刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)

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著者 : 高木彬光
  • 光文社 (2005年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334739607

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刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 別々の二人の易者から「長編小説を書くこと」を勧められ、しかも「その道の大家に送りなさい」とのご託宣。一面識もない江戸川乱歩に原稿を送りつけ、大乱歩に「損害が出たら俺が肩代わりする」とまで謂わしめて出版に漕ぎ着けた『刺青殺人事件』と無名の新人、高木彬光。
    大晦日、乱歩からの手紙を握りしめた妻と、抱き合って号泣したという高木氏。なんともドラマティックな秘話。

    先日、角川文庫版で読んだ『刺青殺人事件』本編に加えて、岩谷選書版の後記をはじめとする各版の序文、あとがき等を収録。
    『探偵小説の作り方』に至っては『刺青殺人事件』の創作の道筋、種明かし、著者解題まである贅沢さ。
    横溝正史の遺品から発見された、高木彬光の未発表短編『闇に開く窓』まである。

    探偵小説に賭ける意気込みと熱気がものすごく伝わってくる。
    扶桑社文庫の『初稿・刺青殺人事件』が読みたくなってきた。

  • 江戸川乱歩先生が絶賛したという、高木氏の処女作にして代表作である探偵小説です。でも、残念ながらこの本は絶版しておりまして、中古しか手に入らないと思います。

     内容は、凄いというより表現のしようがありません。!(◎_◎;)
    出ました!お約束の「密室殺人」と思いきや、それは序章にすぎません。
    思わず興奮し頁を捲る手が止まりません・・・そして事件も迷宮入りかと思いきや、ジャジャ~ン名探偵 神津恭介の登場!
    本書より抜粋、「悠揚にして迫らず、しかも明徹細緻」な神津推理に圧倒されます。ちょっと反則ギリギリの点は否めませんが、この作品は後世に残したい名作探偵小説です。 文句なしのお薦め作品です!

  • 乱歩が絶賛したことでも知られる高木彬光のデビュー作。
    同時に収録されている『探偵小説の作り方』を読むと、かなり緻密な構成を最初から組み上げて行った様子がよく解る。
    未発表の短篇『闇に開く窓』も収録されていてお得感ありw

  • この作品は無駄なところが少ない。さすがにないとは言えないが。
    しかし冒頭から読者を罠にかけようとプロットが組まれていてあとから感嘆した。
    ヴァンダインを意識している部分も見られた。

  • 本格ミステリーの基本といわれている名作中の名作。しかも、高木氏の処女作だそうな・・・
    是非、読むべし!とのお勧めを受けての読了。

    感想は、ミステリー界って現在も進化を続けているんだナァ。

  • 表題作「刺青殺人事件」のみ読了、とりあえず70点。
    この文庫本には他にエッセーやら短編、ノベルズ版の後書きや芦辺拓氏の解説などもありますがそちらは未読。

    太平洋戦争直後の東京、主人公の松下研三は刺青競艶会で、不気味な大蛇丸の刺青を背負った、妖艶な美女野村絹枝に出会う。
    刺青と彼女自身に魅入られた研三は彼女の家へ行き、殺人事件へ巻き込まれていく。
    さらに事件は第二、第三の殺人へと続き…


    密室トリック、アリバイ崩し、死体消失の謎、読者への挑戦状、また知的犯罪に対する美学を登場人物に語らせるあたりはまさにミステリーの王道を行くという印象です。
    最近読んだ小説は何故か王道かと思いきや横道に反れる作品が多かっただけに、ああ、ミステリーを読んだ、とおなかいっぱいにさせてくれました。
    当初はがっつり謎解きに挑もうとしましたが、結局細かい項目まで考える前に、我慢出来ずに解答編へ突入。一応ミステリーとしての肝に当たる部分は見当付けることが出来ましたが…

    欠点と言うか残念な点も何点かありました。
    まず小説のスタイル、詳しく書くとネタがばれそうですが、誰の視点によるいつの手記なのかがどうも気になる、叙述トリックが一般的になった今読むともう少し厳密性を要求したくなるところ。
    あと探偵役として登場する神津恭介のプロフィールと解決の為の足掛かり。囲碁将棋の打ち筋から得た人物観で犯人を絞り込むのはどうも…
    トリックも含めてそこらへんが時代を感じさせてくれる部分でしょうか?

