バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

  • 光文社
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  • / ISBN・EAN: 9784334039899

感想・レビュー・書評

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  • R2.1.9 読了。

     とにかく面白くて一気読みしました。
     ファーブルに憧れて、昆虫学者の道へ。サバクトビバッタの生態調査、防除技術の開発のために西アフリカのモーリタニアへ。モーリタニアと言えば某食品メーカーのCMで「モーリタニア産のマダコ」で名前は知っていたが、どの大陸の国かまでは知らなかった。
     海外生活でも言葉の壁、文化の違い、仕事のやり方、自然の猛威などにそのタフさで乗り越えていく前野氏。バッタにかけた生涯。この本を通して、モーリタニアについて、言語や昼夜の殺人的な気温差、人柄、ヤギ好き、アルコールが自由に飲めない環境等々も知ることができて良かった。
     モーリタニアで前野氏が出会ったババ所長とティジャニも素晴らしい人柄にも感動しました。
    そして前野氏が異国のサバクトビバッタの防除技術の開発に貢献されることにも期待したい。続編が出たら読みたい。

    ・「救いの手を差し伸べてくれる人がいるから、物乞いができるのだ。日本の道端で物乞いをしたって、最近は物騒なので見ず知らずの他人に誰が恵んでくれようか。私は物乞いを気の毒なイメージでしかとらえていなかったが、取り巻く環境を見ると、そこには多くの優しさがあった。」
    ・「バッタは漢字で『飛蝗』と書き、虫の皇帝と称される。」
    ・「異文化では、物事を正確に伝える必要がある。私の『普通』など、世界では所詮『例外』なのだ。」
    ・「自分たちがどんなに大変な目に遭っていても、自分よりも困っている人がいたら、自分の身を削ってでも助けようとする。このモーリタニアの献身的な精神は、いついかなるときでもぶれない。厳しい砂漠を生き抜くために、争い奪い合うのではなく、分け与え支え合う道を選んできた。この国民性が、サハラ砂漠という厳しい環境でも生きることを可能にしてきたのだろう。」
    ・「それにしても、目標とは生きていく上でなんと重要なのだろう。あるとなしとでは毎日の充実感が大違いだ。」
    ・「つらいときは自分よりも恵まれている人を見るな。みじめな思いをするだけだ。つらいときこそ自分よりも恵まれていない人を見て、自分がいかに恵まれているかに感謝するんだ。嫉妬は人を狂わす。」・・・ババ所長の言葉。
    ・「苦しいときは弱音が滲み、嘆きが漏れ、取り繕っている化けの皮がはがされて本音が丸裸になる。今回の苦境こそ、一糸まとわぬ本音を見極める絶好の機会になるはずだ。」
    ・「世界を我が身のごとく捉えていなければ、こんな感謝ができるはずはない。」
    ・「ご自身が大きな視野を持ち、数多くの困難を経験していなければ、このような大きな感性は身につかないはずだ。」
    ・「無収入を通じ、貧しさの痛みを知った。つらいときに手を差し伸べてくれる人の優しさを知った。そして、本気でバッタ研究に人生を捧げようとする自分の本音を知った。バッタを研究したいという想いは、苦境の中でもぶれることはなかった。もう迷うことはない。」
    ・「叶う、叶わないは置いてといて、夢を持つと、喜びや楽しみが増えて、気分よく努力ができる。」
    ・「何ゆえ過酷な状況にその身を追い込むのか。答えを求めて自分も彼らに倣ってたった3日間ではあるが、ラマダンをしてみた。…(中略)明らかに幸せのハードルが下がっており、ほんの些細なことにでも幸せを感じる体質になっていた。おかげで日常生活には幸せがたくさん詰まっていることに気づき、日々の暮らしが楽に感じられた。ラマダンとは、物や人に頼らずとも幸せを感じるために編み出された、知恵の結晶なのではなかろうか。」

  • グラスホッパー!
    あの「殺し屋」シリーズやなく、まさしく真面目なバッタの話。
    本のカバーからでは、想像できんけどね〜
    でも、そのカバーが面白くて、手元にあるのも確かなんやけど(^◇^;)

    小さい頃からの夢
    「バッタに食べられたい」
    何と、素晴らしい夢や…(^◇^;)
    こんな事を夢見る人しかアフリカにまで行って、無収入になりながらも、バッタを追いかけて…
    には、ならんのかもしれん。

    結局、バッタの何が分かってん?という問いかけには、論文出してないから秘密って事になってる。
    (早よ!論文出し〜な!)
    この話の中では、まだ、任期付きみたいやけど、きっと凄い論文書いて!任期無しになってな!

    ずっと、諦めずに夢を追う…
    なかなか出来んこと。頑張って!

