ビーストシェイク (カッパノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076030

感想・レビュー・書評

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  • 短くて読みやすかったです。

    ってこれ続編なんですね。この作品単体でも面白く読めるけど下調べしておけばよかったと後悔してます。

  • サイテーに、おもしろいです。

  • 希少動物を闇で売買する密売人がいた。その情報を掴んだ主人公は仲間を集めて強奪計画を立てる。殺そうが脅そうが警察に通報される心配はない。しかし、集めた仲間は頼りないヤツばかり。しかも調達しようとした銃の密売人はヤクザに脅かされていた。銃密売人から身元がわかっては具合が悪いので、そのヤクザもついでに殺してしまう。突撃直前に競売の舞台となる動物密売人宅の両隣の家も襲い、目撃されないように住民を制圧するが、そこで失火してしまい、収穫もそこそこに逃走に移る。しかし、逃げ出した動物が逃走車の中で暴れはじめる。
    主人公は強盗や殺人を業とするプロである。冷徹で残忍、しかも悪賢く、武器の扱いにも女の扱いにも慣れている。周辺を固める仲間達も同業者だが行き当たりばったりで、実に頼りない。ヤクザに脅される銃密売人、人間を完全に消滅させてしまう中国人、そして彼らの連絡窓口兼代理人達。普段、というか普通の小説でも滅多にお目にかかれない奇妙なヤツばかり登場する。結構、エロでグロな話だが、何故か戸梶氏にかかると軽く滑稽に描かれてしまう。

    悲惨で残酷な話をユーモアを含ませて笑いながら読ませる手並みはいつものとおりである。これだから「戸梶」はやめられない。ここに、動物愛護とか、環境保護だとか、人権とか、生命の尊厳とか、書物に囲まれた部屋の大きなデスクの前で考えるような「平和」や「建前」はない。金か快楽になれば何でもするし、やらなければやられるならば躊躇なくやってしまう連中ばかりである。また、競売を主催まはた参加する「希少動物オタク」達もロクでもない。まさに、社会不適応者しか登場しない小説である。

    未成年や青少年に対する有害図書を選べと言われれば、私はすかさず「戸梶」を推薦する。この「ビーストシェイク」もそうだが、他の作品も自分の子供には読ませたくない。人間の本性の核がむき出しになり、残酷でグロテスク、度を越したエロと無常観。しかも、それを読みやすく書いてある。こういうのをたくさん読むと、犯罪者ばかりになってしまうのではないかと本気で心配してしまう。だから、面白いのだ。

  • 露悪的な描写の多さに少し「うーん…」と思いましたが、
    全体を通してとてもよく構成された小説で、面白かったです。
    オチの気持ちよさはここ最近読んだ小説の中で一番かもしれない。
    ただ、大文字での演出はつい目に入ってしまいネタバレになるので
    あまり多用してほしくないかな。

  • 希少動物の地下オークション会場に集まる金を狙う鉤崎。しかし、人生を希少動物の所有と飼育に捧げたアニマルジャンキーたちの執念は、鉤崎の予想を上回っていた…。黒い笑いに満ちた、痛快無類のクライム・ノベル。

  • 希少動物の地下オークション会場に集まる金を狙う鉤崎。しかし、
    人生を希少動物の所有と飼育に捧げたアニマルジャンキーたちの
    執念は、鉤崎の予想を上回っていた…。
    黒い笑いに満ちた、痛快無類のクライム・ノベル

  • ぐちゃぐちゃ。
    はじめは色んな伏線をはって、
    最後に怒濤のようにたたみかける。
    狂ちゃってる感じはもはや痛快。

  • ゲテモノ爬虫類の競り現場に踏み込む現金強盗4人組み。
    カミカゼズーとヤクザ。競り現場の両隣の引き篭もりと老人。
    リーダーの不倫相手のマゾ主婦。一人だけ生き残った冷静なリーダ。
    ホテル戻り、強奪した万札でコンビ二で買い物。事件のニュースを確認。
    偽札のニュースが流れるが関連性に気がつかない。
    強奪した5465万円の中に300万円の偽札がまざっていた。

  • 「クールトラッシュ」の続編。

    プロの犯罪者、鉤崎が主人公で再び登場という程度なので

    前作を読まずこちらから読んでも全く問題は無い。



    今回、鉤崎は希少動物のオークションをターゲットにし上がりを奪おうとする。

    いろんな動物も登場するけど出てくる人間の方は

    陰湿、変態、残忍で弱い者苛めが好きな動物以下の連中で

    クールで感情を出さない鉤崎がまともに見えてしまう。

    前作もえげつないところはあったけど

    新作ではそれが前面に押し出されていて全開状態。

    えげつなさも臨界を突破すると可笑しさが出てくるもので何度か吹きだしてしまった。

    犯罪計画はいたってシンプルなものなんだけど安っぽい人間模様がからんで

    襲撃そのものがとんでもないことになってしまうわけである。



    戸梶作品らしさはぐっと出てきたし前作より面白かったので

    「鉤崎シリーズ」次回作が楽しみになってきた。

    でもやっぱりエグさに引いてしまう人は多いだろうなあ…これ。

    女性の扱いなんかかなり酷いもんねえ。

  • 戸梶色がやや薄い、食い足りない内容

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著者プロフィール

1968年東京生まれ。学習院大学文学部卒。98年『闇の楽園』で第3回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。作家活動と並行して『Jの利用法』ほか自主製作映画4本を監督。イラスト、写真、クレイアートにも才能を発揮する。

「2013年 『劣化刑事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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