密室の鍵貸します (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740207

感想・レビュー・書評

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  • 烏賊川市編、第一弾と知らずに
    第二弾を先に読んでて、面白かったから読んでみた。

    説明にも書いてあったが、ユーモアとサスペンスが組み合わされている。
    他にはないミステリーなんだろうな。

  • 「事件以前」
    内定を約束されたが。
    勝手に期待するのはいいが、現実味がないことを言い続けているよりも全然良くないか。

    「事件一日目」
    退屈しないからこそ。
    少しといい戻らない家主の存在を、ここまで気付かずいれるのはある意味凄いことでは。

    「事件二日目」
    無実を証明するため。
    自身が疑われる要素しかないが、下手なことをするぐらいなら素直に話すべきだったな。

    「事件三日目」
    真実は予想外の結果。
    せっかく作り上げたアリバイが、偶然の出来事で全て無になったのが問題だったのかも。

  • 圧倒的なピンチからのどんでん返し

    お見事!

  • 最初は面白く読みはじめたが、視点が誰なのか、描かれ方に慣れず、最後の方は疲れてしまった。
    主人公目線の方が自分には合っているのか、、、。
    最初から先輩が妙に時間を口にするので怪しいとは思ったが、動機がそこにあるとは思わなかった、、、。

  • ★トラブル大歓迎(p.121)

    【感想】楽しかったです。この著者はこれから読んでいってみようと思います。このシリーズもうっかり「猫」から読み始めてしまったので、あらためてイチから。

    【内容】二件の殺人に巻き込まれた流平は最悪の手、とんずらを選んだが・・・

    【一行目】その街の正確な位置について、あえて詳細な地図を掲げることはやめておく。

    ★設定
    【世界観】基本的にはおかしなキャラクタたちのおかしなセリフや行動(と地の文)をおもしろがるギャグ小説だがちゃんとミステリしておりしっちゃかめっちゃかにはならないので安心して心地よく楽しめる。著者は楽しそうでないシーンは省略する方針のようでストレスもあまりない。
    【烏賊川市】千葉の東、神奈川の西にあるそうだ。異次元? かつては年に数回海面が盛り上がるほど烏賊がやってきていて烏賊御殿とかあったようだ。烏賊の運搬に使っていた川が現在一級河川の烏賊川だった。探偵鵜飼杜夫やビルオーナー二宮朱美や探偵助手戸村流平たちがいる。烏賊川市警察の砂川警部は日々クラゲを眺めて天気予報をしているくらいヒマ。烏賊川市はかなり平和なのだろう。映画館は一軒もない。
    【黎明ビル】二宮朱美がオーナーで彼女自身四階に住んでいる。鵜飼杜夫の探偵事務所が三階にある。歓楽街の外れにある。
    【鵜飼杜夫/うかい・もりお】探偵。中肉中背で目立たない顔。ルノー・ルーテシアに乗る。なんか似合わないイメージ。金がないくせに仕事を選り好みする。タウンページに記載されているキャッチコピーは「Welcome trouble」。
    【二宮朱美/にのみや・あけみ】黎明ビルのオーナー。四階に住む。愛車はベンツ。家賃滞納しがちな鵜飼は朱美に頭が上がらない。嫌味はちょっと言ったりするが。意外なことに鵜飼とは互いに憎からず思っているフシがある。戦闘能力は高い。
    【戸村流平/とむら・りゅうへい】鵜飼杜夫探偵事務所の探偵助手(弟子)。また、鵜飼は流平の姉の元夫らしいので元義兄(赤の他人ともいう)。事務所のキャッチコピー「Welcome trouble」は流平が考えた。烏賊川市大映画学科中退。かつてホームシアターを舞台にした密室殺人事件に巻き込まれ鵜飼に救われ弟子になった。ミステリ映画は好きだが原作は読まない。両親は夢を諦めさせるために大学に入れたようだ。しかし探偵助手になってほしくはなかっただろう。烏賊川市でもっともアロハシャツが似合う男かもしれない。虎キチ。
    【烏賊川市署】砂川や志木がヒマをもてあましている。
    【砂川/すながわ】烏賊川市署の自称エースで警部。素直ではなく右を向けと言えば左を向く扱いにくい性格。アホっぽいがたまにシャープなところも見せる。特技は運河を流れるクラゲを見て天気予報できること。
    【志木/しき】刑事。烏賊川市署の自称ホープ。命を大事にしたくなるような運転技術の持ち主。昔はワルでブイブイ言わせてた。

