- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334075231
感想・レビュー・書評
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トリックもの短編集でふ。
どれも練り込まれていまふ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
柄刀さんらしい端正なロジックに溢れた作品。密室ものが多く、特に「わらの密室」は、二段、三段構えになっていて、いい意味で裏切られた感じ。
何より一冊を通しての構成が見事。ただの短編集と見せかけて、8編+あとがきで連作短編になっている。途中から予想外の展開になり、何度も衝撃を受けた。
最後まで読むと、冒頭の「名探偵は生き方ではなく、宿命である。」という言葉が意味深に思える。何かに引き寄せられるかのように奇妙な事件に出合う名探偵の今後の活躍に期待したい。
この作品で南美希風が初登場(のはず)。シリーズの他の作品単体でももちろん楽しめるけど、先にこの作品を読んだほうがより楽しめるかも。 -
つづきもののミステリー短編集。まさかの展開に驚いた。
C0293 -
探偵役が3人も。しかも前の探偵役は後には出てこないし(これないし)なんか変なの……
カバーデザイン / 泉沢 光雄
オブジェ / 大貫 竜哉(Little Smith)
初出 / 『本格推理』3・9(光文社文庫、'94年4月、'96年12月)、『孤島の殺人鬼 本格推理マガジン』(光文社文庫、'95年12月) -
【収録作品】密室の矢/逆密室の夕べ/獅子の城/絵の中で溺れた男/わらの密室/イエローロード/ケンタウロスの殺人/美羽の足跡
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短編自体も密室トリック満載だが、それがひとつのものがたりになったときに「OZの迷宮」のそれぞれの要素として立ち上がる。
あとがきは本当に本編必読。
「絵の中で溺れた男」が好き。 -
例えば若竹七海とはまた一味違う連作短編集の使い方。
一人目の退場に意表をつかれた。
心と宿命を受け継いだ名探偵の誕生。
相変わらずの幻想的な謎と論理的な解決、見事ではあったけど、今回はちょっとあざとい感もある。
謎を美しくする必然性をそこまで感じられない謎もあったということで。 -
連作短編集。そして連作短編集ならではの(というか連作短編集であることを逆手に取った?)仕掛けがてんこ盛り。そしてこれでもかというとどめのごとく、あのあとがき。この趣向にはやられました。多くは語らない(語れない、というのが正しい)けど、お薦めできる作品。この構成は、巧い。