- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334060039
感想・レビュー・書評
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世の中で良いとされていることへの違和感、目に見えない自分を含む社会を覆っているモヤのようなもの、何を読んでも誰に聞いても釈然としないそれらの正体が垣間見えてきた、まさに自分にとっての社会の謎解きに確信を得た一冊。
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ご本人がこの本は「学者の軽いストリップのようなもの」とおっしゃっているが、すごく面白いものを見てしまった感があるので、自分のツボがあっていたのだと思います。
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わたしはすべてを知っている?のか?
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カール・ポランニーの経済人類学と、ジョルジュ・バタイユの消尽理論に基づいて、貨幣、エロス、制度といった、人間社会の諸現象を読み解いた本です。
経済人類学は、原始社会における物々交換がしだいに大規模におこなわれるようになり、現在の資本主義が成立したという考えが誤りだということを明らかにしました。交換は、共同体の内部から自然に生まれる行為ではなく、他の共同体との間で開始されたのです。しかも、自分たちの共同体で余分に生産したものを交換していたのではありません。むしろ人間は、初めから他の共同体と交換することを目的として、過剰な生産をおこなうのです。
ここから著者は、バタイユにならって、人間は過剰なエネルギーを清算し消尽する存在だと主張します。人間は動物の一員ではあるものの、過剰を抱え込んだ存在、つまり「パンツをはいたサル」だと言われるのです。人間は「パンツ」を、「脱ぐ」ために、つまり消尽するために「はく」のです。
さらに最後の章では、マイケル・ポランニーの「暗黙知」の考え方を紹介しながら、ロゴス的な知とその深層にあるカオス的な生命の領域とのダイナミズムから、「過剰‐消尽」理論を基礎づけがなされています。 -
おそらく普通に読むと荒唐無稽なトンデモ本のように思われるかもしれないけど、どうも本当のことが書かれている。
人間というものがこれほど愚かで、作った社会はホトホト不完全なものというのがわかり、そもそも人間を駆り立てる動機そのものが幻想によるものだと知ってしまうと力が抜ける。
それでも、今生きて活動している自分がいるわけでそうしたことを知った上でのこれからの生きようといいうものも考えてみなくてはならないだろう。
今が生き難いと困り果てている方々は、騙されたと思って読んでみるといいと思う。 -
これ、面白い!