    ▼烏賊川市についての簡単なメモ(適当にメモしてっただけですが、後から見てみると結果的にネタバレなってたかも)

    【IKA映画社】教育映画をつくる地味~な映画制作会社。地元のテレビ局の系列会社。茂呂耕作が勤めている。ほぼブラック。
    【烏賊川市】舞台どうやらシリーズになってるようですね。「猫は何匹」から読みはじめてしまいました。
    【烏賊川斎場】収容人数の多いところが取り柄。要人が死んだときはここを使う。
    【烏賊川大学】若者の減少に危機感を抱いた市長ががんばって設立した。理系学部はない。まあ、そこそこの大学。最近では映画学科が注目されている。烏賊川市には映画館はないが。
    【依頼人】《一説によると、探偵というものは、依頼人を殺されてはじめて半人前なのだそうだ。》猫p.175
    【岩村敬一/いわむら・けいいち】通称なんでも屋の岩村。
    【魚丸武司/うおまる・たけし】漁師。
    【鵜飼杜夫/うかい・もりお】《なんだ、刑事さんか。ちぇ、敬語で話して損したな》密室の鍵p.160。「猫は」では報酬の金額に逆らえず(朱美に逆らえず)豪徳寺さんちの三毛猫探しに乗り出すことになった。ちなみに猫に好かれやすいタイプのようだ。《まあ、この探偵の行動は、どれをとってもあまり理解しやすいものではない。》猫p.368
    【エルザ】野良猫だったが桂木がエサをやったりしているうちに豪徳寺家によく来るようになった。三毛猫だが小柄でミケ子とは似ても似つかない。
    【桂木】豪徳寺家の使用人。執事であり、料理人であり、庭師でもある便利な男。達磨さんのような丸っこい身体。
    【加藤信夫/かとう・のぶお】交番勤務の警察官。
    【河内龍太郎】映画監督。「殺戮の館」「戦慄の島」「復讐の村」などB級の巨匠。この著者の他の話でも名前を見かけたことがある。特に「殺戮の館」の題名はよく出てくるかも。映画好きとしてはイヤな予感はしつつ怖いもの見たさの一本。
    【教養猫】烏賊川市大教養部の喫茶室の周辺で暮らす数匹の猫のこと。
    【キンゾー/金蔵】鵜飼の知り合いのホームレス。鵜飼を「兄貴」と呼ぶ。烏賊川の西幸橋の下の段ボールハウスで暮らしている。何の誇張もなく頭がいいらしい。ホームレス名探偵?
    【桑田一樹/くわた・かずき】流平の同級生で映画好き。ビデオ屋「アトム」でバイトしている。「殺戮の館」は駄作だと言う。紺野由紀の最後の恋人。
    【剣崎京史郎/けんざき・きょうしろう】豪徳寺家の居候。招き猫狂。暮らしている土蔵の中には招き猫がぎっしり。異常によくしゃべるが会話という言葉のキャッチボールはほぼできない。
    【豪徳寺真一】豊蔵の長男。前の妻との間にできた子ども。二十八歳。
    【豪徳寺豊蔵/ごうとくじ・とよぞう】回転寿司チェーン「招き寿司」の創業社長。無類の猫好き(というより招き猫狂)で自宅の玄関に人間サイズの招き猫が二体置いてある。経営する回転寿司店にもある。豪徳寺さんやもんね。養子なのでもしかして豪徳寺という名前が欲しくて昌代と結婚した? また自宅にビニールハウスがある。いかつい顔に紳士らしい服装と物腰。十条寺十三の知人。自宅のビニールハウスで殺人事件があった十年後鵜飼に猫探しを依頼してきた。その後ビニールハウスで死体となって発見された。
    【豪徳寺真紀/まき】豊蔵の娘。十九歳の美人女子大生。豪徳寺豊蔵の殺された夜ビニールハウスに呼び出されうかつにも誘いに乗って捕まり豊蔵殺害現場を見てしまった。と証言している。
    【豪徳寺昌代】豊蔵の奥さん。三十代に見えるが四十三歳。
    【豪徳寺美樹夫/みきお】豊蔵の次男。二十二歳。映画好きで矢島達也とときどき映画鑑賞会をやってる。
    【紺野由紀/こんの・ゆき】流平の学生のときの彼女。流平がIKA映画社に内定したとき失望して別れ話を切り出した。
    【十条寺十三/じゅうじょうじ・じゅうぞう】かつて自らの屋敷を舞台にした拳銃乱射事件の謎を鵜飼に解決してもらった。
    【白波荘】茂呂耕作が住んでいたボロアパート。もう維持管理する気もないようで建物を壊さなければかなり部屋の改造をしてもOK。ちなみにオーナーは二宮朱美。
    【鈴木のマー坊】荷台がちょっと大きめでわりとカッコいい車でした。昔はよく見かけてたけど。吉岡宗助の愛車。
    【砂川/すながわ】《モテる男にはとりあえず反感を覚えるのが砂川警部の特徴的なメンタリティーであることを、志木はよく理解していた。》密室の鍵p.162。「猫」の十年前は刑事。彼が高林警部にしたアドバイスのせいで? 事件は迷宮入りした。
    【高梨孝太郎/たかなし・こうたろう】女が落ちてきた事件の目撃者。
    【高林】凄腕警部。今は現場からは離れているようだ。
    【椿ビル】オンボロ雑居ビル。岩村敬一が暮らしていた。オーナーの老人はなかなか楽しい。
