真夜中の喝采: 長編悪漢小説 (光文社文庫 あ 29-3 きんぴか 3)
- 光文社 (1999年9月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334728786
作品紹介・あらすじ
草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが…。訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。一方ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走るなか、正義の暴走を敢行する。三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結。
感想・レビュー・書評
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普通、本の解説とは少しでも違うことを書きたいと思うのですが、この解説は見事に私にとって納得できるものでした。
おふざけ小説の様でありながら、「実に、濃く、くどく、暑苦しく」著者の渾身の力が込められているのが良く判ります。これでもかこれでもかと仕掛けてくるハチャメチャと、所々に忍ばせた「泣かせ」が、見事に混ざりあっています。そして最期の「無情感」。
『プリズンホテル』全4巻から、この『きんぴか』の1詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終わらないで欲しかった…
裏表紙の『ひとまず完結』に期待して。
浅田さん待ってますから。3人が再開してまた面白いこと…
待ってますから!笑
読みやすい!おもしろい!はははって笑う。心地いい小説です。 -
時系列がよくわからん小説だなと思ったら、連作短編だったとは解説を読むまで気がつかなかったよ。場面展開の激しい小説だなぁと思って最期まで読み通しちゃった。章のつながりがないワケだ。
「きんぴか」シリーズは#3から読みはじめちやったけれど、ここからの遡りも大丈夫てぇことですかね。 -
きんぴか終わってもた。かっこ良かったな・・・ピスケンはらしいけど残念(笑)マリアめちゃめちゃええなほんま。
こうして下せえって拝んでいるうちは、どうにも変わりゃしねえ。こうすっから見てて下せえと神仏に誓って、初めて変わるてえもんだ。人生、そんなもんだぜ。 -
ひとまず完結…。
文庫版で刊行され、
20年を経ての何度目かの読了。
何度読んでも笑い、
何度読んでも泣けた。
畳みかけるようなストーリーに
もう、ページが止まらない!
続編を待ち続けているが、
この作品を超えられるのか?
いや、あの浅田次郎は
きっと期待以上のものを
世に出してくれるだろう。
そう信じて止まない…。 -
第二巻を読み終えこれは映画になりそうだなと思ってプライムで調べてみると、あるじゃんあるじゃん。しかも大好きな中井貴一さん!
浅田さんはとっても好きな作家さんですが、その作品たちの中でも読み切らせ力が半端ではない作品です。まさに鈍行が新幹線の勢いで目的地駅まで特急します。危うく乗り過ごしてしまうくらいに。
ところどころの講釈口調が渋くって、ちょっとトンマなピスケンが格好良くって、マリアは惚れてしまいそうなくらいに渋かわいい。誠に楽しい作品でした。 -
きんぴか第3弾
きんぴかシリーズはひとまず完結。
このシリーズは三人の悪党がそれぞれの個性を存分に発揮して最終的には物事を解決していく短編がたくさん詰まったストーリー。
なかでも表紙に書かれている「真夜中の喝采」は面白かった。
大物政治家とやくざが絡む事件にある男が殺されストーリーが展開していくが、その冒頭からしてミステリー要素もあり、きんぴかならではの掛け合いもあり、物語が上手く進んでいった。
最終的にはきんぴかのメンバーらしい解決で終わるが、そこは浅田次郎の本だけあって、読者の心に一つ考えを提起させてくれる話だった。
泣かせ、笑わせを読者に感じさせてくれる。さすが浅田次郎。