月の扉 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740450

作品紹介・あらすじ

沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ3人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変-。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。各種ランキングで上位を占めた超話題作が、ついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 那覇空港で起きたハイジャック、犯人の要求は師匠を空港まで連れてくること。その最中に機内で起こった殺人事件。解決させられるのは偶然乗り合わせた乗客だった。

    著者の作品は【殺し屋、やってます。】に続き2作品目。兎角、ハイジャックと機内での密室殺人というあらすじが斬新で面白かった。

    しかしながら謎解きの紆余曲折が長い割に、クライマックスがあっけなく、私にとっては少々不完全燃焼な読了感だった。

    作中に泡盛を飲むクダリがあるのだが、【殺し屋、やってます。】のレビューにて綴った禁酒生活は、今日今現在も継続中。11ヶ月16日目。

    ノンアルコール生活365日目は、是非とも炭酸水とビーフジャーキーで月でも見ながら祝杯をあげたいと思ふ。

    • アールグレイさん
      こんばんは!
      レビュー、拝読致しました。今ひとつの読後感、残念でしたね。禁酒11ヵ月、もう少しで1年になりますね!
      (^^)//"""パチパ...
      こんばんは!
      レビュー、拝読致しました。今ひとつの読後感、残念でしたね。禁酒11ヵ月、もう少しで1年になりますね!
      (^^)//"""パチパチ
      きっと美味しいジャーキーでしょう、生ハムはいかがでしょう?
      健康が維持されないと、読書も思うように進まないと・・・・
      生意気な口をきいたでしょうか。
      m(__)m \(^_^)/
      2021/06/02
    • akodamさん
      ゆうママさん
      こんばんは。コメントありがとうございます。
      物語は面白かったのです。
      私の期待が高かっただけなのです。

      こんなご時世になり、...
      ゆうママさん
      こんばんは。コメントありがとうございます。
      物語は面白かったのです。
      私の期待が高かっただけなのです。

      こんなご時世になり、自分の時間が増えた時、ふとお酒に費やしている時間が無駄に思えたんです。

      20数年間、毎日尋常じゃない量を飲んでいた私が、医師に『貴方はアルコール依存症です』と言い切られた私が、よしやめてみようじゃないかと。

      私が読書にハマるキッカケは禁酒です。
      お酒をやめていなければ、ゆうママさんにも、フォロワーの皆さんにも出逢えていたなかったです。

      なので私は皆さんの本棚やレビューに心躍らせながら、楽しんで積み上げた作品たちを読みながら、禁酒続けてみますね。
      2021/06/02
  • 座間味くんって座間味島のTシャツからだったの…!とまず驚き笑
    これは最後どう終わらせるのかなと思いましたが、なるほどー。ハイジャックに、密室に、冤罪に、気になる展開。座間味くんが良かったので次作も読みたいです。

  • ファンタジーではないけれど、ハイジャック犯が信じていたものはファンタジーに近いのかもしれない。

  • 予備知識ゼロで読み始めて、おお、続き気になる系のミステリー!と思ったら、これがなかなか一筋縄ではいかない。
    色々絡んでくる。もはや色んな要素詰め込みすぎてどこにスポット当てていいかわからん。いや、結論人間の業みたいなものを描くために色んな要素と視点なんでしょう。
    世界観に入り込めるかによって読後の満足感が人によって全然違うのでは。
    でも彼のキャラクターはよかった!
    個人的に最後は蛇足。

    とはいえ続き気になりすぎて夢中で徹夜で読んでしまった。

  • ’21年8月1日、読了。久しぶりの、石持浅海さんの作品。

    とても面白く、読みました。座間味くんの登場する小説は、今までは短編をいくつか読んだだけで…長編は初でしたが、緊迫感のあるストーリーで、一気に読み切ってしまいました。

    殺人の謎解きの後、なんだか幻想的な終わり方で…物悲しい最後でも、なぜか希望が持てたなぁ。

    石持浅海さん、次は何を読もうか…大好きな作家さんです!

  • 手品を凄いと思うのは種も仕掛けもあるのが解るから。

    超能力を胡散臭いと思うのは仕掛けが有るか無いかが解らないから。



    私は奇跡(宗教的な)や超能力の類いを信じません。

    何故なら、見たことが無いのと理屈が無いからです。


    宗教が嫌悪されるのは、理屈が無いものを無理矢理信じ込ませ『お節介な心配をしてあげるからお金を下さい』
    そのお金で建物を建てます。
    一生に一回は拝みに来てください。
    というような事を古今東西すべての宗教でやっているからだと思います。

    全ての宗教家が石嶺孝志のようだったら死後の世界にもう少しだけ興味が持てたような気がします。




    沖縄那覇空港でこれから離陸しようとする旅客機がハイジャックされた。

    反抗グループ【柿】【真壁】【聡美】の要求は無実の罪で留置されている師匠【石嶺孝志】を《空港まで連れてくる》事!


