真夜中の喝采: 長編悪漢小説 (光文社文庫 あ 29-3 きんぴか 3)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1206
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334728786

作品紹介・あらすじ

草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが…。訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。一方ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走るなか、正義の暴走を敢行する。三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結。

感想・レビュー・書評

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  • 普通、本の解説とは少しでも違うことを書きたいと思うのですが、この解説は見事に私にとって納得できるものでした。
    おふざけ小説の様でありながら、「実に、濃く、くどく、暑苦しく」著者の渾身の力が込められているのが良く判ります。これでもかこれでもかと仕掛けてくるハチャメチャと、所々に忍ばせた「泣かせ」が、見事に混ざりあっています。そして最期の「無情感」。
    『プリズンホテル』全4巻から、この『きんぴか』の1

  • 終わらないで欲しかった…
    裏表紙の『ひとまず完結』に期待して。
    浅田さん待ってますから。3人が再開してまた面白いこと…
    待ってますから!笑
    読みやすい!おもしろい!はははって笑う。心地いい小説です。

  • 時系列がよくわからん小説だなと思ったら、連作短編だったとは解説を読むまで気がつかなかったよ。場面展開の激しい小説だなぁと思って最期まで読み通しちゃった。章のつながりがないワケだ。
    「きんぴか」シリーズは#3から読みはじめちやったけれど、ここからの遡りも大丈夫てぇことですかね。

  • きんぴか終わってもた。かっこ良かったな・・・ピスケンはらしいけど残念(笑)マリアめちゃめちゃええなほんま。
    こうして下せえって拝んでいるうちは、どうにも変わりゃしねえ。こうすっから見てて下せえと神仏に誓って、初めて変わるてえもんだ。人生、そんなもんだぜ。

  • ひとまず完結…。
    文庫版で刊行され、
    20年を経ての何度目かの読了。
    何度読んでも笑い、
    何度読んでも泣けた。
    畳みかけるようなストーリーに
    もう、ページが止まらない!
    続編を待ち続けているが、
    この作品を超えられるのか?
    いや、あの浅田次郎は
    きっと期待以上のものを
    世に出してくれるだろう。
    そう信じて止まない…。

  • 2021.06.07 図書館

    全3巻、最高に楽しめた。
    それぞれ抜きん出た個性を発揮して悪を成敗する痛快コメディ編も、
    孤独な生い立ちに苦悩するシリアス編も、
    全てよかった。
    浅田次郎のハードボイルド的な描き方と、登場人物の魅力と、爽快なユーモアが一貫して全編に行き届いていた。

    それでもこの3冊目は序盤から終わりを感じさせるようにシリアス編が多かったので、なんとなく寂しい気持ちで読み進めた。

    最後は題から察する通り、3人バラバラな道へ進んでしまった。
    3人らしいラストで納得すると同時に、ここまで笑わせてくれた愛しい3人に向井と同様の親心で、寂しさを持つ読後だった。
    この終わりのあと、1.2巻を振り返ると、3人のキラキラした破天荒がより輝いて見える。

    解説もよかった。

  • 最後に、ピスケンはオーストラリアへ、軍曹はソマリアへ、ヒデさんは故郷へ去る。

  • ひとまず完結編
    ヒデさんの過去に衝撃!急展開のラストも驚きすぎだったけど面白かった。
    バイバイ バディ ってタイトルがまたレトロな感じでなんとも。最後はやっぱり泣かせるし。
    しかし、篠田節子の開設がよい。登場人物たちへの愛が…魅力的に書かれていて旨いなぁ。

  •  第二巻を読み終えこれは映画になりそうだなと思ってプライムで調べてみると、あるじゃんあるじゃん。しかも大好きな中井貴一さん!
     浅田さんはとっても好きな作家さんですが、その作品たちの中でも読み切らせ力が半端ではない作品です。まさに鈍行が新幹線の勢いで目的地駅まで特急します。危うく乗り過ごしてしまうくらいに。
     ところどころの講釈口調が渋くって、ちょっとトンマなピスケンが格好良くって、マリアは惚れてしまいそうなくらいに渋かわいい。誠に楽しい作品でした。

  • きんぴか第3弾
    きんぴかシリーズはひとまず完結。

    このシリーズは三人の悪党がそれぞれの個性を存分に発揮して最終的には物事を解決していく短編がたくさん詰まったストーリー。

    なかでも表紙に書かれている「真夜中の喝采」は面白かった。

    大物政治家とやくざが絡む事件にある男が殺されストーリーが展開していくが、その冒頭からしてミステリー要素もあり、きんぴかならではの掛け合いもあり、物語が上手く進んでいった。

    最終的にはきんぴかのメンバーらしい解決で終わるが、そこは浅田次郎の本だけあって、読者の心に一つ考えを提起させてくれる話だった。
    泣かせ、笑わせを読者に感じさせてくれる。さすが浅田次郎。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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