「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043230

感想・レビュー・書評

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  • 読後のこのモヤモヤっとした違和感はなんだろう、、、
    書いてあることに間違いはないのだろうが、何かが違う。
    家事=できればやりたくないものと決めつけていることだろうか。
    心と時間に余裕さえあれば家事は楽しいものでもあるはず。
    掃除をすれば家の居心地が良くなり、義務感で強制されなければ料理だって楽しい。
    男性が女性に家事を押し付けるのは言語道断だし、時間がない人や家事が苦手な人は堂々と外食したり家事を外注すれば良い。
    ただ、家族に心地よい空間を提供してあげたい、子どもに美味しものを作ってあげたいと思う気持ちは、著者の言うような義務感や世間の目の圧力とはまた別次元の思いのような気がするのだけれど。

  • 翻訳家であり、ナチュラルクリーニングの提唱者でもある著者が、日本の家事労働のあり方や戦後70年以上経った今でも変わらない女性の社会的立場について、2016年に上智大学大学院での論文執筆にあたっての調査や海外の人脈との交流から得た情報を元に書いた一石を投じる意見書。

    著者は凄い女性だと感服する。様々なデータから今につながる状況を導き出す。

    戦前の日本では、「女性は人間以下だった」という本の最後に出てくる一文は衝撃的(もちろん根拠がある)。
    どんなに時代が進んでも、日本に於ける女性の立場が向上しないのは、やはり教育に根本原因があるのだと思う。また、政治、国家公務員など、国を動かす機関に占める女性の割合が一向に増えないことが、教育にもたらす影響も大きいだろう。

    若い女性や男性には大げさでしょう、と思われるかもしれない。しかし、ここに書かれている事象を体験してきた年齢の女性には大きな共感と失った年月への悔やみを伴う内容だ。

  • 書いてある内容の正しさについては、星5つ。
    それのアピール力については、星1つ。

    他レビューでもあったように、女性はみんな「あるある!」と言いっぱなしで読むだろう。だが、とりとめがない上に生硬な筆致で、自分にとって「不都合な真実」を事実として書いてあるだけの本を、ただでさえ蝶よ花よと育てられて内省ゼロの男性陣が、みずから進んで読むだろうか。「これ読んで、絶対!!!」と妻に猛プッシュされてしぶしぶ手に取ったところで、お定まりの「女ごときに痛いところを突かれた口惜しさ」から居丈高になり、「ふん、なんだこんな本」となるのが関の山ではなかろうか。
    (現に某密林にも、「俺は男だが家事をやっている! 日本の男はみんな家事丸投げと決めつけるなんて偏見だ!」という誰に向かってですか的なマウンティングに逆ギレをトッピングした声や、「外国は外国、日本は日本。これが(女性を虐待酷使することが?)日本の美しい伝統です」といった反応ばかりがあふれていた)

    どうせ男は内省などしないし、まともに家事を担うこともありえないのだ。ならば徹底して女性向きに、「日本の家事はこおおおおんなに大変!」という事実提示→世界基準を示して、「これくらい『手抜き』しちゃって全然オッケー!」&日本の現実に得した家事合理化tipsの公開→「それでも、貴女たちは頑張っている。よくやっている。誰にも褒めてもらえないニッポンのおかあさんをいま、全力で褒めよう!!!」というグランドフィナーレ…と、こんな構成にでもしたほうがよかった。読者ははるかにカタルシスが得られ、「おトク感」もあり、満足度が高まっただろう。

    2017/11/29〜11/30読了

  • 主婦の自分がサボるよすがをもとめてよみました。
    さてみつかったかどうか..........

  • 概ね頷ける内容だった。

  • 日本の家事の当たり前は海外の人の目にはどう映るのか、なぜ日本では男性の家事参加が進まないのか。他国に比べ、日本に広く浸透しているように見える「良い母、良い家庭」「ちゃんと家事」プレッシャー。それらにはきちんと理由があった。


    第1部は海外と日本の比較データがたくさんあり、内容にも目から鱗だったり、そうそう!よく言ってくれた!と共感できたりとても充実した内容でした。
    一度に読みきれないで、第2部を日をあけて読み進めたら、あれ?これは同じ本ですか?!と思うくらい、第1部と第2部で雰囲気がガラッと変わります。