  •  熊の次はバッタかい! この4月に続編が出版と知り、本書読むなら今でしょ!と手にしました。
     芸人のギャグみたいな表紙写真(出来損ないの仮面ライダー?)、裏には「その者緑の衣を纏いて砂の大地に降り立つべし‥」の文言。ナウシカかよ!とツッコミを入れつつ読み始めました。

     なんと著者は、ご立派な昆虫学者で、学会で多くの受賞歴があります。アフリカではバッタが大量発生し、作物へ壊滅的な被害をもたらす深刻な飢饉問題がありました。バッタにまとわりつかれ、食べられたいと変態的な夢をもつ著者(絶対Mだ!)は、人類を救う研究だと確信し(風の谷ですか?)、単身アフリカのモーリタニアへ。本書は、日夜フィールドワーク研究に勤しんだ日々を、可笑しくも真面目に綴った一冊なのでした。

     バッタの前に、言葉、環境、文化・風習など、数々の倒さなければならない"巨神兵"(やっぱりナウシカ?)がありました。中身の具体と悪戦苦闘ぶりは省くとして、失敗をものともしない、この悲壮感のない前向きな姿勢はどこからくるのかと、つくづく感心します。もっとも、こうでなくては研究者は務まらないのでしょうがね。間違いなく知的好奇心の塊のような方です。

     サバクトビバッタの相変異(群れを成すと体色を変えて獰猛化し、植物・農作物を喰い荒らすモード)の解明と防除技術の開発に従事する著者の、笑いあり、夢と異世界知識あふれる一冊でした。おすすめです!

    • ひまわりめろんさん
      同じこと考えてた!
      そして遅れをとった!
      なんか悔しいです!
      同じこと考えてた!
      そして遅れをとった!
      なんか悔しいです!
      2024/03/26
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      え、そうなんですか?
      いい仕事してますねーの人でした。
      7年ぶりの続編がちょっと楽しみ‥
      え、そうなんですか?
      いい仕事してますねーの人でした。
      7年ぶりの続編がちょっと楽しみ‥
      2024/03/26
  • はい、続編が発売されるということで今!読んでみましたよ!
    本とコさんの真似じゃないですよ!

    いやーもうめちゃくちゃ面白かったです

    バッタ学者を目指す著者は自分の可能性を信じて「神の罰」とも称される空を覆い尽くすサバクトビバッタの大群を求め西アフリカのモーリタニアへ

    そこでパートナーとなる運転手ティジャニや偉大な男ババ所長と出会い奮闘する冒険(フィールドワーク)の日々が描かれています

    もう、とにかくおバカ!著者もおバカだしティジャニもおバカで笑うしかない
    バッタバカです
    釣りバカ日誌ならぬバッタバカ日誌です

    だけどこの本に書かれていたのは、バッタのことだけではありませんでした

    ここには「夢」を持つことの素晴らしさ、喜び、効果が書かれていました

    大きな夢でも小さな夢でもいい、夢を持つことで努力が苦にならなくなる
    叶わなくてもいい、夢に向かって進むことで自分が成長し、夢を語ることで味方が増える

    夢に向かって闇雲に突き進む全身緑タイツの男に続くのだ!

    少年少女よ!バッタをいや夢を追え!

    • 土瓶さん
      今日これの続巻出たらしいね。
      自分で読むのめんどいからレビューよろです。
      今日これの続巻出たらしいね。
      自分で読むのめんどいからレビューよろです。
      2024/04/17
    • ひまわりめろんさん
      いずれ読むのでレビューはしますけども、わいのレビュー読んだところでっていうね
      いずれ読むのでレビューはしますけども、わいのレビュー読んだところでっていうね
      2024/04/17
    • 1Q84O1さん
      続巻の表紙に1号、2号が!w
      続巻の表紙に1号、2号が!w
      2024/04/17
  • 『事実は小説よりも奇なり』
    まさに、この物語のことだと思った。
    日本の昆虫学者が、農作物を喰い荒らすバッタを研究しにアフリカへ向かうノンフィクションの物語。
    ユーモアに溢れて読みやすく、夢中になった。

    著者は言語も文化も異なるアフリカで、自然の厳しさに直面し、お金も尽きて苦労するが、バッタ研究という夢を追いかける中で、人と出会い、人に救われて、夢を実現していく。
    夢や目標をもつことの大切さとそのために人生の勝負を賭ける勇気がいることを学べた。

    読後は、大冒険したような高揚感があり、明るく前向きな気持ちになれました。

    • しずくさん
      なべさんおはようございます。
      フォローをありがとうございました! 自己啓発本は苦手な私ですが、前向きになれる物はジャンルを問わず好きです。...
      なべさんおはようございます。
      フォローをありがとうございました! 自己啓発本は苦手な私ですが、前向きになれる物はジャンルを問わず好きです。『バッタを倒しにアフリカへ』もそんな本で愉しく読んだ記憶があります。
      2022/07/25
    • なべさん
      しずくさん、こんにちは。
      コメントとフォローありがとうございます。
      前向きになれる本は、読後が気持ちいいですよね!
      よろしくお願いします。
      しずくさん、こんにちは。
      コメントとフォローありがとうございます。
      前向きになれる本は、読後が気持ちいいですよね!
      よろしくお願いします。
      2022/07/25
  • 2018年新書大賞受賞作品
    自分の知らない世界が見えて来てめちゃくちゃ面白かった。
    冒険譚を読む時のようなワクワク感がたまらない。
    コミカルタッチで読者を惹きつける筆力はさすが今どきの博士先生だ。
    カラー写真がふんだんに使われているのもポイント。
    せめて本書の印税がポスドク先生の生活と研究の足しになりますようにと願わずにはいられない。

