目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法 (光文社新書)

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著者 : 松原隆彦
  • 光文社 (2017年2月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039684

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目に見える世界は幻想か? 物理学の思考法 (光文社新書)の感想・レビュー・書評

  • 物理学一般について数式を使わず言葉で説明している。専門としない人にも物理に興味を持つきっかけとしておすすめできる。

    理図書 420||Ma73 11965266

  • 物理学の歴史を、その誕生から万物の理論まで通史的に浅く書いた本。切り口がなく、のっぺりした感じで、どれも聞いたことのある話しばかりだった。

    用途としては、辞典的に使うか、頭の整理に使うか。または、物理学略史を学ぶためか。

    記述は数式は出てこないものの、この手の本にありがちな逸脱した喩えなどなく、正確を期している。

  • 内容は比較的平易に書かれていたけど、タイトルの「幻想か」については直接的な言及がなく消化不良。

  • スピ系の話を読むとよく「人間の思考が現実の世界をかえる。それは最近の量子力学では常識となっている」といった趣旨のことが書かれている。では最新の量子力学とはなんだ、ということでわかりやすい本を探していたら良書に巡り合えた。
    数式も難しい計算もいっさい出さずに、ニュートン力学から相対性理論、量子物理学などの考え方が出てきた背景やその意味をわかりやすく書いている。
    なんとなくわかっているつもりだった相対性理論についてもニュートン力学との対比などとても腹落ちする説明。
    スピ系の本の言う「思考」(この本では観察という言葉で表している)が物理的現象を固定することについても記載あり。その不思議さとまだまだわからないことの多さ、通常の世界観では理解できない現象があることが改めて認識できる。

  • 著者の松原隆彦氏は、統計的宇宙論を専門とし、宇宙に関する一般向け書籍も多数著している科学者。
    著者は冒頭で、本書について「主に文系出身者など、これまでほとんど物理学には縁がなかったという人々に向けて書かれた物理学の入門書である。・・・物理学とはどのようなものなのか、数式だけでなく難しい図表も一切使わず、ひたすら言葉だけで書くことにした」と語っている。
    そして、まず、物理学の目的(本質)を「複雑で予測不可能にも思える現実の現象について、そこに秩序を見出すことにある」とし、物理学の研究・進歩の歴史を辿る形で、コペルニクスの地動説に始まり、ガリレオの天体観測、ニュートンの運動法則、原子論と更に微小な世界、ハイゼンベルクの行列力学、シュレディンガー方程式と波動力学、量子力学に対するコペンハーゲン解釈、アインシュタインの相対性理論、マックスウェル方程式、未完成の量子重力理論等々、物理学がこれまでに何を解明してきたのかを解説している。
    そして、最後に、「本書で最も伝えたかったことは、この世界が人間の常識的な感覚で思うようなものにはなっていない、という事実だ。・・・その理由は物理学者にもよくわかっていないのだが、自然はなぜか美しい理論によって説明できるように作られているようなのだ。・・・人間の見た目通りの世界は、本当の世界の姿なのではなく、そうではない何か別の世界のようなものから現れ出てきたようなのだ。そうでなければ、見た目通りの雑多な世界の中に、どこでも成り立つ物理法則というものを見つけることはできないだろう」とし、“目に見える世界は幻想か?”と言っているのである。
    私はまさに著者がターゲットとした文系出身者であり、これまでに佐藤勝彦氏らの物理学・宇宙論関係の新書を数冊読んでいる程度で、正直なところ本書の説明についていけない部分は多々あったが、物理学の歴史の大きな流れを掴み、著者が物理学の未来に期するものを感じることはできたように思う。
    (2017年4月了)

  • 予測の精度を上げるには「この世界の秩序だったところに注目して,その仕組みや原理を理解することが必要だ」(p.21) という観点は科学において非常に重要だと思うが,心理学では聞いたことがない。




    *****
     現代の物理学は一朝一夕にできたものではなく,そこへ至るまでにさまざまな紆余曲折を経ている。そこでは,人間の常識的な考え方を何度も捨てなければならなかった。物理学とは,常識に対する挑戦である。常識とは,人間の思考を根底から支配していて,そこから抜け出すことはとても難しい。物理学者にとっても,それは同じである。(p.6)

    もし,未来に何が起きるかを手に取るように予測できるならば,そんな世界は単純極まりない。そこには人間が生きている意味すらないだろう。人間が活動するのは,不確実な未来があってこそのものである。未来がどうなるのか不確実だからこそ,人間はそれをどうにか望ましい方向へ持っていこうと奮闘努力する。来るべき未来が完全に予測できるならば,もはや人間がいろいろと判断して行動する必要はない。すると,そこに人間の意志はなくなってしまう。(p.20)

