに「サイエンス」なのかを疑うことなく、ただ「サイエンスだから」という理由だけで盲信することにより他人や自分に騙される。

    タイトルは反オカルトとなっているが、どちらかというとオカルト色は薄く、全編を通して稲川淳二は登場しないし、円盤が空を飛ぶこともない。簡単に言いすぎると「嘘つきが世間をだます」ことについて書かれている。

    驚くのは、彼ら嘘つきたちの「自分の嘘を、嘘と認めたくないがために嘘を現実だと信じ込む能力」と、「自分に追従して擁護してくれる人物を見つける能力」。そして、例えば祈祷師やシャーマンが頭パーになった状態と違い「しっかりと意識がある状態で計算の上での行動である」という点。
    ただ彼らは「サイコパス」と一言で終わらせてしまえるほど、彼らの思考は浅くない。

    そうした嘘の世界から抜けるように、「嘘つき」を改心させようとする人物もいる。本書では「欺瞞をやめるべきだ」と説得された人物も紹介されていて、欺瞞と倫理の間で「嘘つき」の心が揺れ動く。このページは本書の中で唯一の救いとなるページなのだが、かなり稀な例だと思うし、結果として嘘の世界から抜けられたのか?というとかなり怪しい。

    当たり前なのだが、基本的に嘘つきは改心することはない。なぜなら彼らは自分の嘘を現実だと信じ込むことで心の平安と経済的な利益を得ているので、その嘘が崩れるような不安定な状態を好まないからだ。結局のところ彼らは、嘘に追従する人物に囲まれ、そのことに幸せを感じて生きていくことを選んだ、稀な人たちなのだろう。

  • 助手が少し苦手


    PUBPEER

  • 2017年5月14日に紹介されました!

  • 基本的に良かったけど,ちょっとSTAP細胞叩きすぎな感じはして,嫌悪感をもってしまう人も多そうなのが気になってしまった。本当に読んでほしい人にあまり読んでもらえない感ある…。でも内容的にはしっかりしてて,邦訳されたことのない歴史的エピソードも紹介されてるし有意義な点も多々。

    "マスメディアやネットのニュースを眺めれば、いくらでも「欺瞞」を発見できるではないか"p.15
    との問いにも鈍い反応な"現代の大学生の「オカルト」傾向"を危惧する著者。
    つかみで小保方氏とペレルマンを対比してるけど,確かに凄い断絶だ。

    晩年のコナン・ドイルも,妖精写真信じちゃった話は前から聞いててひどいなって思ってたけど,ほかにもいろいろひどい。
    奇術師フーディニーの脱出トリックを,本人の説明さえ信じずに,体を「非物質化」して鍵穴から通り抜けたはずだと頑なに主張。当時の新聞も「哀れなホームズ」と酷評したとか。

    ウィリアム・トムソン(ケルヴィン卿)
    「レントゲン撮影はトリックだ」
    「空気より重い航空機など絵空事」
    「電波通信に未来はない」
    「進化が生じるには地球は若すぎる」
    最後のは,放射性崩壊が未知だったことによる地球の冷却速度の誤算と,核融合が未知だったことによる太陽年齢の誤算が,たまたま一致した結果だという。
    でもそれでも「せいぜい4~5億年」とのことで,なぜ「進化が生じるには不充分」に直結するのか謎すぎる。結局進化論気に入らねぇって話?

  • 科学者の方が騙されやすい。合理的に慣れているから。

  • 何も自分で物事を考えず,晒された情報を鵜呑みにしてしまう世間の姿勢が一番オカルトだと思う.

  • 今まで読んだ科学哲学の入門書の中で一番腑に落ちた『科学哲学のすすめ』の著者が書いた本だけあって、わかりやすく明快。
    オカルトのそもそもの始まりから説き起こして、STAP細胞事件から江戸しぐさまで、ていねいに論拠を示しながら何がおかしいのかを説明してくれる。対話形式なのも読みやすくていい。

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著者プロフィール

國學院大學教授。1959年生まれ。ミシガン大学大学院哲学研究科修了。専門は論理学、科学哲学。著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『愛の論理学』『東大生の論理』『小林秀雄の哲学』『哲学ディベート』『ノイマン・ゲーデル・チューリング』『科学哲学のすすめ』など、多数。

「2022年 『実践・哲学ディベート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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