    読み手を意識して、軽妙に描かれているためスルーしがちだが研究にかける著者の信念や覚悟に感動した。

    ウルド先生が今どうされているのかが無性に気になる(笑)

  • 自分は博士課程を修了し、その後3年間のポスドク生活で修業生活を経験しました。そして2年間の素晴らしい海外留学!今となってはいい経験だった。論文もたくさん書いたし、ヨーロッパを満喫!でも2年後の就職のことはずーっと頭の片隅に。。運よく2年後に教員として採用してくれた大学に感謝。そこからも怒涛の引っ越し生活。研究者は必要としてくれる場所に行くべきなんだろうね!バッタ博士のパッションは心地よい!自分にはその勢いはあっただろうか?あの留学中の研究からさらに発展している。研究者のパッション、若い研究者に伝えよう!⑤

  • フォローしている方達の本棚に散見され、どのレビューも面白い!と太鼓判だったので、読んでみた。

    新書の割には厚みがあるような気がするが、著者のライトな筆致がグイグイ読ませる。
    運転手兼相棒ティジャニ氏とのやり取りも、モーリタニア(タコの輸入国くらいしかイメージなかった)という国を身近に感じさせてくれる。

    アフリカで大量発生する、砂漠トビバッタ。
    日本でもたまに、ニュースになり、今年2020年は、ケニアで70年ぶりの大発生。空を覆う真っ黒な大群の映像に鳥肌が立った。その光景は「神の罰」とも言われるそうだ。
    コロナで世界が大打撃を受けている上に、アフリカではバッタによる食害で、食糧危機が懸念されている。


    著者の前野ウルド浩太郎さんは、そんな砂漠トビバッタを生涯の研究テーマに据え、大学院博士課程を終了し、2年の研究期間を終えた後、西アフリカのモーリタニアで3年間苦労を重ねて研究を続けられた。

    いわゆるポスドクと言われる、就職先が決まらない博士号を持つ人たち。
    論文を発表し続け、なんとか就職に繋げようと努力しているが、なかなか空きポストはない。

    前野さんも、活路を見いだそうと退路を絶ってモーリタニアのバッタ研究所へ。
    ババ所長(現地の方)以外は、外国人が何しに来たんだ?という白い目を向けてくる。さらにサハラ砂漠の厳しい気候と、異文化に苦労の連続だ。
    しかし、持ち前の観察眼と人の良さ、モチベーションで、研究所の面々を味方につける。
    ようやく足元が固まったのに、まさかの大干魃で、バッタが出現せず、これといったバッタの論文も書けず、研究費が出る二年間が終わってしまう…つまり無収入になってしまうのだ。
    このまま日本へ帰国して地道に就活をするか、無収入でも貯金を食いつぶしてモーリタニアで粘るか…。

    無収入に陥ってからの、前野さんの自分プロデュース作戦がスゴイ。
    彼の人柄に惚れた人たちとの交流から得た柔軟な発想とバッタへの愛と執着の賜物だろう。

    一時はメディアへの露出も目立ったが、今は研究に邁進されているようだ。


    ポスドクは、社会問題にもなっているが、そんな彼らの厳しい現状を伝える役割も果たしているのではないだろうか。
    2020.5.18

    • マリモさん
      ロニコさんこんにちは!
      私もこの本面白くてとても印象に残っています。最近も、バッタ大発生のニュースを見るたびに前野さんを思い出しているところ...
      ロニコさんこんにちは!
      私もこの本面白くてとても印象に残っています。最近も、バッタ大発生のニュースを見るたびに前野さんを思い出しているところです(^^;
      バッタが大丈夫でしたら、前野さんの第一作の『孤独なバッタが群れるとき』もぜひ。こちらはモーリタニア赴任前のバッタの研究が中心で、バッタ度がさらに高いです(笑)
      2020/05/19
  • 発売されてからずっと気になっていた本書。
    書店で見かけるたび、表紙のバッタ人間はリアルなイラストだと思い込んでいたのですが、ちゃんと手に取ってよくよく見てみたら著者ご本人の写真だったのですね…!
    著者のユーモアと並々ならぬバッタへの熱意がみなぎっているカバーです。

