山手線五・八キロの証言 (光文社文庫 に 1-38 トラベル・ミステリー傑作集)
- 光文社 (1991年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334712792
感想・レビュー・書評
-
〇しっかり分厚いトラベルトリック満載の三作品!
・山手線五・八キロの証言
殺害された雑誌編集者・香月の行動を探っていると、カメラの現像が何者かに持ち去られていたことがわかる。山手線を撮影していたという証言をもとに十津川たちが探ると・・・
ある違和感を突き抜けて、思わぬ事件に遭遇。これは傑作!
・裏磐梯殺人ルート
友人の代田ゆう子が彼氏と一緒に失踪したことがわかり、カオルは私立探偵の杉本とともに会津若松へ行く。そこでは彼氏の平山の妙な行方が聞き込みの結果わかるが、そんなときゆう子が殺されたことがわかり・・・
捜査の結果灯台下暗し!持っていき方が秀逸。
・鎮魂の表示板が走った
ルミ子が徳山駅近くで殺された事件の重要参考人として呼ばれたのは原田という男で、彼は甥っ子を誘拐していて、その甥っ子から「秋田行」の列車をみたという証言があり・・・?
都合よすぎる部分はあるが、それでもそのトリックを使って犯人を移動させちゃうのはすごい。
*****
見た目はそんなに分厚くない、たかだか280ページ程度なのだが、設定したトリックは秀逸。
それぞれ、沿線「ならでは」の要素をふんだんに盛り込んでくみ上げられたこの小説は比較的初~中期にあって評価の高い本の一つになっていてもいいな、と思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2000.6.25 初版29刷 ¥495
旅行雑誌の編集者が殴殺された。物盗りでもなく、人に恨まれることもない。しかし、彼が山手線一周の取材で、車窓から撮影した写真が消えていた。彼はいったい何を撮っていたのか。ここに犯人の動機を求めて、十津川警部は乗客の中から目撃者を捜し始めたのだが……。あふれる旅情と本格推理の醍醐味――トラベル・ミステリー三作を収録した傑作集。
山手線五・八キロの証言・裏磐梯殺人ルート・鎮魂の表示板が走った -
3編とも、被害者が善良な一般市民なので、
後味自体はあまりよくないのです。
ただ、内容自体はおもしろいです。