    あと文章は非常に素晴らしいと思いました。
    刺青そのものに対してはどちらかと言えば嫌悪感が先に立つ自分でも、この文章を読んでいると登場人物が魅了されて狂って行くのも頷けるかも、、、と思わせてくれる筆力がありました。


    古典に分類される作品を読む度に、それまでのミステリーをしっかり読みつつ、発表当時読む事が出来ていたら、きっと、もっとこの小説を楽しめていたんだろうなと考える今日この頃です。

  • これが、デビュー作ですか!?
    クオリティの高さは東西ミステリー32位にランクインしているだけのことはあります。
    未読の人は是非。

  • 高木彬光のデビュー作。大好きな神津恭介の初登場作品。
    書かれた時代を考えると画期的な密室トリックだと思う。最初から「殺されたのは野村絹代ではない」という事はわかるんだけど、じゃあ野村珠代なのかというと、浴室に残された両手、両足に刺青がないから違うとなる。最終的に、写真に残された珠代の刺青は書かれたものであり、肘下、膝下には刺青がないことがわかるのだが、前半部分の珠代の刺青に関する記述をみると、絹代のセリフでは「彫る」とあるのに、説明文では「描く」とあるのがうまいところ。密室のトリックはわからなかった。併録されている「闇に開く窓」のトリックは、「鉄線に滑車」って、大掛かり過ぎでしょ!

  • 神津恭介シリーズ、少し読んでみようと思って!
    なるほどおもしろい。戦後という時代も好きだし!
    現代となっては使い込まれたトリックなんだけど、この時代だったら新鮮だったろうなー。
    評価の高いヤツから(←このへんやらしい)読んでみるよー。

  • 図書館にて借りる。初高木彬光作品。

  • 東大医学部のうす暗い標本室に並ぶ、刺青をした胴体。不気味な色彩で浮かび上がる妖術師「大蛇丸」。この一枚の人皮から、恐ろしい惨劇が始まった。密室殺人と妖しく耽美な世界に神津恭介が挑む、戦後本格推理小説の礎となった処女長編。デビューにいたるまでを綴ったエッセイや、最近発見された初期の未発表短編「闇に開く窓」を収録。 (「BOOK」データベースより)

    本編を読み終わって、いくつか掲載されているあとがき的なものを読むまで、ずーっと「いれずみさつじんじけん」だと思っていました。
    正しくは「しせいさつじんじけん」でした(恥)。
    この作品は高木氏の処女作、氏自身、筆を取ったのさえ初めてというから驚きです。
    そのうえ、3週間ほどで書き上げたというからもう驚愕。
    ただし、初稿はこの半分ほどの枚数だったとのこと。

    書き始めた理由も、終戦に伴い技師としての職を失い、占い師に「小説を書きなさい、それもできるだけ長いものを」と言われたからというからスゴイ。
    そして時代もありなかなか出版することができなかったら、また占い師に「大家に送りなさい、そうすれば年内に認められ……」と言われ、何の面識もない江戸川乱歩氏に送りつけ、大晦日に返事をもらったという。
    でき過ぎだわ。

    私にも誰か言ってくれないかしら。
    あ、でも才能も一緒に授けてもらわないとダメだけどね。

    作者の意図したとおり、ミスリードされた私は模範的読者です(笑)。
    蛞蝓という漢字もこの作品で覚えました。

    江戸川乱歩氏が「探偵小説としては感心したが、小説としては上出来にあらず」と言ったそうですが、確かにところどころ引っかかるなあという箇所がありました。
    まあずぶの素人の私が言うのもアレですが。
    密室だったことを棚上げで進んでるけどいいの? え、もしかしてあれは内緒のまま? 嘘ついたまま? とかね。
    それとクライマックスがあまりに乱暴な気がしました。

    「映画化されるとの報もあり」とあとがきにあったので、ググってみましたが、監督・俳優さんが少し違っていました。
    話が進むうちに変更になったのでしょうね。

    あとがきにあった「写真には真を写すという、別の先入主があるのだった」という言葉が印象に残っています。

  • 文章がイマイチと評されてるみたいだけどそれほど気にならなかった。刺青をモチーフに妖艶な雰囲気を醸し出しつつ、「首なし死体」ならぬ「胴なし死体」を扱ったトリックがおもしろい。横溝正史「夜歩く」との関連でもいろいろ考えられる作品。

