「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334043230

感想・レビュー・書評

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  • 読後のこのモヤモヤっとした違和感はなんだろう、、、
    書いてあることに間違いはないのだろうが、何かが違う。
    家事=できればやりたくないものと決めつけていることだろうか。
    心と時間に余裕さえあれば家事は楽しいものでもあるはず。
    掃除をすれば家の居心地が良くなり、義務感で強制されなければ料理だって楽しい。
    男性が女性に家事を押し付けるのは言語道断だし、時間がない人や家事が苦手な人は堂々と外食したり家事を外注すれば良い。
    ただ、家族に心地よい空間を提供してあげたい、子どもに美味しものを作ってあげたいと思う気持ちは、著者の言うような義務感や世間の目の圧力とはまた別次元の思いのような気がするのだけれど。

  • 書いてある内容の正しさについては、星5つ。
    それのアピール力については、星1つ。

    他レビューでもあったように、女性はみんな「あるある!」と言いっぱなしで読むだろう。だが、とりとめがない上に生硬な筆致で、自分にとって「不都合な真実」を事実として書いてあるだけの本を、ただでさえ蝶よ花よと育てられて内省ゼロの男性陣が、みずから進んで読むだろうか。「これ読んで、絶対!!!」と妻に猛プッシュされてしぶしぶ手に取ったところで、お定まりの「女ごときに痛いところを突かれた口惜しさ」から居丈高になり、「ふん、なんだこんな本」となるのが関の山ではなかろうか。
    (現に某密林にも、「俺は男だが家事をやっている! 日本の男はみんな家事丸投げと決めつけるなんて偏見だ!」という誰に向かってですか的なマウンティングに逆ギレをトッピングした声や、「外国は外国、日本は日本。これが(女性を虐待酷使することが?)日本の美しい伝統です」といった反応ばかりがあふれていた)

    どうせ男は内省などしないし、まともに家事を担うこともありえないのだ。ならば徹底して女性向きに、「日本の家事はこおおおおんなに大変!」という事実提示→世界基準を示して、「これくらい『手抜き』しちゃって全然オッケー!」&日本の現実に得した家事合理化tipsの公開→「それでも、貴女たちは頑張っている。よくやっている。誰にも褒めてもらえないニッポンのおかあさんをいま、全力で褒めよう!!!」というグランドフィナーレ…と、こんな構成にでもしたほうがよかった。読者ははるかにカタルシスが得られ、「おトク感」もあり、満足度が高まっただろう。

    2017/11/29〜11/30読了

  • 第1部はタイトルの根拠となることが多く上げられるおり、説得力があった。第2部は著者の個人的意見や思いが強く、主観的な論調だと感じた。
    いずれにせよ、日本の女性は家事をしすぎであり、それが社会問題であると提唱した点は大変良いと思う。

  • 題名が気になって図書館で注文するのは待ちきれなかったのでめずらしく買って読んだ。

    まあ、なんと変わらない女性の生き方。
    自分も含めて。
    「良い母」「良い妻」にならなければと思うし、綺麗な部屋にいると幸せを感じてしまう。

    でも、こういう本が出て、少しずつでも意識が変わってほしいと思う。
    断捨離したい物No.1が「夫」というのは、寂しい現状だと思うけれど。

  • 家事に対するイロメガネをずばっと指摘してくれる本。ですが第1部「完璧家事亡国論」と第2章「片付けすぎが家族を壊す」の内容が違いすぎるし、著者の経歴を見てもどういう立場で書いた本かわからないし、混乱気味な読後感。
    書いてあることを自分なりに解釈すると、
    ・子どもが宿題やらないのは母のせい、温かい手作りご飯、料理がまずいと言われたら謝る、は世界の常識ではない日本主婦は家事に責任感じすぎ。
    ・家事育児のアウトソーシングは悪ではない
    ・持たない暮らしだけが礼賛されるものではない。必要なものや好きなものは持って快適な暮らしを。