    【田園】豪徳寺真一の行きつけのバー。友人の田代俊之がマスター。
    【内出血密室】凶器によって即死や動けないわけでない場合被害者自身が密室を作ってしまうことということのようだ。
    【二宮朱美/にのみや・あけみ】黎明ビルや白波荘の若きオーナー。「密室の鍵」ではまだ鵜飼たちと知り合いではなく故障中のオートバイの整備にせいをだしていた。《ただいじり回しているのが楽しいからいいの。》p.151。同アパートの住人茂呂とも知り合いだった。死体を見ていちおう悲鳴を上げた。
    【ニャーネルニャンダース】「招き寿司」の入り口に置かれている招き猫の人形。ほぼ人間サイズ。地元の子どもたちは「ニャーネルニャンダース」と呼ぶ。
    【猫】ミユキには漁師がエサをやっていた。教養猫は大学教養学部の喫茶室におり猫舌は壊れている。黎明猫は黎明ビルの近くに最近来た。ニャーネルニャンダースは招き寿司チェーンと豪徳寺さんちの玄関を飾っている。猫のお面の誰かは豪徳寺豊蔵を殺した。ミケ子は豪徳寺豊蔵の死体のあったビニールハウスにいた(かもしれない)。剣崎京四郎が暮らしている豪徳寺家の土蔵には招き猫がぎっしり。エルザは桂木がエサをやってるうちに豪徳寺家によく来るようになった。十年前矢島医院に怪我で死にかけた三毛猫が来て洋一郎が手当てして生き延び「マオ」と名付けられた。
    【ビニールハウス】豪徳寺さんちの庭にある蒲鉾型のビニールハウス。農家のものよりは小ぶりな感じだがけっこう大きい。頑丈な作りで少し揺すったくらいではびくともしない。すりガラスのように半透明なビニールが張られており中はほぼ見えない。特に何も栽培されていない。なんのために庭に建てたのだろう。よからぬことに使うのが目的? 殺人事件の被害者と思われる死体が二度発見された。単純なつくりなのでトリックには使いやすそう。
    【本陣殺人事件】ATG製作の映画。ミステリ映画ブームの火付け役かとこの小説(密室の鍵貸します)では書いてあった。原作横溝正史。ぼく的にはけっこう好きです。
    【牧田裕二/まきた・ゆうじ】戸村流平の大学時代の友人。
    【招き寿司】豪徳寺豊蔵さんが創業し経営している回転寿司チェーン。
    【ミケ子】豪徳寺さんちの三毛猫。可愛げがなく大きい。脱走したミケ子をなぜ豊蔵さんは金に糸目もつけず探すのか。家族にもさわらせず猫部屋に「保管」していたようだし。その辺になにかありそうだとは思う。財宝の隠し場所がどっかに描かれてるとか。それはま、冗談ですけど。
    【三毛猫】この話(猫は何匹)には多くの三毛猫が登場する。招き猫も登場するが招き猫が三毛猫なのかどうかはよく知らない。三毛猫は遺伝子かなにかのせいで基本的にメスなのだとはよく知られていることだがオス三毛猫もまれに誕生するらしい。その場合の価値がどれくらいになるのかも知らないけど豪徳寺豊蔵さんが金に糸目をつけず探しているのはそのせいかもしれない?
    【ミステリ作家】午前三時に散歩しているときあるものを見た。《なんだミステリ作家か。それじゃ深夜の散歩も無理ないな》猫p.114。そういや『深夜の散歩』という福永武彦、中村眞一郎、丸谷才一著のミステリエッセイ集を持ってます。
    【ミユキ】魚丸が三毛猫につけた名前。別れた女房の面影を見て。
    【茂呂耕作/もろ・こうさく】流平の映画学科地代の三年先輩。二十五歳。ボロアパート「白波荘」で暮らしている。改築ほぼ自由なので茂呂は一室を完全防音に改造しホームシアターとして使うためにあえてこのアパートで暮らしている。聴く音楽はエアロスミスか藤あや子。志木刑事の高校時代の友人。
    【矢島達也】洋一郎の息子。父の死んだ十年後、三十一歳のときには豪徳寺家の主治医になっている。豪徳寺真紀に気があるようにも見える。傷を見たら縫いたくなる。
    【矢島弓子/やじま・ゆみこ】洋一郎の妻。車椅子を使っているいう設定にわざわざしてるってことは視点の低さになにかあるのかもしれない?
    【矢島洋一郎/やじま・よういちろう】開業医。豪徳寺家の主治医。十年前豪徳寺家のビニールハウスで腹部を刺されて殺された。死亡時四十八歳。妻の弓子と二人暮らし。息子の達也は某有名大学の医学部の学生で東京暮らしだったが、十年後には豪徳寺家の主治医になっている。
    【安木理絵/やすき・りえ】豪徳寺豊蔵が殺された夜恋人とともに招き猫を目撃した一人。どうやら画像として記憶を保持できる能力を持っているようだ。
    【山村良二/やまむら・りょうじ】剣崎京四郎の麻雀仲間。
    【吉岡宗助/よしおか・そうすけ】椿ビルに暮らすプロのカメラマン。岩村敬一の呑み友だち。愛車は鈴木のマー坊。
    【黎明猫(仮称)】黎明ビルの近くにいる三毛猫。名前は特にないが体形からデブと呼ばれたことあり。
    【連続殺人】《実際、連続殺人を描くミステリに人間ドラマが本当に必要なのだろうか、という疑問は以前から流平のなかにあった。》密室の鍵p.67