    しかし物語は急変する。
    ハイジャック中のトイレの中で乗客の一人が死亡する。


    死体の第一発見者の恋人【座間味くん】はハイジャックグループから事件解決するよう命令される...

    ハイジャックグループの要求は無事!?達成できるのか?【座間味くん】は事件を解決出来るのか?


    全ての伏線は皆既月食の下で収束されていく...


    石持浅見の小説は題名が美しくて、つい買ってしまう。しかし月の扉は中身も美しい...

  • 座間味くんシリーズの第一弾。2003年の本だったのか。でも全然古さ(?)は感じず、面白くって一気読み。
    沖縄で不登校の子供たちの支援をしていた師匠こと石嶺が不当逮捕された。皆既月食の日、石嶺の力を信じる柿崎、真壁、村上はハイジャックを起こし、石嶺を那覇空港まで連れて来いと要求する。しかしハイジャックされた機内で、女性の変死体が発見され、座間味くんが真相究明することになる。なぜだか私の頭の中で座間味くんがDAIGOさんになっててww。ずっとDAIGOさんの話し方に変換されてたww。

  • うわーこれ好き。
    場面によって作品の印象が変化する。
    ハイジャック犯目線のサスペンス。
    機内で発生した死体の謎を解くミステリー。
    登場人物たちの心の傷に触れる人間ドラマ。
    神秘的な師匠が開く月の扉に纏わるファンタジー。
    複数の要素を詰め込んで、ここまで綺麗に仕上げる作者に敬服した。
    探偵役の座間味くんも良いキャラクターなので、このシリーズは制覇したい。

  • 沖縄という縁がある場所が舞台で少し親近感。後半は気になって一気読み。師匠に関してはちょっと浮世離れしている感じがするけど、ユタの存在を拡張したのかな。麻里は最初から怪しかったけどそのまま。座間味くんあっぱれ。真壁さんと友達になってほしかった。

  • 設定は少々馴染めない内容でしたが、中盤からは読みやすくてあっという間に読み切る面白さはありました。違う作品も読んでみたい。

  • 那覇発羽田行きの定期便、琉球航空 第八便が、男女3人によりハイジャックされた。
    彼らの目的は、不当逮捕された師匠と仰ぐ石嶺 孝志氏を、空港に連れてくること。

    しかし、航空機のトイレという『密室』で、女性の遺体が発見される。自殺?事故?事件?

    普通に考えれば、犯人はハイジャック犯の3人しかいない。しかし、彼らは、知らないという。

    そこで、この謎を解くための探偵役として指名されたのが『座間味くん』。

    彼の推理は?
    女性を殺害したのは誰か?

    ハイジャックと密室殺人という2つの組合せは斬新で、ハラハラドキドキの連続です。
    最後の種明かしや意外な展開もあります。

    しかし、月の扉を開けて、あちら側(再生の世界)へ行くという目的(?)は、若干理解出来ない面もあり、残念です。

  • 石持浅海さんを読んでみたくてタイトル買いした。
    そしたらハイジャックの話だった。

    予想しない事態が次々に起こる展開に引き付けられて一気読み。
    意外な人物が探偵役に指名されて、しかも期待以上の推理力を発揮するのもなかなか良かった。
    座間味くん、おバカなチャラ男だと思ってたのに(笑)。
    座間味くんでシリーズ物になってるらしい。そちらも読みたくなった。

    カリスマへの心酔(または信仰)から彼らはハイジャックを犯す。この、動機が「信仰」ってところが、信じてない者からすれば滅茶苦茶に見えるけど、その重さは第三者には図れないだけにズルイ設定だなと思った。

    全ての事態の因果関係も明らかにされて、読み手としてはスッキリ。
    ☆4つにしようか迷っての☆3つ。やはり私はエンターテイメントを越えて考えさせるものがある本を求めているらしい…。