    大発生すると農業に大きな被害をもたらすサバクトビバッタ。
    このバッタの生の姿をフィールドで研究すべく、単身モーリタニアへ飛び込んだ著者の奮闘が、たくさんの笑いを交えながら綴られています。
    期待に反してなかなかバッタの群れに恵まれなくても、無収入の憂き目にあっても、くじけずバッタを追い求める著者の姿にパワーをもらいました。

    著者は自分をPRするセンスが抜群だと思いました。
    彼の人柄とユーモア、それに努力と度胸が多くの人の心を捕らえたのだな、と思います。
    そして応援してくれる人たちを裏切らない活躍を発信していけるところもすごい!
    「自分はやれる!」という強い信念は実現させることができるのだと、大きな勇気を与えてくれる1冊でした。

    余談ですが…
    モーリタニアでの食事に惹かれてしまいました。
    豪快に調理されるヤギ肉、特に割った骨の髄液を混ぜ込んで炊いたごはんがたまらなく美味しそう…じゅるる。

  • 面白い!
    お人柄がポジティブで、チャレンジャーで、柔軟性があって魅力的。
    また研究者という未知の世界を覗かせてもらえた。
    自分の知らない世界が広がっていて好奇心も満たされる。
    大満足の1冊。

  • 子供の頃からの夢「バッタに食べられたい」を叶えるために研究者となり、モーリタニアでのフィールドワークの様子を面白おかしく紹介した本。
    語り口も面白く、あっという間に読了。

    安定した職とはいえないポスドクの厳しさや焦りと、それでも研究をしたいという気持ちの葛藤なども描かれている。研究を続ける上で、社会に発信し、応援してくれる人を増やすことの重要さを再認識した。

  • 中学生・高校生の必読書に是非したい1冊。
    ・好きなことを追いかけることの大切さ
    ・それを現場で体感することの面白さ
    が楽しく、一気読みできます。

    モーリタニアのバッタ研究所のババ所長が素晴らしい。
    以下気に入った言葉。
     いいか、コータロー。つらいときは自分よりも
     恵まれている人を見るな。みじめな思いをするだけだ。
     つらいときこそ自分よりも恵まれていない人を見て、
     自分がいかに恵まれているかに感謝するんだ。
     嫉妬は人を狂わす。
     お前は無収入になっても何も心配する必要はない。
     研究所は引き続きサポートするし、
     私は必ずお前が成功すると確信している。
     ただちょっと時間がかかっているだけだ。

  • 一人のバッタ博士がアフリカでバッタと、いや人生と格闘する話。
    本屋で偶然手に取り読んだ本だが、結果的に2017年上半期一番面白い本となった。

    新書にしては厚めだが、文章・言い回しが面白く、飽きずに笑いながらスイスイ読める。
    スイスイ読んでるうちに、サバクトビバッタの生態からモーリタニアの生活・文化、
    はたまた研究者の苦悩から東北弁の雑学まで、様々ものを垣間見ることができた。

    それだけで十分面白いのだが本書の魅力はそれだけではない。
    筆者はモーリタニア赴任後、いくつもの困難・苦難にぶつかるが、
    工夫と努力と忍耐をもってして、また多くの人との出会いと助けを得ることで、
    それらを乗り越えて成長していく。その姿に感動するし勇気を貰える。

    終盤の「孤独の不安は友やファンが打ち消し、無収入の心配は京都大学が葬り去った」は笑える言い回しなのだが、
    多くの苦悩を乗り越え成長した上で決戦を迎えるところで、不覚にもホロっときてしまった。笑。

    超おすすめの一冊です。バッタにもアフリカにも興味が無くても十分楽しめるはず。

  • 予想以上の面白さで、一気に読んでしまった。よくある旅行記ではなく、昆虫学者が発展途上国で一人戦うアツい物語である。いくら不憫な場面に遭遇しても、前野ウルド氏は決して卑屈にならない。物事をポジティブにとらえ、自分の置かれた状況とうまく付き合われている様子には感服するばかりだ。遠い異国でなかなか出来ることではない。本書を読むまで、蝗害は対岸の火事程度にとらえていたが、これは深刻な問題なのだと改めて痛感した。今後、著者がサバクトビバッタの防除技術を開発し、モーリタニアのみならずアフリカ全土を救う救世主になることを強く願う。続編があれば是非読んでみたい。

  • 職なし金なし将来の保証なしの若者が一念発起で向かったのはアフリカの地モーリタニアだった。サバクトビバッタの生態とその食害に全力で向き合ったバッタ研究者の軌跡を描いたドタバタ奮闘記。

    ブログを読んでいるような砕けた表現で、肩を張らずに読み進められます。準備の時点でバッタに重きを置きすぎた結果なのか、現地で早々に言葉の壁に阻まれたり、漆黒の砂漠で迷子になったり…と著者の無鉄砲で前のめりな姿勢にハラハラさせられっぱなし。自身のトホホな体験談を盛り込みつつ、不器用ながらも健気に研究対象であるサバクトビバッタを追う著者の姿勢に気付けば読者も巻き込まれていきます。
    ポスドクの実態や課題も綴られ考えさせられる面も多くありました。昆虫学者でご飯を食べていけるまでの道のりはあまりに険しく途方に暮れそうに。それらを悲壮感なく、むしろ著者であればそのバイタリティで明後日の方向から壁を乗り越えてくれそうな力強さすら感じるのが不思議。

    逞しく、まっすぐで、メディアを上手に活用する案外ちゃっかりした著者。これからも熱くしぶとく研究に専念して、バッタ博士として突き進んでほしいと思います。
    そしてぜひいずれ続編を!