     物理学の本質は,複雑で予測不可能にも思える現実の現象について,そこに秩序を見出すことにある。複雑なものを複雑なまま理解しようとしても,途方に暮れてしまう。そこで,まずは複雑な現象を単純な要素に分解することが有効なのだ。投げたものの運動を例にとると,ボールを目の前で数十センチ投げるだけであれば,空気抵抗の影響は小さいので無視しても大差はない。空気抵抗を無視するという理想化を行うと,放り投げた物体の運動が単純な法則で理解できるのである。(p.22)

     …物理学で理想化した場合を考えるのは,現実の複雑な現象を単純な要素に分解するための,強力な方法なのである。この方法は科学に普遍的なものだ。理解しがたい複雑な現象を,極限まで単純化した要素に分解して観察する。そして,その現象の背後にある秩序を明らかにする。この方法こそが,科学を発展させる原動力となってきた。(p.23)

     だが,物理学は本来,美術や音楽と同じようなものだと思う。美術や音楽は目の前にある絵画や聞こえている音の美しさを楽しむものだが,物理学の場合は,この世界の存在そのものの美しさを楽しむものなのだ。(p.29)

     もちろん,ある理論が矛盾をはらんでいるという場合には,その理論はそのままで成り立たない。だが,矛盾がない理論は無数に考えられる。矛盾のない理論が多数あるとき,その中でどれが正しいのかを決めるのが,自然の観察である。具体的に実行できる実験や観測を行うのだ。(pp.33-34)

     いくつもの理論がある中で,そのどれが正しいのかを,誰か権威ある学者や権威ある学会が決めるわけではない。あるいは,研究者の多数決で決めるわけでもない。あくまで真実がどこにあるかは自然に訊く。だが,もし実験や観測によって正しい理論を判別できないとなれば,権威主義的になってしまうこともよくある。そうなれば,もはや科学は現実をありのままに表すというよりは,人間の理想を追求する場になってしまうだろう。それは科学というよりは宗教に近いかもしれない。人間の価値観が入り込んでくるからだ。(p.35)

     宗教は人間の生き方の理想や価値観を説くものであって,科学は自然界のありのままを記述しようとするものだ。科学と宗教はよく対立するかのように考えられているが,本来の目的が異なっている。科学から人間の価値観を引き出そうとしたり,宗教から科学的真実を引き出そうとしたりするから対立が生じる。それぞれの領分をわきまえれば,対立する必要はない。(pp.35-36)

     ある範囲の自然現象については同じ結論が引き出される2つの理論があ... 続きを読む

  • オリビア・ニュートン・ジョンのおじいさんがマックス・ボルンだとか,万有引力のニュートンは人間的にはとっても嫌なやつだったとか,のちょっとした裏話が楽しめた。

  • 数学も物理も統計学も、兎に角数字には弱い文系なんだけれども、この手の理系の書物に引かれてしまう。世の中には自分の思い通りに出来る何か根本的な法則があるのではないか?もしその法則を知って、理解したら、もしかしたら成功してお金持ちになるのではないか?という邪な考えでついつい惹かれるのが、この本で解かれている相対性理論や量子力学。物理の本なのに数学音痴が目を回す数式が一切出ることなく、なんとなく解った気にさせてくれる。当たり前だけど著者の物理の知識、その理解度、そして文章力が半端ないものだからだろう。ついつい読み進めるスピードに加速がついてしまった。しかし、相対性理論から量子力学の深遠な世界へページが移る後半は、ニュートン力学の世界でいうところの慣性の法則で、解ったようで解ってないままスルスルと読み進めてしまった。そうブラックホールに引き込まれた。

  • 相対性理論は量子学など物理学の難しい話をとても上手にかみ砕いて説明しています。

    すごい面白くて読んでてとてもワクワクしました。

    興味がある人にはすっごいおすすめの本です。

    いやー面白かった。

  • 物理学には縁もゆかりもない私が読み切れたので、数式・図表ナシを謳っていて、なおかつ分かりやすさがあると思う。

    純粋に世界は「何」で成り立っているのか。
    それを追究してゆくと、そこには人の限界を感じさせられる壁がある。
    人には見えないモノを、どう考えるのか。
    数字に置き換えていくことで、掴み取った真実もまた、時代の認識が必要であったり、ある日突然嘘であることを証明されたりする。
    それでも、人が考えることって、何かとてつもない仕組みのように思う。

    見えないモノを見るために、27kmもの加速器を世界が協力して創り上げてしまう。
    それでも未知の部分があって、人間の持ち得る資源を使うような方法では、全てを明らかにすることは出来ないのかもしれない。

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