大盗の夜 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334737856

感想・レビュー・書評

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  • 土御門家・譜代陰陽師で触頭・笠松平九郎25才の活躍を描いた物語です。
    吉岡流小太刀の名手である平九郎は、安倍晴明を家祖とする陰陽頭・土御門泰栄(やすひで)の京都触頭の一人で帯刀人。触頭とは、土御門家が陰陽師として生業をたてる易者、人相見などの占い師たちを、統括する役目であり。
    土御門家は、天和三(1683)年、江戸幕府から朱印状をさずけられ、寛政三(1791)年四月、全国の陰陽師支配を、法令で許された。占い師や宗教色を持つ芸能人たちに、職札(許状)を交付し、配下におさめる事となった。
    幕府より治安の維持を命じられた土御門家は、全国に12人の触頭を置き。笠松家は、その一家として京都に定住し、京都の治安に携わり、また陰陽頭の下命で全国に出向いていく。

    【読後】
    平九郎は、人情味が有り、沈着冷静で、吉岡流の小太刀が冴え、女に惚れられ……。日頃は、京都の辻で帯刀して易者として、そこで感じる人々の暮らしからおこる事件を解決して行きます。物語は、京ことばと、京都の風物を織り込み見事な展開になっいます。

    【音読】
    2021年10月28日から11月14日まで、大活字本を音読で読みました。この本の底本は、2004年11月発行の光文社文庫の土御門家・陰陽事件簿<1>「大盗の夜」です。本の登録も同本で行います。大活字本では、上下巻です。

    大盗の夜ー土御門家・陰陽事件簿シリーズの1作目
    2012.12発行。字の大きさは…大活字本。2021.10.28~11.14音読で読了。★★★☆☆
    闇の猿、夜叉神堂の女、鬼火、鵜塚、大盗の夜、縞揃女油地獄、朧夜の橋、の7話の連載短編集です。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    【バックナンバー】
    土御門家・陰陽事件簿シリーズのバックナンバーは、私の本棚より「タグ」→「タグの一覧を絞り込む」に「澤田ふじ子」と入力。または、その中から澤田ふじ子を探してください。そうすると著者澤田ふじ子さんの本が一覧表示されます。
    私は、本を登録するときには、著者名と登録した年(2021)で登録しています。たまにシリーズ名でも登録もします。例えば「風烈廻り与力・青柳剣一郎」などです。

  • 江戸時代の人々の暮らしが分かり、読みやすい。
    暗さがないし、後に引かないさらっとした文章で人間の闇の部分が嫌いな人や現実逃避したい時などに読むと簡単に小説の中に引き込まれていく。

  • 土御門家・陰陽師シリーズの第一段です。
    陰陽師とはなにやら怪しげな。。。と思いがちですが、
    時代は江戸時代、京の町の占い師(人相見・手相見)達の話しで
    彼らが、町の治安を守ったり、事件を解決したりする話でした。

    主人公の笠松平九郎は、占い師といっても安倍清明を家祖とする
    土御門家が統括する触れ頭(ふれがしら)という由緒正しい職で、
    帯刀も許されていて、腕前もなかなかのもの。
    この時代、京の町のあちこちで、占い師が辻商いをし、
    商いをしながら町内に不穏な動きはないか、また町人達の相談に
    のり、犯罪を未然に防いだりしていたようです。
    今でいう防犯カメラみたいなもの!?
    しかし、洞察力の鋭い陰陽師ですから、防犯カメラ以上の
    防犯効果があったと思います。

    この本の中の「縞揃女油地獄」はまさにそんなお話。
    手相をみたところ、悪い相が出ている男が急に金廻りがよくなり、
    ある料理屋に出入りしているのを不審に思った手相見の文殊助が
    平九郎に相談したことで事件解決に至るという話し。

    そして最終話「朧夜の橋」は、すべてが丸く治まり、
    ちょっとイイ話しでした。

    基本的に短編集のようになってますが、始めの話しの布石が
    最終的には決着し、スッキリして読み応えありです。

    時代小説はその時代の町人の暮らしぶりが書かれていて
    興味深いものです。

  • 笠松平九郎

  • L 土御門家陰陽事件簿1

    陰陽師といえども平安のアレとは違う。式神や鬼は出てこない。あくまで慣習的な。陰陽師というよりも易者だね。が、事件を未然に防いだりする話。ひとつひとつがあっけないかな。

  • 読み進むにつれ、じわじわと面白くなってくる。
    いわゆる「陰陽師」とはちがう。事件帖として読むべし。

  • 初版本
    ダブルブックス 初版本

  • 2008/02/24読了

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著者プロフィール

1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現・愛知県立大学)文学部卒。75年「石女」で第24回小説現代新人賞、82年『陸奥甲冑記』『寂野』で第3回吉川英治文学新人賞を受賞。古代から近世を舞台に、資料を駆使した独自の視点による歴史小説を執筆。

「2017年 『似非遍路 高瀬川女船歌九』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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