すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039745

感想・レビュー・書評

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  •  本書のタイトルは,なんとも刺激的な題名である。
     教師である私にとっては,それこそ,死活問題になる話である。もし,私のやってきたことが「洗脳」ならば,オウム真理教がやってきたことと,なにも変わらないことになる。
     それは本当か?
     言いすぎではないか,ホリエモン!
     が,しかし,私は「今の教育はそのままでいいのだ。ホリエモンよ,お前の言っていることはおかしいぞ…」と反論することは,まったくできない。ホリエモンの意見に同意してしまう自分がいる。
     ホリエモンの言うとおり,今の日本の教育は,明治から全く変わっていない。あの悲惨な戦争を経験し,日本を支配していた教育勅語は廃止された…といっても,日本人の本筋の所は全く変わっていない。
     子どもは未熟だから,社会に出たときに困らないように「適応させる」必要がある。だから,そのために「今は我慢させて」でも,道徳をはじめとする学校教育の「枠にはめる」のだ。
     そして,はみ出した子には,学校での居場所は保障されない。ましてや,学校を拒否して生きることは,相当のエネルギーが必要になる。かくして,子どもたちは,まるで金太郎飴のように,均一化されて学校を出て行くのだ。

     こんな社会にだれがした…。子どもたちこそ,次世代を担う新しい社会の作り手ではないか…そうホリエモンは言いたいのだろう。

     が,しかし,子どもたちは,成長して,新しい社会を作っていくだけではなく,ある程度は既存の社会に合わせていく力も必要であることは論を待たないであろう。たったの1人で社会を作ることは出来ない。ある程度のその社会を支配する道徳や学力(一般的なもの)もないと,友と一緒に社会を変える力さえも発揮できないかも知れない。

     今の教育は,余りにも均一すぎるし,子どもの興味関心を無視しすぎているという指摘には,大いに賛成するが,だからといって,公教育をすぐに廃止するわけには行くまい。
     いや,公教育があってこそ,人権感覚も身について来たのだという過去の歴史もある。「ヒトは教育によって人になる」というのも,あながち的外れではないはずだ。

     教育界に,もっと自由があれば,教師ももっとゆったりとできて,いろんなタイプの子どもたちともゆったりとつきあえるはず。

     ま,学力テストで1位だ2位だといっているようでは,今の学校には,まったく期待できないね。
     
     いろいろと教育について考えるキッカケとなる本でした。

  • ホリエモンの本は今までにも何冊か好きで読んできたが、本書は読みながら明らかに今まで読んだ著書と何か違う感を持ちながら読み進めた。

    なぜだろう?

    それは、どちらかと言えば今まで読んできたホリエモンの著書はとにかく一歩を踏み出せ的なエッセンスがこれでもかというぐらいに注入されていた。

    私なりに感じたのは本書はその逆。

    いや、逆と言っても踏み出すなと言っている訳では無く、間違いなく踏み出せと背中を押そうとしてくれている。

    しかし、本書の視点は踏み出すことではなく、踏み出せない理由を明確にし、そこから解放させる為のエッセンスが詰め込まれていた。

    ブレーキから足を外すこと。

    ブレーキが何で、どうすれば良いか。

    多くの読者も今までのと違いを感じながら読まれたのではないかと思う。

    間違いなくこの一冊も忘れられない一冊となるだろう。

    説明
    内容紹介
    義務教育の「常識」を捨てろ、「好きなこと」にとことんハマれ!
    真に「自由」な生き方を追求するホリエモンが放つ本音の教育論

    学校とは本来、国家に従順な国民の養成機関だった。しかし、インターネットの発達で国境を無視した自由な交流が可能になった現代、国家は名実ともに"虚構の共同体"に成り下がった。もはや義務教育で学ぶ「常識」は害悪でしかなく、学校の敷いたレールに乗り続けては「やりたいこと」も「幸せ」も見つからない。では、これからの教育の理想形とはいかなるものか? 「学校はいらない」「学びとは没頭である」「好きなことにとことんハマれ」「遊びは未来の仕事になる」――本音で闘うホリエモンの〝俺流〟教育論!