  • 昆虫博士のモーリタニアでのフィールドワーク。
    過酷な環境で生活・研究は呆れるほど災難続き(入国拒否,大干ばつ,蠍…)
    無収入は研究にかける情熱と本気さを相手に訴える最強の武器と開き直るのが清々しい

  • モーリタニアという国の研究所で、サバクトビバッタの研究をしているポスドクの身辺記と書いても、あまり読む気が起きないかも知れないが、素晴らしく面白いし、前向きな気持ちにもなる。軽く読めて、元気が出るというような本を求めているような人には、ぴったり。
    作者は、ファーブルに憧れて、昆虫学者になることを志す。その過程で過ごした、西アフリカのモーリタニアでの研究や生活のこと、後半は日本での活動を中心に本書は構成されている。
    夢や志を暮らしのベースに置くこと、その実現のために、とにかくジタバタしてみることの、爽やかさを感じた。作者のように、それが上手くいくとは限らないが、でも、目指さないと叶わないということだなぁ、と強く感じた。

  • 幼いころに興味を抱いたことを研究し、社会に貢献したいと懸命に努力を重ねているポスドクの方々が沢山います。
    しかし運よく職につけたとしても多くが5年程度の有期雇用で、差し迫った将来の生活不安を抱えています。
    本著者の前野さんもまだ注目されるような成果は出せていないようです。
    バッタ博士として生きていくには一筋縄ではいかない。
    バイタリティあふれ、衣食住+研究費の工面を常に考えて行動している姿はなかなか真似できません。
    「憧れた人を超えていくのは、憧れを抱いた者の使命だ。」という言葉が前野さんの活力の源になっていると感じました。

  • 最後の最後まで、たくさんの笑いと勇気をもらいました。
    著者のキャラクターは言うまでもなく、テジャニやババ所長など魅力溢れる方々との交流も面白かったです。
    また、自分の好きをとことん追求し、人や世の中を良くしたい!という強い信念を持っておられるポスドクの方々がこんなにもサバイバルで生活する(仕事を得る)ことが大変だとは知りませんでした。
    著者の、苦悩しながらもいつでも前向きな姿や、ババ所長の人(著者)への接し方、考え方には学ぶものがありました。

    いまでも思い出して笑ってしまうところは、
    ・フランス語を全く覚える気がないなか、テジャニとの意思疎通が数ヶ月で完璧になり周りが不思議がったこと
    ・白眉プロジェクトでの著者の行動
    ・サソリに刺されたあとのババ所長のお祈り

    感動したところは、
    ・ババ所長が語るモータリア人の考え方。
    "助けが必要な人がいれば必ず手を差し伸べる"
    ・ババ所長によるコータローへの気遣い。
    研究所を変えたり、クリスマスのお祝いをしたり。

    あと、最後のノミのエピソードで、アフリカ生活は私には無理だ…と思いました。(ものすごく行きたいんだけど…!)

  • 今回の本は、若干「旬」を過ぎている感もあるが、書店の店頭ではよく見かけた本である。このインパクトある表紙に見覚えのある人は多いはず。であるが、自分としては普通は選択しない側の本であったと思う。

    メンタルの療養中の人へのオススメ本として紹介して頂いた幾つかの本のうちの一冊がこれで、自分も人に勧める以上は読んでおこうと思いワンクリック購入した。

    子供の頃にファーブル昆虫記を読んで、昆虫博士になりたいと夢を抱きながら大人になった男の、ドリカム・ドキュメンタリーとでも言っておこう。

    まず「バッタ」を扱った本などに出合うことは、昆虫図鑑以外には、まず考えられない。本書の中で、西村寿行著「蒼茫の大地、滅ぶ」というバッタによる災害(蝗害)を扱った小説ががあったということも初めて知った。

    そんな日本ではレアな素材を研究するために、これまた日本人の関心が向く国としてレアなモーリタニアに向かい、このバッタ研究に命をかける男のドキュメンタリーなのである。

    本書の特徴として、レアなバッタ研究、レアなモーリタニアの文化を知れるという点で、異色の好奇心が刺激される。ときおり、著者が研究生活を通じて撮った写真も掲載されており、その写真が珍しく、本を読む過程での強いアクセントとなっている。

    ドキュメンタリーの内容は、少々私生活の日記ポイところがあり、読み物としてはどっちでもいいような情報と個人的に感じる部分もチラホラ。しかし、ともかく著者はそうしたことも細々と書きたいと思うくらい、この異国の地でのバッタ研究を心底楽しんでいるのである。