  • ミステリと思って読み始めたら耽美だったでござる。
    母上の実家の蔵からの救出本。本当は角川文庫のものだけどこっちで登録。

  • 密室トリックが暴かれても、乏しい想像力しかないあたいの頭ではいまいち分からず・・・。今度絵に描いてみよう。
    刺青という独特なものがテーマで、終戦間もない日本が舞台で
    もう、最高です。個人的にはとても好きでした。

  • 密室トリックと替え玉トリックが秀逸。しかもその2つが有機的に結びついている。

  • 刺青は一見消えにくそうだが実は完全に消すことができる。
    まるで天から下った罪やさかしまに地獄へ落ちる運命のように。
    が、そのためには何か大切なモノを供物として捧げる必要はある。

  • 意欲的なアイデア。文章も悪くない。

  • 神津恭介のミステリです。持っていたものが古すぎてバラけてしまったため、新装版を買い直し&読み返しました。大蛇丸ですよ、三すくみですよ!

  • 天才神津恭介が複雑に絡まっているように思われる事実を解きほぐし、単純な一直線上に並べていく。

    天才にして美人。
    とても美味しい。

  • 東大医学部のうす暗い標本室に並ぶ、刺青をした胴体。不気味な色彩で浮かび上がる妖術師「大蛇丸」。この一枚の人皮から、恐ろしい惨劇が始まった。密室殺人と妖しく耽美な世界に神津恭介が挑む、戦後本格推理小説の礎となった処女長編。デビューにいたるまでを綴ったエッセイや、最近発見された初期の未発表短編「闇に開く窓」を収録。

    有名すぎる古典ですね。推理小説好きなら一度は読んでおくべき作品だと思います。
    「闇に開く窓」も良作です。

    琴線に触れたセリフはこちら。
    「――。たとえどういうハンデキャップでも、それをプラスにするかマイナスにするかは、本人の心がけしだいだもの。――」

  • 乱歩が一読し、感心したとされる高木彬光の処女作。
    本作の存在は前から知っていたが、どうしてか今まで読まずじまいで、結局この年になってから読むことに相成った。

    本作には密室トリックが用いられている密室という概念が、「当時」の日本家屋では成立し難い(ふすま、障子という曖昧な仕切りゆえ)、という前提を覆した作品ということで評価される向きがある。
    確かに、死体発見場所をあのように設定すれば、西洋家屋だろうが日本家屋だろうが関係はなくなるな、ということで関心はしたが、そう高らかに評価するものでもない。
    密室を完成に導くトリックもネタバレにならない程度に述べるが、納得の嘆息をするひとはいまい。そもそも、神津であれ「たいしたことはない」と言うに過ぎない。本作で、密室完成トリックは「添え物」に過ぎない。

    本作の色々な仕掛けは、そう仰々しいものではない。
    ただ、個人的には好みのものではある。
    如何に人の心理をつくかを書いた、良書と思う。

  • 神津さんかっこいい…。

  • 神津恭介シリーズ

    旧友の最上久の招待で刺青の展覧会にやってきた松下研三。そこで知り合った最上の兄・竹蔵の愛人・野村絹枝、刺青に取りつかれた早川博士。絹枝に渡された兄弟3人に掘られた3つの刺青。呼び出された絹枝の家で目撃した竹蔵の部下・稲沢義雄。早川博士とも出会い絹枝の家に・・・。日本家屋での密室殺人事件。風呂場で見つかった絹枝の死体。胴体が消えていた遺体。被害者の体に彫られた刺青が目的か?早川博士が持ち去った乾板。最上竹蔵の射殺体の発見。研三が見つけた絹枝の兄・常太郎。事件の真相を見破った常太郎だったが犯人に殺害され刺青をはがれる。絹枝に似た女の正体。戦争中に死んだ絹枝の妹の珠枝の謎。3枚の写真に隠された秘密。神津恭介初登場。


     2009年3月5日再読

  • 再読終了。
    やっぱり斬新だなあと感心。

  • ここが島荘の原点だったのか。

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