    自ら学び、楽しく働く姿を取り戻せ!
    「好きなもの」は無敵の武器だ! /ハマる対象は何でもいい/三つの「タグ」で自分の価値を上げろ/あなたは「レア」人材か?/決断の時は「今この瞬間」/未来予測なんてできるわけない/義務教育が植え付けるのは空虚な「常識」/これから人はG人材とL人材に分かれる/楽しくない仕事は今すぐ辞めろ! /モノは持たなくていい/「所有」から「アクセス」へ/「快のシェア」がこれからの幸せ/「学び」とは「没頭」すること/「没頭」は天才の特権ではなく誰でもできる/学歴や資格を活かそうとするな! /「目標」を設定すると「目標以上」になれない/「やりたいこと」をやってる人にはかなわない/「手抜き」で有限の時間を守れ! /行動は「これいいじゃん」という小さな発見から/「遊ぶ」「働く」「学ぶ」は三位一体

    【目次】
    はじめに 「何かしたい」けど「今はできない」人たち
    第1章 学校は国策「洗脳機関」である
    第2章 G人材とL人材
    第3章 学びとは「没頭」である
    第4章 三つの「タグ」で自分の価値を上げよ!
    第5章 会社はいますぐ辞められる
    おわりに

    【プロフィール】
    堀江貴文(ほりえたかふみ)
    1972年、福岡県生まれ。本音で本質をえぐる発言が人気を集める敏腕実業家。SNS株式会社ファウンダー。91年、東京大学に入学(後に中退)。在学中の96年、有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)設立。2002年、旧ライブドアから営業権を取得。04年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役社長CEOとなる。06年1月、証券取引法違反で逮捕。11年4月、懲役2年六ヶ月の実刑が確定。13年3月に仮釈放。主な著書に『稼ぐが勝ち』(光文社)、『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『本音で生きる』(SB新書)、『99%の会社はいらない』(ベスト新書)など多数。
    内容(「BOOK」データベースより)
    学校とは本来、国家に従順な国民の養成機関だった。しかし、インターネットの発達で国境を無視した自由な交流が可能になった現代、国家は名実ともに“虚構の共同体”に成り下がった。もはや義務教育で学ぶ「常識」は害悪でしかなく、学校の敷いたレールに乗り続けては「やりたいこと」も「幸せ」も見つからない。では、これからの教育の理想形とはいかなるものか?「学校はいらない」「学びとは没頭である」「好きなことにとことんハマれ」「遊びは未来の仕事になる」―本音で闘うホリエモンの“俺流”教育論!
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    堀江/貴文
    1972年、福岡県生まれ。本音で本質をえぐる発言が人気を集める敏腕実業家。SNS株式会社ファウンダー。91年、東京大学に入学(後に中退)。在学中の96年、有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)設立。2002年、旧ライブドアから営業権を取得。04年、社名を株式会社ライブドアに変更し、代表取締役社長CEOとなる。06年1月、証券取引法違反で逮捕。11年4月、懲役2年6ヶ月の実刑が確定。13年3月に仮釈放(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「学び」とは没頭である。脇目も振らず没頭し、がむしゃらに取り組むことのすべてが学びとなる。学校では、そこに通う人間を規格通りに仕上げようとする性質があるという。しかし、インターネットが普及した現代では、これまで以上に自由があると考えて行動してもいいのではないかと本書は訴える。自分自身の時価総額をあげることができれば、いまこの瞬間も、自分がワクワクすることに時間を使えるのだろうと思う。本書では「貯金型思考」から「投資型思考」へと考え方をシフトさせることで自分の価値を最大化できるとあった。本書を読み、現状に対して思考停止になっている自分に気付かされた。

  • 書名は過激ですが、内容は過激でなくまっとうなものでした。
    「~するな」とか「~はダメ」とか禁止の多い学校教育は害悪でしかなく、これからの時代は「没頭」することが大事でそれが「遊ぶ」「働く」「学ぶ」の三位一体につながるということでした。
    ネットが発達し、AIが人間が嫌う仕事をやってくれる時代が来つつあり、もう苦しい仕事をすることが美徳な時代ではないんですよね。まず、没頭できるものを見つけることが大事だとわかりました。