    しかし、この手法でハイジャックを試みる模倣犯とか出てこないかねぇ。心配だ。

  • 密室殺人、ハイジャック、幻想譚の3要素を詰め込んた意欲作。
    以下ネタバレあり。
    中でも想定外の密室殺人は意外性もありユニークなのだが、肝心の師匠の人物造形が弱いので、皆既月食での彼の祈りの力が拘置所の中では作用せず、広い空間でなければ発揮出来ない理由が最後までわからなかった。この辺は幻想譚の作為として本来気にならないのだが、作品自体が理詰めなのでかえって気になった。また、師匠が、人質を殺した(実際は違う)ハイジャックの三人(霊能者なら飛行場に到着した時点で気づかない?)の行為を咎めるわけでもなく単純に再会を喜ぶだけなのもなんだか。ラストも彼らはハイジャックはしたが殺人はしていないため、おそらく無期懲役に処されるが、人質を盾に逃亡すれば射殺される可能性が高いのになんで?という思いが拭えなかった。

  • ハイジャック苦手なんですよね。飛行機乗ると不安になっちゃって。
    でも、本書を捲る手は止まりません。
    人を魅了するカリスマ性ある師匠、不当逮捕にあい師匠を留置場から出すべくハイジャックをする3人。
    だが、何故かハイジャックの最中に機内で起こる殺人事件。
    座間味Tシャツを着ている事から、座間味くんと呼ばれあれよあれよと殺人事件の謎に迫る謎の座間味くん。
    えぇっ!てなるハイジャックの終わり。最後にいい夢を見れました。

  • TSUTAYAの勧めるコーナーにあって、中では読みやすそうだったから、図書館で借りてきて読んだのだけど、かなり面白かったな、これ。
    ハイジャックと密室的な殺人とファンタジーが重なり合っていてなかなか複雑になりそうなんだけど、作中、一つ一つを丁寧に説明しながら解いてくれるサラリーマン探偵(まぁ、こんな人はいないよ、とは思うけどね)のお陰で全然迷わず、そして沢山ある伏線が見事に回収されているのが自分でもわかって、脳のアハ体験的なものも感じられて、愉しい時間だった。

  • 非現実的なお話しでもあるので賛否が分かれるかなと思いますが、なかなか無い感じのお話しなので物語に惹き込まれます

    そしてこのお話しの中心は……
    何と言っても座間味くんの推理ですね(^^)
    すんごいヤツだなと思ってたら、この作品のあとに座間味くんの推理シリーズが色々と出てるんですねー

    まだ未読ですが取り敢えず買ってあります(^_^;)
    いまから読むのが楽しみですねー(*^^*)

  • ・読み終わって感じたこと
    個人的にスッキリしない

    ・面白かったシーン
    犯人探しのやり取り

    ・オススメしたい人
    宗教的描写が受け入れられて、非現実的思考が好きな方

  • 『葉桜の季節に君を想うということ』が日本推理作家協会賞を受賞した年の候補作のひとつだったそうで、楽しめた。謎解きの難しさとか爽快感には物足りなさもあったけど最後の展開(エピローグじゃない)は二時間ドラマみたいな感じで、そういうのが好きなら良い作品。『葉桜の〜』と時期が被ったのは不運だったかも。

  • 沖縄那覇空港で突如として発生した起きるハイジャック事件。犯行は計画通りに進んでいっていたが、
    犯人達も予期せぬ死体の出現によって事態は一転。機内は謎が謎を生む奇妙な現場と化す。

    類を見ない犯人たちの動向と要求。彼らの目的とは一体どこにあるのか。そして予定にない死体が生まれた理由とは。

    様々な謎と思惑が蠢き絡み合う本作品。

    犯人達が機内に乗り込むまでからハイジャック開始、そして死体発見から推理パート、そしてその推理も場面を進めるごとにどんどん展開され、息をつく暇もないほど目まぐるしく場面が変わっていく様子に思わず緊迫感を覚える。
    にも関わらず、肝心の機内の雰囲気は束の間の平穏さえ感じさせる。この平穏は登場人物たちの小気味良いトークによってもたらされているのだろう。緊張感とは裏腹にテンポよく軽快に進んでいくため一気に読み進める事が出来る。

    犯人たちが基本的には善良な性格をしており犯罪行為に対して後ろめたさを感じている部分が描写されているためかより入り込んで読み入ってしまう。

    少々残念だったのが、本作品のキーマンである師匠のカリスマ性が作中では強く伝わってこなかったことと、終わり方が非常にあっさりしていたように感じてしまったところだ。ただこれは途中の怒涛の展開によってハードルが上がりすぎていたのかもしれない。後に思い返してみるとこれ以上視聴者の予想をキチンと裏切る終わり方もないようにも思う。
    ミステリーによる血腥さと綺麗で奇妙な世界観が両立されており、引き込まれる作品であった。

  • 久しぶりのコージーでは無いミステリー。
    特殊な設定・環境を受け入れきれない面はありましたが、十分楽しめる内容でした。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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