バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039899

感想・レビュー・書評

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  • #危険な読書 で『 #鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 』著者の川上和人さんがオススメしていたので
    .
    昆虫学者である著者がアフリカのモーリタニアでバッタ被害を食い止めるべく奮闘する姿が描かれている。
    でもバッタは興味ないなぁ…というそこのアナタ!
    こちら、バッタ研究についてのアレコレというよりも
    (論文が未発表なので内容に触れられないらしい)
    本気で夢を追いかけ四苦八苦する姿が描かれていて
    夢を持つことの有意性を提示してくれる。
    またそんな著者を導いてくれる人々の温かさに胸が熱くなる場面も多かった。
    表紙からは想像もつかなかった嬉しい誤算!

  • なぜバッタを倒しに行くのだ?
    と言う疑問から気になった本。
    思わず読み始めたらとにかく面白くて一気読み。
    科学系の本で難しいかなと、思いつつも表紙のイメージ通りとても分かり易く読みやすい文章だった。
    日本で暮らしていると知らないが、アフリカではバッタが大量発生し、そのせいで草木が根こそぎ食い尽くされて深刻な被害が出ている。
    昔から神の罰と呼ばれている恐ろしい現象。
    バッタについて研究室に籠って論文や新発見をする人は沢山いるみたいだけど、実際の現場に出て本気でバッタ問題を解決しようと頑張る人はなかなかいないそう。
    そんな中遠い日本の地から単身乗り込んでバッタと闘う奮闘記は最終的にとても胸が熱くなった。
    他の著作も機会があれば読んでみたい。

  • 日本はいつからこんなに研究者を疎かにする国に成り下がってしまったんだろうと思う。日本では、研究で食べていこうとすることがハイリスクすぎる。なんでこんなに非常勤なんだ、なんでこんなに落ち着いて研究できないんだ、だから食べていこうとすると海外に行くしかなくなって、ガンガン人材が流出するんだと思う。すぐに結果が出ると思うようなところに予算がつくのは、わかる。でも、本当に大事なタネは、今、全く結果なんか望めないような人が見向きもしないようなところに眠ってる可能性のほうが高いんじゃないのかな。そこに投資を惜しんだら、次なんか育つはずないじゃん。ノーベル賞とった人たちだって、最初から大注目のところをやってたわけじゃないじゃん。
    だらだらやってるわけじゃなく、研究して、論文も書いて、発表もして、それでも食べていけないってどういうこと??
    前野さん、よくぞ書いてくれました!!
    研究者の現状とバッタへの愛あふれる本でした。

  • 研究者って面白い人多いですよね。なんとか世の中に役に立つということをこじつけて予算をもおぎ取ってくるこじつけを考えたり、職業として続けるための策をいろいろ考えたりと、自分がすきなことをやり続けるためのに投入する熱意がすごい。ここまで凝ればやってくる楽しい世界にはいりたいとも思いつつ、普通の人は二の足を踏んでしまうよなぁ。自分の限界というか勇気とやる気のなさを感じさせる恐怖の一冊。おもしろい。

  • 事前の期待値を遥かに上回る、笑いあり涙ありの大傑作。
    本作の主舞台・モーリタニアの自然や人々の描写のなんと鮮やかなことか。自分には絶対むりだけど、バッタやハリネズミやタコ(プルプル)に囲まれるのもアリかなとつい想像してしまう。
    筆者を支える日本人も悉く感動的。特に京大総長。泣ける。
    そして何より本書を際立たせているのが、筆者が(実際は凄いんだろうけど)悩める若手研究者としての等身大の存在を素直にさらけ出すサマ。描かれる様々な失敗談には、変な言い方だけど実に勇気づけられる。
    「出せるものは何でもさらけ出し、思いつくことはなんでもやってやれ」。こんな境地、なかなか至らない。凄いです

  • いい本だったな。日本の若い研究者を応援したくなる!

  • バッタが好きすぎて、バッタが大量発生するアフリカのモーリタニアにフィールドワークをしに行った著者。バッタのことだけでなく、論文を書いて実績を積まないといけない、就職先を見つけないと無職になる、などといったポスドク事情も書かれていて面白かった。ただ、著者の「俺って凄いだろ」アピールが強すぎて少しうんざり。俺は修羅の道を進んだのだ!!みたいな。ほんと、変な人だなぁ!全身緑タイツでバッタに喰われようとしている写真には、ドン引き!そしてドン引きすると共に、こんなに好きなものがあるなんていいなぁ、とも思う。

  • 面白く読みました。日本の研究者(の卵)のかたがたの現状や、日本の国としての国際貢献の意義についても、示唆に富む内容でした。こういったテーマを気軽に手軽に興味深く読ませる良書だと思います。
    口煩くいえば、気軽に手軽に読ませようと意識しているためか、文章が軽すぎて途中で少し飽きてしまったり、笑わせようという努力が濃厚すぎてちょっと食傷気味になってしまったかな…。章のなかで細かくブロック分けされているのも、私の好みからするとやや細切れすぎて集中力が途切れそうになることたびたびでした。この辺りがネックで読了するまで時間がかかりました…。

    しかし、バッタに人生を懸けて夢に突き進む姿には感動しました。頼もしい。

    最終章にある、「憧れた人を超えていくのは」の一文、ここで不覚にも涙ぐみました。著者の今までの道を、この著書を読むことで追体験してきたこの道を、振り返ればこみあげるものがありました。そしてこれからの彼の道に思いを馳せ、もしかしたら私は、彼の読者たちは、日本のファーブルの誕生に立ち会っているのかもしれないと感じます。

  • ファーブルに憧れて昆虫学者を目指すエッセイ。バッタについてこんなに情報を入れるのが初めてで興味深いし、著者の語り口調や目線が面白くてどんどん読み進められた。
    誰に対しても誠実に向き合う著者に、すごく好感も持てた。
    最後に書かれている
    「夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると思わぬ形で助けてもらえたりして流れがいい方向に向かっていく気がする。夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかな、と今気づく」というところが忘れたくない箇所。
    著者のように夢中になれる対象が見つかることは幸せだな、と感じた。

  • とても読みやすい本だった。
    バッタのことをまだ人類はよく知らない。

    アフリカの生活が市民レベルでよくわかり、とても楽しかった。

    あとがきも良く、ラマダン(断食)をすることで、幸せなレベルが上がると書いてあった。ところが納得した。

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著者プロフィール

1980年生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。農学博士。
日本学術振興会海外特別研究員としてモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所に赴任。

「2012年 『孤独なバッタが群れるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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