  • 割と雑多に日本の家事、主婦事情について書かれた本だった。

    日本人が諸外国に比べいかにクオリティの高い家事を女性に求めるか、紹介されていたのは説得力があった。
    また日本の家が雑然として片付け掃除が大変なのは和洋折衷のせいだというのも面白かった。けど、断捨離周りの終盤は話が混ざりすぎな印象。

    ところどころ、微妙に同意できないところがあったり、よその家庭はそうなのかな、うちは違うけど…と思うところなどあった。日本を滅ぼすとまで言うなら、だからどうしろと、というのも思った。

  • 大学1年生が一般教養のレポートで出すレベル。本人の主観的な推測と偏った意見(主に主婦側に立ったもの)が中心で説得性に欠ける。ソースも企業のプレスリリースやWeb記事、自分の子どもや知人外国人の話が中心で、参考文献も少なすぎる。

    ミニマリストや伝統和食の朝ごはんに異を唱えながらも、本人はほうきや重曹などの「自然素材」を使った掃除を提唱していたり、「誰もが簡単に作れる食事」と結局手作りじゃないとダメという強迫観念を与えている印象。フルタイムで働いていたら朝ごはん(てか3食)作るのも無理なんですけど?食べたかったらそこらへんにあるパン適当に食べるか、昨日炊いたご飯勝手にあっためて、と言うレベルなのに、「簡単でもいいから」作らないとだめなんですかね。
    しかもご本人は子ども2人を1年間海外に留学させるほどの余裕のある家庭なのだから、そりゃある程度家事できるよなあとひねくれて見てしまう。「海外はこうだ」と一律的に主張したって、そのまま日本に輸入できるわけじゃない。する必要もない。例えば家事代行やベビーシッターなど、他人が自分の知らない間に家に入るサービスは、まだまだ日本では受け入れられないと思う。そもそも、外注できるほど経済的に余裕のある家庭ばかりではない。

    家の造りも海外と日本は全然違うから、全部を真似することはできない。個人的には玄関にコートとか仕事グッズ置いてごちゃごちゃするのは好きじゃない。たしかに玄関の段差は年々小さくなってきているけど、靴を脱ぐ文化はこれからも続いてほしいなあと思う。

    参考文献
    浅野まみこ『コンビニ食・外食で健康になる方法』

  • レビュー省略

  • ・家族には「毎日やらなくていいんじゃないか、もう少し手を抜いてもいいんじゃないか」と思われながら、ほとんどの妻が「誰かに手伝ってほしい」と思いながらも孤独に頑張り続けている。
    ・「本人に宿題の重要性がわかっていないようなので、先生から説明してほしい」or「夫に言ってください」(!!笑 今度言われたら使おう!!)

  • 特に前半が良く、食育の手作り神話とか、朝食温かい神話とか、日本のトイレ辺りは面白かったです。

    後半の海外ミニマリスト変人説やナンシーさんの家辺りは個人的にもやっとしました。
    手作りコースターとかそれこそ家事のやりすぎから離れていないような。。
    ほうきとちりとりとか、物持ちの良さも俗に言う丁寧な暮らし感満載な気がして不思議でした。
    生活感なくてミニマルなライフスタイルも、ナンシーさんのような生活感あるけど自然に囲まれて楽しんでるライフスタイルどちらも簡単に真似や維持できることではないからこその憧れなのかなと思いました。

著者プロフィール

佐光 紀子:1961年東京都生まれ。国際基督教大学卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に従事後、フリーの翻訳者となる。ある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に関する研究を始める。2002年に『キッチンの材料でおそうじする ナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)を出版後、掃除講座や執筆活動を展開。16年、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了(修士号取得)。著書に、『もう「女の家事」はやめなさい―「飯炊き女」返上が家族を救う』(さくら舎)、『家事のワンオペ脱出術』(エクスナレッジ)、『家事は8割捨てていい』(宝島社)、『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)など多数。

「2021年 『なぜ妻は「手伝う」と怒るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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