  • 気軽さがいい作品!やり取りが面白い!

  • 隙間時間でちまちまと読んだが、とてもライトなストーリー展開で、時間さえあればすぐ読み切れる内容だった。
    気軽によめる本格ミステリーといった感じで全シリーズ読んでみようと思う。







  • 初の東川作品を読了。
    前評判ではコミカルな中にしっかりと謎解きがあると聞いていたので率直な印象は期待度が大きかっただけに若干残念な感もありながらも期待感も感じた。
    1つ目の事件の真相は早くから予想がつくが2つ目の事件については意外ではあったがやや強引さもあった気がする。

  • 鵜飼探偵や砂川警部など愉快なキャラクターたちが奔走して事件を解決していくのを、軽快に読み進めることができた。
    戸村が自分の指紋を拭き取ったり、おつまみを捨てたり、警察に通報しなかったり、なんで!って言いたくなるようなことが多かったが、事件を複雑にするどころか事件解決の鍵になっているとは、と唸った。
    密室が生まれた理由も、真犯人の動機も納得のいくクオリティで、さらに面白くて読みやすいというすごさ。あとがきで有栖川有栖も書いていたが、全部を兼ね備えた作品を生み出すのは、なかなか容易ではないのだろうと思う。
    烏賊川市シリーズの次回作も楽しみだ。

  • ミステリはあまり読まないのだけれど楽しく読んだ
    これを機にいろいろと読んでみたい

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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