準急ながら: 鬼貫警部事件簿 (光文社文庫 あ 2-34 鮎川哲也コレクション)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334731939

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったが、無理矢理感は感じた

  • 鮎川哲也の長篇ミステリ小説『準急ながら~鬼貫警部事件簿~』を読みました。
    『人それを情死と呼ぶ~鬼貫警部事件簿~』に続き、鮎川哲也の作品です。

    -----story-------------
    はたして、奇怪な殺人事件を解く鍵はどこにあるのか? 雪深き北海道・月寒で瀕死の怪我人を助けた海里昭子。
    その美談が十数年後、新聞に採り上げられた。
    一方、愛知県・犬山で、経営不振にあった土産物屋店主が何者かに刺殺される事件が。
    だが驚いたことに、被害者の鈴木武造は、出身地・青森で健在だとの情報が入った!?
    ―一見無関係な事件がダイナミックに絡みあう。
    そして、鬼貫警部を悩ませるのは鉄壁のアリバイ。
    -----------------------

    1966年(昭和41年)に刊行された鬼貫警部シリーズの作品です。

     ■一 昭子の不愉快
     ■二 灯が消える
     ■三 霧のなかの男
     ■四 優雅な師匠
     ■五 尾行
     ■六 アリバイ
     ■七 なぜパイを喰わせたか
     ■エッセイ●鮎川哲也が贖ってくれたもの 西澤保彦(作家)
     ■解説●鮎川哲也と鉄道アリバイ 山前譲(推理小説研究家)

    16年前に北海道・月寒で人助けをした海里昭子が、そのことが新聞記事になった後に殺害され、犬山の土産物屋の主人・鈴木武造がこけし詐欺の男に殺害される… さらに被害者の鈴木武造は、出身地・青森で健在であることが確認され、被害者は偽名を使っていたことが判明、、、

    警察が捜査を進めるうち、全く無関係と思われた2つの事件が繋がる… そして、2人が16年前に神戸で発生したある殺人事件で偽証をしていたことが明らかになる。

    繋がりの見えなかった複数の事件の関係性が徐々に明らかになり、容疑者が絞られていくが、そこには鉄壁のアリバイが立ちはだかる… 前半は、複数の事件がひとつの輪となっていく意外性が愉しめ、後半はアリバイトリックを崩すための仮説と検証を地道の繰り返すという鬼貫警部シリーズらしい展開が愉しめました、、、

    列車の時刻表、写真のフィルム… 時代を感じさせる小道具も良いですねー 面白かったです。

  • 準急ながら
     1 昭子の不愉快
     2 灯が消える
     3 霧のなかの男
     4 優雅な師匠
     5 尾行
     6 アリバイ
     7 なぜパイを喰わせたか
    文藝春秋社「準急ながら」 1966年6月

    エッセイ 西澤保彦
    鮎川哲也が贖ってくれたもの

    解説 山前譲
    鮎川哲也と鉄道アリバイ

  • 読んでる時はなんか地味な話だと思ったけど、読み終わったらけっこうすごい話だったかもって。
    冒頭部分読み返しておお、みたいな。
    写真のくだりとかまだるっこしいといえばまだるっこしいけど、丹念に理論をつみあげてく感じがあってそれはそれでいいかな。

  • 色々と時代を感じさせる話でした。
    背景や、描かれ方、文章などなど。ちょっとずつ変わって今に至るんでしょうが、そのシンプルさにちょっとびっくり。特に終わり方とか。
    昔の推理小説の方がかなり俯瞰的というか、距離を取って描いている感じがします。新鮮でした。

  • アリバイ崩しもの。
    ページ数が少ない割に、いろいろとぎっしり詰まっている内容でした。
    トリック自体は単純だと思うのですが、刑事たちがあちこちとびまわる前半と、仮説を立てては消し、鬼貫警部が黙々と思考する後半という展開が動と静で楽しかったです。


    隕石事故だとかこけしだとか、なんだか不思議なアイテムが登場していた気がします。
    晴れて結ばれる男女など、事件と直接関係のないことが妙に印象に残っています。

  • 鮎哲お得意のアリバイもの。一見無関係な出来事がひとつの事件に結びついていく過程がスリリング。トリックそのものは単純なものながら、緻密な構成のため、捜査・推理の過程が抜群に面白い。自信満々にアリバイを披露する犯人も可愛いw

  • 鬼貫警部シリーズ

    16年前に隕石に当たり瀕死の重傷を負った女性を救った新聞記事が載って海里昭子。
    刑部という男の訪問後殺害された鈴木武造。被害者である鈴木武造の偽名。海里昭子との関係。海里昭子の毒殺事件。
    16年前に殺害された金貸しの男。容疑者となった久道肇。海里昭子の証言で無罪となり替わり日に逮捕された柏木信吾の獄死。
    容疑者の写真にかくされた秘密。容疑者が剃った髭。最後の運行となっていた準急「ながら」。

     2010年11月17日読了

  • 遠く離れた場所で起きた二つの殺人はむかしむかしの事件に由来していました。
    それが判る過程がついつい読みすすんじゃう面白さ。
    もちろんアリバイトリックもほほうって感じ。
    デジカメ世代にはわからないんだろうなぁとは思うけど。

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著者プロフィール

鮎川哲也(あゆかわ・てつや)
本名・中川透。1919(大8)年、東京生まれ。終戦後はGHQ勤務の傍ら、様々な筆名を用いて雑誌へ短編を投稿し、50年には『宝石』100万円懸賞の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一席で入選した。56年、講談社が公募していた「書下ろし長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選し、本格的に作家活動を開始する。60年、「憎悪の化石」と「黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞。受賞後も安定したペースで本格推理小説を書き続け人気作家となる。執筆活動と並行して、アンソロジー編纂や新人作家の育成、忘れられた探偵作家の追跡調査など、さまざまな仕事をこなした。クラシックや唱歌にも造詣が深く、音楽関連のエッセイ集も複数冊ある。2001年、旧作発掘や新人育成への多大な貢献を評価され、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002(平14)年9月24日、83歳で死去。没後、第6回日本ミステリー文学大賞を贈られた。

「2020年 『幻の探偵作家を求めて【完全版】 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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