    第1部の内容に励まされ、同意しかない!と強く思いすぎてか、第2部はいらないなとすら感じました。その為完読するのに時間がかかってしまいました。

    第1部で特によかったのは、食事に対する日本と海外の姿勢について書かれた箇所でした。
    以前別の本で、フランス人の親は子供に出した食事は一口は食べろ、美味しくない場合は「口に合わない」と言って残していいとするという内容を読み、それを我が家でも実践してきました。
    不味い、美味しくないと言われると気分が悪いから、せめてこの「口に合わない」という言い方であればいい、それで残せばいいと思いやってみました。
    最初は良かったのですがしかし、段々と口に合わないという言葉ですら腹が立ってきました。
    この本を読んで、フランス人の親が腹が立たない理由が分かりました。口に合わないのは作った人が悪いんじゃない、個人の好みによるのだということ。
    そもそも根本的な考え方が違っていて、本書を読んでいるとその考え方ですら、性格の違いと一概に言えず、国による政策の違いなのだと読み取れてゾッとします。
    今自分の中にある考えや考え方、家事育児に留まらず生活の仕方や生き方も、私個人で発展させたものでは決してないのだなと思うとともに、国のやり方が変わらない限りは、個人の家庭でやり方を変えていくのは不可能でないとはいえかなり至難の業、茨の道だなと思いました。

    後半にはそういった共感も感嘆の意も生まれませんでしたが、前半部分が素晴らしいと思い、星をひとつ増やしました。

  • 海外との比較や、歴史的な見方がされており、とても面白い。タイトルが、若干、売れる本を狙ってる感があるのが、むしろ残念なくらい。

  • 内容が多岐にわたりすぎて、メッセージがボヤけてるかなーと感じた。
    家事と断捨離を一緒にしてはいけない気がする。
    2章(2)以降は論点ズレてないかなー。

    家事分担については、2人目育休中の身としては「あるある!」ばかり。
    特に、育休明けに家事分担比率が変わるというのはすでに経験済。
    家事ってルーチンワークだから、習慣化してしまうと変えるは難しい。

    個人的に一番衝撃的だったのは、あとがきの日本兵の言葉。この一言に全てが集約されてる気がした。

    <図書館>

  • 家事をし過ぎないコツとして、朝ごはんは手抜きで、晩御飯も一汁一菜でを記録。また夫との家事分担に、誰が細かい家事分担をするか担当割り振り表の作成が参考になる。
    また、玄関側にコートや仕事カバンなど外用のものを置くことも気づいた

    • メイコおバさんwith 2 kidsさん
      日本は家事をし過ぎという事実を海外との比較データで客観的に示していて、納得がいく。手抜きのコツは書いてないけど、比較対象の日本以外の国を真似...
      日本は家事をし過ぎという事実を海外との比較データで客観的に示していて、納得がいく。手抜きのコツは書いてないけど、比較対象の日本以外の国を真似ればよいのかな?って感じ。例えば朝ごはんは手抜きするとか、晩御飯も一汁一菜とか。特に夫との家事分担に(細かい家事分担)担当割り振り表の作成が参考になる。
      また、玄関側にコートや仕事カバンなど外用のものを置くこと、家具や物を買いすぎないことも大事かな。
      昔の人は朝ごはんの後の茶碗に沢庵と湯をかけて食べ、拭いたらそのまま食器棚に戻してたんだね。楽じゃんそれということで、明日ら茶漬けを朝ごはんにしてみます。
      2019/09/15
  • 第1部はタイトルの根拠となることが多く上げられるおり、説得力があった。第2部は著者の個人的意見や思いが強く、主観的な論調だと感じた。
    いずれにせよ、日本の女性は家事をしすぎであり、それが社会問題であると提唱した点は大変良いと思う。

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著者プロフィール

佐光 紀子:1961年東京都生まれ。国際基督教大学卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に従事後、フリーの翻訳者となる。ある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に関する研究を始める。2002年に『キッチンの材料でおそうじする ナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)を出版後、掃除講座や執筆活動を展開。16年、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了(修士号取得)。著書に、『もう「女の家事」はやめなさい―「飯炊き女」返上が家族を救う』(さくら舎)、『家事のワンオペ脱出術』(エクスナレッジ)、『家事は8割捨てていい』(宝島社)、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)など多数。

「2021年 『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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