山手線五・八キロの証言 (光文社文庫 に 1-38 トラベル・ミステリー傑作集)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334712792

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  • 〇しっかり分厚いトラベルトリック満載の三作品!

    ・山手線五・八キロの証言
    殺害された雑誌編集者・香月の行動を探っていると、カメラの現像が何者かに持ち去られていたことがわかる。山手線を撮影していたという証言をもとに十津川たちが探ると・・・
    ある違和感を突き抜けて、思わぬ事件に遭遇。これは傑作!

    ・裏磐梯殺人ルート
    友人の代田ゆう子が彼氏と一緒に失踪したことがわかり、カオルは私立探偵の杉本とともに会津若松へ行く。そこでは彼氏の平山の妙な行方が聞き込みの結果わかるが、そんなときゆう子が殺されたことがわかり・・・
    捜査の結果灯台下暗し!持っていき方が秀逸。

    ・鎮魂の表示板が走った
    ルミ子が徳山駅近くで殺された事件の重要参考人として呼ばれたのは原田という男で、彼は甥っ子を誘拐していて、その甥っ子から「秋田行」の列車をみたという証言があり・・・?
    都合よすぎる部分はあるが、それでもそのトリックを使って犯人を移動させちゃうのはすごい。

    *****

    見た目はそんなに分厚くない、たかだか280ページ程度なのだが、設定したトリックは秀逸。
    それぞれ、沿線「ならでは」の要素をふんだんに盛り込んでくみ上げられたこの小説は比較的初~中期にあって評価の高い本の一つになっていてもいいな、と思った。

  • 中編1話,短編2話。

    標題(収録単行本名)
    山手線五・八キロの証言
    裏磐梯殺人ルート(十津川警部捜査行 みちのく事件簿)
    鎮魂の表示板が走った(十津川警部SLを追う!)

    素朴な人がでてくる。
    山手線五・八キロの証言の行商のおばちゃん
    裏磐梯殺人ルートの友達の花井カオル
    鎮魂の表示板が走ったの子供。

    亀井刑事も十津川警部も、根は素朴な人なのだろう。
    類は友を呼ぶ。
    裏表紙には「西村京太郎の優しさの滲み出た」とある。
    作者が一番素朴なのかもしれない。

  • 2000.6.25 初版29刷 ¥495
    旅行雑誌の編集者が殴殺された。物盗りでもなく、人に恨まれることもない。しかし、彼が山手線一周の取材で、車窓から撮影した写真が消えていた。彼はいったい何を撮っていたのか。ここに犯人の動機を求めて、十津川警部は乗客の中から目撃者を捜し始めたのだが……。あふれる旅情と本格推理の醍醐味――トラベル・ミステリー三作を収録した傑作集。
    山手線五・八キロの証言・裏磐梯殺人ルート・鎮魂の表示板が走った

  • 3編とも、被害者が善良な一般市民なので、
    後味自体はあまりよくないのです。
    ただ、内容自体はおもしろいです。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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