  • 産業革命に起源を持つ学校は、工場労働者の育成機関。知らないうちに自分たちは国にとって都合の良い人材に育て上げられていた。

  • 何かに没頭すること。没頭する何かを見つけること。それが一番大事だ。
    簡単なことだと筆者はいう。私も簡単だと思っていたが、実は見つけられない人が大勢いることを知った。
    それはやはり、学校や親に洗脳されているからなのではないかと思う。学校の勉強以外のことに興味を持つことは悪であるという洗脳。
    これを抜け出すには、まずは洗脳に気付くこと。そして少しずつ現状からは見だしていくことなのだろう。

  • 教育の現場で働いている者としては、正直辛い部分もあったが、学校はこのままで本当にいいのかと思っている自分にとっては、考えさせるきっかけとなった。
    教員や学校の価値観を子どもに押し付ける洗脳。
    こんな児童は素晴らしい、こうあるべきだと語ることが本当にその子のためになっているのか。
    最近本当に考えさせられる。

    全ての教員に読んで欲しいと思った。
    しかし、私は学校という組織が不要だとは思わない。
    それは少しずつ教育も変わっているからだ。

    先生が一方的に話し、知識を入れ込むような教育は今や古い。
    学校現場では、これからの時代を生きる子どもを育てている。

    古い考えの教員がいるとすれば、本当に勉強してほしいし、子どもに失礼だと感じている。

    自分の価値観を子どもに押し付けていないか、常に考えるようにしているが、これからも大切にしたい。

  • ①目的
    →「洗脳」について気になった為、純粋な興味から手に取った。

    ②感想
    →いい大学、いい会社、いい社員である「いい」という幻想は21世紀では通用しない。自分の頭で考えて自分で課題を設定し、自分で達成することが生き残る道だと感じた。

    「国士無双」と呼ばれる兵法の天才、韓信の様に「兵法だけ」を一流レベルまで極めることで、世に2人といない優れた人物になることを進められたように思う。

    ③学んだこと
    →・没頭することが学びを作る。この考え方には共感した。しかし90%以上の大人はハマっても次の日に会社なり仕事となってしまい、熱が冷めてしまうから次に繋がらないよう感じた。
    いわば、「セーブをしないゲームのようなもの」だと思う。

    だからこそ、まずお金を稼ぐことではないか?と思う。

    お金を稼ぐ→脱サラする→自分の好きなことに24時間没頭する

    だと思う。

    ・学校教育はオールBというかもなく不可もない人材を育て、作業をそつなくこなす人間を重視してきたことも共感できた。
    だからこそ、オールBというレールから外れたり、イレギュラーな行動は悪とみなされる。そして無個性となり、自分は何がしたいかすら分からなくなる。
    だから興味もないのにプログラミングを始めたりする。。。

    これは、未だに学校教育の呪縛を悪と分かっていながらも、逃れられずもがいているように感じた。

  • 学校教育の当たり前を振り払い、自立に向かうための本である。堀江さんらしい毒づきも見られるが、大半が本質を突いている。ただ批判的に語るだけでなく、作者自身が理想の学校を設立する行動力に感服する。私自身も捉えたものをアウトプットする習慣をつけたい。

  • 自分の今のちょっとした生きづらさのようなものの原因が学校にある、とスパッと整理できたのが大きな収穫だった。
    これから子どもをどう育てていけばいいか、最近はそのことにしか興味がない。自分はまさに学校教育の洗脳を受けて、いまだその洗脳が解けず、従順さに磨きがかかっている状態。しかし、子どもは環境や親の姿勢で洗脳されない状態にすることはできるかもしれない。学校教育や中学受験、大学受験文化がそのような洗脳を作っている気もする。自分の子どもには他と同じような道を進ませるのではなく(他人がやっているからうちも、というように中学受験をさせ、難関大学に進ませるというような普通の道ではなく)どこか尖って、他とは違う、大多数の子どもが進む道とは少し違う道を本人の興味関心に合わせて選んであげることも大切だろう。禁止令が本人の没頭する力を奪っていることを肝に銘じなければならない。そして、客観的な評価(偏差値や学校名)ではなく、本人や家族としての主観として幸せに生きていくにはどのような部分で力を伸ばしてあげればいいか、を真剣に考えたいし、見極めてあげたい。

著者プロフィール

1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『最大化の超習慣』(徳間書店)など著書多数。

「2023年 『(仮)2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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