父からの手紙 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740320

作品紹介・あらすじ

家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。

感想・レビュー・書評

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  • ●本書はミステリーです。私はミステリーとしての面白さと同時に深い親子愛に感動しました。直接ではなく、手紙という形で、間接的に子供への愛情を表現した点で、父親の真心が一層胸を打ちます。
    ●書中にある文章、「人生の目標は財産、地位、名声などを得るためではない。それを得たことが幸福だということではない。いかなる困難や試練にも負けずに生きていくことにあるのだ。」「麻美子は信じた。父が赤とんぼに姿を変えて見守っていてくれていたのだということを」にぐっときたのは私だけでしょうか?
    ●私は母子家庭に育ちました。仕事中心の生活の中で子供にどれだけの愛情を注げたか? 疑問に思う今日この頃です。

  • 小杉健治さんの作品、ブクログ登録は9冊目。
    思ったよりも読んでいました。
    読んだジャンルは、時代小説7冊、ミステリー2冊。
    で、今回読んだ本作は、ミステリーになります。

    まず、著者の紹介ですが、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    小杉 健治(こすぎ けんじ、1947年3月20日 -)は、日本の小説家。日本推理作家協会会員、1993年から1994年まで日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門の選考委員を務めた。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作。

    本作は、テレビドラマにもなったようで、2007年12月26日、テレビ東京系列「水曜ミステリー9」にて放送されたようです。
    まあ、内容が面白いので、ドラマ化というのは理解できますね。

  • 書店のポップを見て購入。帯にもあった、父親の愛がもたらす深い感動のミステリーは本当でした。涙の我慢が大変で…

    麻美子の元に訪れる悲劇、そして10年前に家族を捨てて失踪した父。感涙…

  • 記録

  • 人間関係が複雑であったけど、ノートに相関図を書いて理解しながら、読み進んだ。
    理解する事に神経を使って、なかなか最初から楽しめない。後半の真相暴露のところから、ようやく面白くなってくる。まぁそれまでが長い。

    反抗期の娘と家族を守るために命を懸けている父親の心情との対峙が後から滲み出てくる感じ。
    良い作品だと思う。
    なるほど「父からの手紙」ですな。

  • 2人の主人公の話が徐々に繋がり、全体像が見えてくる。
    人物像や台詞に時代を感じてしまい、少し気になりながら読んだ。

    失踪の真相や手紙の本当の意味によって、父親の深くてまっすぐな愛情を感じたものの、その決断には賛否両論あるだろう。
    父親なりに、命を懸けて守りたいと覚悟を持って最善の選択をしたのだろうが、それが本当に家族の幸せになったのかはわからない。

    自己犠牲の上に成り立つ愛や幸せは相手の為にならず、自己満足に過ぎないのかもしれない。

  • 父の行動に納得は出来ないけれど、ミステリーは面白かったし、父の家族を思う愛には心締め付けられるものがあった。

  • 人と人との強い絆を描く感動作!とのことで期待大で読みはじめました。でもなぁ、、、それで人生が狂ってしまっている人達が多勢いること、保険金詐欺、殺人、自殺、結局は自己満足のような現実逃避のような良い判断をしたとは思えない。残された家族は幸福だったとは言えないのでは?無い!

  • 一気読み。
    初めは全く関わりのない2人の主人公と思しき人物のストーリーが、回想とともに進んでいく。正直、この状態では全くストーリー展開などは想像すら付かなかった。しかも、段落の区切りなども一切なく、本当に「ふとした」タイミングで過去の改装などが入るため、読みにくさもあるかもしれない。
    しかし、読み進めていくうちに次第に2人のストーリーが近づき、一つの大きな道になっていく。
    決して今の時代、綺麗な話、単純に泣けるストーリー、と言える内容ではないし、人によってはモヤモヤが残るかもしれない。
    が、人の思い、親が子を思う気持ちの強さ(そして逆も然り)という面に関して言えば、感動だな。

  • 2つのストーリーが重なるまで同時進行で進んでいくので、慣れるまで読みづらさはあったかも。
    父の行動には賛同できないけど、愛情は間違いなくあったんだと伝わってきた。
    最後に明かされた真相に驚いたし、一気読み出来た。

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著者プロフィール

一九四七年、東京都生まれ。八三年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八八年「絆」で日本推理作家協会賞、九〇年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞。他に「仇討ち東海道」「遠山金四郎」「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「栄次郎江戸暦」「蘭方医・宇津木新吾」「親子十手捕物帳」「八丁堀赤鬼忠孝譚」「義賊・神田小僧」シリーズなど著書多数。

「2023年 『剣の約束 はぐれ武士・松永九郎兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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