    「自分自身に生きる」男の生の話として、本書の推薦者は、心の自由解放に役立つのではないかという視点で勧めてくださったのではないかと思う。

    不運にも、60年に一度という大干ばつに襲われたため、バッタが全く発生せず、開き直って南フランスのファーブルゆかりの街を訪問するシーンは、自身の論文をファーブルの像に捧げて写真を撮るなど、あこがれの師に対する著者の熱い思いが見えるシーンである。

    収入がなくなり、研究を途中放棄しなければならない状況に陥るが、その難局を、情熱で乗り切り、危機一髪の状況からサクセスストーリーへ転じていく。

    その背景にある現実の戦いは壮絶なものなのだろうと思うのだが、著者の語りがチャラけているため、感動的な部分の伝達が不発に終わっている感がある。

    それにしても、彼は窮地に追い込まれながらも、常に研究を心から楽しんでいる。モーリタニアの生活や、現地のスタッフとのコミュニケーションも心から楽しんでいる。

    苦難の中にも楽しさを見つけ、自身の道を切り拓いてきた著者だからこそ、幸運をつかみとれたのかもしれない。それにしても、キャラは研究者というより芸人だなぁ(笑)。

  • 2018新書大賞の本。
    研究者という仕事は羨ましくもあるけれど、続けていくのはとても厳しいのですね。それでも諦めずバッタを追い続けた姿が素晴らしかったです。そしてその熱意が伝わっているのと前野博士の人柄もあり、現地の人や関係者の方々が皆さん素敵な人ばかり。特にババ所長の優しさや心の深さは素晴らしかったです。
    いつか道徳の教科書に載りそう!

  • 面白い本というのは聞いていて購入していたが、正直昆虫はあまり得意ではないのでなんとなく読むのをためらっていた作品だったが、ついに読んでみた。
    結論。一言でいうと…大変面白かった。
    単純に、日本とは全く違う文化、気候であるモーリタニアという国自体が非常に興味深く、また著者を支えるババ所長、ティジャニを中心におもしろい魅力的な人物が揃っている、そしてバッタの生態に関することだけでも十分に読み物として面白かった。
    しかし何より魅力的だったのは著者の生き方そのものである。
    特に著者が「無収入になるかもしれない」という究極の状況に陥ってからの行動力、生き方が素晴らしかった。
    固定観念に縛られず、バッタの研究を続けていくために、かつ生きていくためにはどううれば良いかを必死で考えて行動していた。結果だけ見れば、ドラマかと思うくらい奇跡のような出来事が起こってハッピーエンド…のようにも見える。
    しかし、これは決して奇跡なんかではない。昔映画でこんな言葉があった。
    「運命は努力をした人だけに、偶然という橋を架けてくれる」
    つまり、これは奇跡なんかではなく、著者がもがいてもがいて頑張ったから、運命が架けてくれた結果なのである。
    そして何より不自由を不自由と思わず常に楽しむ姿勢が実に素晴らしかった。
    やはり、何かを成し遂げるためには「楽しむ」ことに勝るものはない。
    自分にはここまで熱く心を燃やせるものには出会っていないが、いつかそういう日が訪れたら、著者のように楽しむことを忘れずにまずは行動に移す姿勢を心がけたい。

  • 表紙のインパクトがすごい!
    この表紙から、なんちゃって紀行本かと思いきや…
    バッタの研究に命を懸けた昆虫博士の奮闘記!

    なんせ、著者の前野ウルド浩太郎さんはバッタと触れ合いすぎてバッタアレルギーになったという方。(いや~そんなアレルギーあるのね…)
    その前野さん、サバクトビバッタの研究をしに(長年の夢だったバッタに喰われるという夢を叶えるため)アフリカのモーリタニアへ。

    余談ですが…モーリタニアのタコはうちの近所のスーパーでよく見る。
    その時は「モーリタニアってどこ?」と思ってました。

    日本からやってきたサムライ昆虫研究家
    いろんな人に助けられ、(まあたまにぼったくられ)、バッタの大群にはなかなか遭遇できず、研究のための機器は壊れたり、錆びたり、サソリに刺されたり…
    まあなんだかんだありががらも全然めげないでひたすらバッタラブを貫く姿に感動いたしました!

    文章もめちゃくちゃ上手い!とにかくおもしろい!
    いろんな意味ですごい方だな~。

    私も子供の時にファーブル昆虫記を読んで昆虫博士になりたいと
    近所の男子と誓い合ったことを思い出してしまった

    子供の時の夢を実現できる人のすごさ
    この本を読んであらためて感じました

    前野さんはいつかきっとすごい秘密兵器でサバクトビバッタ被害を阻止してくれる気がするな~

    いや~この本はもちろんだけど、前野ウルド浩太郎さん
    あなたは最高におもしろい方です!!

    応援してます!!

