- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334072360
感想・レビュー・書評
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後の『模倣犯』の原型ともいえる作品。色や金銭だけが動機ではない犯人。マスコミを巻き込んでの劇場型犯罪。
それによって踏みつぶされていく『普通の人』たち。
宮部みゆきの真骨頂ともいえる群集劇。
客観的に描くために、章ごとの主人公の財布を語り手にしているところも面白い。
財布ほど人の個性が出るものもそうはない。
紙幣の数、小銭の種類の比率だけではなく、レシートの枚数やそれに記されている店名、商品などなど個人情報のかたまりだ。
時には証拠品が仕舞い込まれたり、思いもかけない人の手にわたることもある。
事件の犯人はかなり初めから示唆され、その周囲の人間たちがさまざまなかかわりをもっていく連作短編集の構成に近く、小説としての面白さは宮部作品の中でも際立っていると思う。
そういえば、『犯人』の財布はなにも語らなかったな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遅々として進まない展開にイライラする。
だから、途中で投げ出したままだ。
恐らく二度と手に取ることはないだろう。 -
持ち主の財布がストーリーテラーという異色の物語。モノというのは持ち主に似るのか、それぞれキャラがたっていて読むスピードがあがってしまいますよ♪
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すべてが財布目線で進む異色ミステリー。
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何故財布目線なのかだけが謎。でも確かに宮部みゆきの原点なのかな?という感じ。
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財布視点で話が進んでいく変わった趣向のミステリでした。
短編を読み進めていくと全てつながっていて長編になっているというやり方はそんなに斬新でもないかもですが、ムリムリにならないのが宮部さんの筆力という感じ。
大きな矛盾も破綻もなく最後まで楽しめました。 -
持ち主のサイフ視点で話が続いていく、どんどん読み進めていけました。
すごいおもしろかったです。
最終的にそこまで重い気持ちじゃないのに
殺人が続いていくんだなっと思った。
早苗さんの事件が一番悲しかった
甥っ子の思いも悲しくってきっと一生思い続けちゃうんだろうなって考えさせられた。