  • 私は、虫が怖い。手術より、注射より、100倍怖い。出来ることなら虫が出てこない環境で暮らしたい。虫も自然界では大事で、とかいう一般常識は心得ていても、怖いのだから致し方ない。羽音のするものは、蜂からハエ、バッタだって怖い。存在を確認すると、私、動けなくなる。悲鳴だって、怒って襲われるかもと思ったら、あげられないほどだ。彼らの顔を見給え。すごく怖いから。睨んでるし。なのに。何を思って本書を手に取ったのか。出版されてすぐ話題になっていた。すぐ図書館で予約して、ようやく回ってきたのだ。

    タイトルを見た時、『バッタを倒しに』…大人だよな。このひと。そして、表紙のバッタコスしてるのは…多分きっとご本人。大人がバッタを『倒そう』って、普通思うか?…思わない、気がする…。そもそも、倒さなきゃいけない必要性って何?そんな疑問と、絶対この本面白い!という直感で、今まで待った。

    理系の偏差値35。文系の偏差値75が固定値だった私が、サイエンス系のエッセイに興味を持つことは通常なかったけど、本読みの直感は鋭い。文句なしに面白かった。「食べちゃいたいほど好きだ』ってよく言うけど、世間広しといえど『バッタに食べられたい』なんて夢を持つ人は、なかなかいないだろう。そのくらい、前野博士はバッタを愛しておられる。

    前野博士は、非常に優秀な方だけれど、研究室の、白く厚い扉を開けて、何もかもを捨て、空を覆うバッタのもとに馳せ参じる事ができるのは、本当にすごい。シュリーマンに憧れた人がいれば、ファーブルに憧れた人もいる。そう、この方のように。

    私は、何ゆえバッタ(ごとき)のためにアフリカに行くのか?と疑問に思ったけれど、その重要性が、全くなんにも解っていない私にも、明晰に、そして面白く語られていく。飢饉といえば、空を埋め尽くすイナゴの大群を、何かで見たことがあったけど、あのように。バッタも大量発生したら脅威であること。真剣にモーリタニアはじめ、各国の研究者がそれを回避し、生物としてのバッタの素顔を知ろうと奮闘している。それは他人事じゃなく、地球規模で私達も当事者である、と伝わる。

    でもこれを、専門家だけに分かる言葉で書くほうが、おそらく簡単だ。虫嫌い・理系バカの私でも解るように、しかも、バッタへの愛と、モーリタニアの研究所での生活の悲喜こもごもを全部込めて書けるのは、この方がいかに優れているかの印だとも思うのだ。人類の飢餓問題を、昆虫を食べることで解決しようなんて研究も進められている今、バッタと人類がどう向き合うかも大事だろうから。普段はちゃんと共存するのは、必要だと思う。大発生するから根絶しちまえ!というアグレッシブな態度を人間がとったら、それも困る。生態系が崩れちゃうだろうから。

    けれど、壮絶なくらいの発生の仕方をしたらどうするかというのは、表裏一体で研究されていかなくてはいけないのだろう。その、情熱も、行動力も、豊かな感情も、事実が持つ迫力に裏打ちされて、ページを捲らずにいられない。研究者の抱える問題も、大学院に行きたかった私には、すごく切実で、リアルだった。暗さや難解さは全然ない筆致で、最後の1ページまで『頑張って!』と、こっちも熱くなる。旅行記としても断然面白いし。笑っちゃったりハラハラしたり、大変でした。

    相変わらず虫は怖いけど、時には苦手で知らない世界も覗いてみるものですね。バッタ、見ても悲鳴あげなくなってる…といいんだけど…。難しいかな?前野博士のご学究が進んで、すべての人々に享受されていきますように。

  • ずっと読みたいと思ってたけど、
    なかなか購入意欲が沸かなかった作品。
    人生を賭けて、異国の地モーリタニアで
    バッタを研究する博士の実話。
    もしくは、夢を追いかけ、叶えた男の熱き戦い

    バッタの専門的な話は、ほぼなく、実に読みやすい。そして何より面白い。
    文章そのものの面白いし、
    著者の人格もとても好感。
    この本は、自信を持ってオススメしたい
    とても面白かった。

  • おもわず、前のめりになって読んでしまうおもしろさがあった。ふとんの中でよんでいると、いつの間にか 03:00になっていました。

    ポスドク、いわゆる研究員になれない博士のちょっと自己主張の強い内容でした。

    バッタの大群、「神の罰」と恐れられています。が、筆者がアフリカにわたってしばらくは、なりをひそめていました。

    大群で、地を埋め尽くし、空を覆いつくすのは、バッタではなく、イナゴだとおもっていましたが、バッタでした。
    バッタには、孤独相、と群生相があって、ふだんおとなしい、孤独相のバッタが狭いところで集まると群生相となって大地を旅しはじめます。

    サハラにも2カ月雨季があって、緑に覆われることははじめてしりました。

    モーリタニアは、たこの名産地、そこにバッタ駆除の本部がありました。なぜなら、アフリカのバッタの大群は、モーリタニアで生まれるとのことです。

    ゴミダマという昆虫がぐじゃぐじゃいて、それを食べるために、ハリネズミが基地に入り込んでくること、砂漠にごろごろいるとのことです。

    モーリタニア人は、ヤギが大の好物、バッタをさがすのには、ヤギをプレゼントするのがいいとのこと。

    ウルド というのは、現地のミドルネームで、著者は、バッタ本部のボスからその名前を受けついていました。だから、本にも、ウルドと書いてあります。

    バッタの大群は、数年に一度しか発生しないので、駆除の道具や、車もぼろぼろになってしまう。日本も3億円をバッタ対策に提供したことが、駐日モーリタニア大使館のHPに記載されています。

    目次は以下の通りです。

    まえがき

    第1章 サハラに青春を賭ける
    第2章 アフリカに染まる
    第3章 旅立ちを前に
    第4章 裏切りの大干ばつ
    第5章 聖地でのあがき
    第6章 地雷の海を越えて
    第7章 彷徨える博士
    第8章 「神の罰」に挑む
    第9章 我、サハラに死せず

    あとがき

  • バッタが群れで行動する事を知らなかったので、読んでいくと不思議と興味が湧きました。読了後 バッタの大群は一体どこに行くのか気になってしまいます。ウルドさんのバッタに対する思いが伝わり素敵です。応援いたします。

  • う~ん、図書館じゃ486(昆虫)に入ってるけど、自伝や仕事あるいは紀行のところに入れるのが正しいのかも。
    バッタのことも書かれてはいるけれど、どちらかというとポスドクが仕事を得るために悪戦苦闘するのがメインのように感じた。
    この頃理系の研究者も面白い文章を書ける人が増えて、良いことだとは思うが、『菌世界紀行』もそうだったけど、もっと研究自体のことについて知りたいのにな。それは前著を読めばいいのかもしれないけど、これが初めて読むこの著者の本という人が多いと思うので。個人的にはその点は残念だった。
    なるべく殺虫剤を使わず、生態を把握し、幼虫のうちに対応して、モーリタニアの緑を守るのが目的だったはず。その件はどうなったのか。
    本としては面白いし、著者の熱意も努力も伝わるし、優秀な人だとは思うけど、面白さに走り過ぎているように思う。
    この本に出てくる当時同じポスドクだった小松貴(『虫のすみか』『アリの巣のお客さん』など)、堀川大樹(『クマムシ博士の「最強生物」学講座』)の方が一般向けに書かれた研究紹介の本としては、ずっとためになったし、著者が師事した松浦健二の『シロアリ』は、私が読んだ一般向けの生き物に関する本の中でここ数年では一番素晴らしかったが、圧倒的にこの本より科学の本としては面白い。
    だから、冒頭に戻るが、科学の本ではなく、青春もの、国際交流ものとして評価したい。ポスドクの人には特に参考になる本だと思う。
    ここまでの情熱を持っているか?退路を断って捨て身の努力をしているか?あらゆるネットワークを駆使して自分を売り込んでいるか?と自分に問い、改めて仕事というものを考え直すきっかけになる。
    著者には、次回は松浦教授に並ぶような本を書いてほしい。
    もしこの文章を読まれた方は是非松浦健二の『シロアリ』(岩波科学ライブラリー)を読んでください。

  • 流石ベストセラーだけあって、面白い。

    バッタの研究者が自分の学者人生をかけてアフリカへ単身乗り込む。

    学者の世界の生き残りも大変ということを、ネガティブではなく、エンターテイメントに昇華したのが、この本を、めっぽう面白くしている。

    研究者が生き残るには、論文を書いて実績を上げることが第一だか、研究状況によってはうまくいかないこともある。

    そんな時の著者、自分を広く知ってもらう為にアピール。そして、多くのファンに支えられて、結果的にも学者の就職活動にもプラスに。というのが、今の時代に適した生き残り方だなと。

    ただ、誰にでも出来ることではなく、筆者が本当に好きな事に打ち込んでるからこそ、魅力的になるんだと思う。

    日々の生活のために仕事を渋々するのではなく、好きな事を続ける、それが仕事にできたらどんなに素敵か、皆がそれを応援したいと思う。

    筆者は、皆を楽しませる事も忘れずにブログの書き方も工夫して、自らをプロデュース出来る。

    昔から芸術家は理解のあるパトロンを得る事で、偉大な芸術品を残してきた。

    筆者は新しい時代の芸術家にも思える。

  • 好きな事ができるのがどれだけ幸せなことか  
    辛い時支えてくれる人がいる有り難さ
    夢は見るものではなく叶えるもの

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著者プロフィール

1980年生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。農学博士。
日本学術振興会海外特別研究員としてモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所に赴任。

「2012年 『孤独なバッタが群れるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

前野ウルド浩太郎の作品

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