ミステリアス学園 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 427
感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740474

作品紹介・あらすじ

ミステリアス学園ミステリ研究会、略して「ミスミス研」。ミステリは松本清張の『砂の器』しか読んだことがない、新入部員・湾田乱人が巻き込まれる怪事件の数々。なぜか人が死んでいく。「密室」「アリバイ」「嵐の山荘」…。仲間からのミステリ講義で知識を得て、湾田が辿り着く前代未聞の結末とは!?この一冊で本格ミステリがよくわかる-鯨流超絶ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ好きが読むべき作品。更にミステリが好きになった。

  • 『「傑作といえば、有栖川有栖の『双頭の悪魔』」

    「ああ、いいですね。論理の緻密さでは最高峰じゃないかしら」

    「都筑道夫が唱えた“トリックよりもロジック”論を具現したミステリだな」

    「なんですか?トリックよりもロジックって」

    「本格ミステリ作家の都筑道夫が『黄色い部屋はいかに改装されたか?』という推理小説論の中で表明した考えだ。彼はミステリにトリックなど不要だ、ロジック、つまり、緻密な推理があればいいと極論している」

    「それはまた大胆ですね」

    「二階堂黎人は“ロジックよりもトリック”って言ってるけど」』

    とにかくミステリ好きのためのミステリ。

    竹本健治のミステリ史に残る名作『匣の中の失楽』のパロディであり、本格であり、アンチミステリであり、メタミステリ、青春ミステリ、ミステリ講義録、バカミス、ミステリ論とあらゆる要素を網羅した傑作。

    こんなに面白い作品とは思ってなかった。
    ものすごく感激した。
    一通りミステリを読んだら、これを読むべき!
    法月綸太郎、有栖川有栖、氷川透、芦辺拓、綾辻行人、二階堂黎人、島田荘司、小森健太朗、笠井潔、森博嗣、麻耶雄嵩、浦賀和宏、貫井徳郎、高田崇史、あたりはマスト。

    法月綸太郎をミステリ度と論理度の極致としているところがまた素晴らしい。

  • 非常にトリッキーな構成は作者の面目躍如。メタミステリでありながら超有名な作品を想起させる。「本格ってなに?」という質問へのガイドブックではあるが、ミステリ部分の筋が初心者に読ませるにはトリッキーに過ぎるだろう。本格ファンが読んで楽しみ、本格・ミステリについて人に説明するための種本には適。7.0

  • メタミステリ的な作風を楽しむ事と併せて、国内外のミステリー史とミステリーを構築する7つの要素についても詳しくなれるお得な1冊です。

    作家の実質デビュー年表と"論理度"と"ミステリ度"をプロットしたマップも付いて来るので、自分の読書傾向から似た作家を見つける事も出来ると思います。

  • 本格ミステリのおおよその歴史とか定義やらトリックの分類とか、これを読めば本格ミステリのだいたいの輪郭は掴めるようになる教養書としてはいいと思った。でも物語としてはうーんという感じかな。この作者の作品は久しぶりに読んだけどやっぱりいまいち合わないなぁ。



  • ミステリ。そのサブジャンルは多岐に渡る。
    本格、新本格、アンチミステリ、メタミステリ、SF、ハードボイルド、社会派...
    そもそもミステリって何?また、出版業界、評論家、本の読み方、楽しみ方。そんなものを一冊の短編集の中にギュッと濃縮。
    赤川次郎をこきおろす...私もそちら派だな。
    ミステリって何なの?って初心者から、通な人も楽しみめる小ネタが随所に散りばめられ一冊。
    さすがだ。

  • 冒頭、主人公が読んだ唯一のミステリが『砂の器』ってところでガッツリ掴まれる(笑)。予備知識なく普通のミステリかと思って読み始めたところ、ミステリ史をおさらいできるし、最後まで凝った構造になっていて、思いがけず嬉しい誤算。

  •  これがフェアかアンフェアかで、いろいろな感想がありそうだけど。
     それぞれのお話での謎解きもまぁまぁおもしろかったし、そもそものこの本の構成自体もすごいというか、こんなことを思い付いたのがすごいと思う。

  • 理解力がないだけなのかもしれんけど分かりづらい話だった

  • 「本格ミステリの定義」
    「トリック」
    「嵐の山荘」
    「密室講義」
    「アリバイ講義」
    「ダイイング・メッセージ講義」
    「意外な犯人」

    この小説の中心はミステリ講義であり、個々の話の謎は大したものではない。
    大学生の会話として読みやすさはあるのだが、ラストが面白くなかったのが、残念。

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著者プロフィール

鯨統一郎
一九九八年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。大胆な歴史解釈から、日本の常識を覆す独自の作品が話題を呼ぶ。以来、歴史だけではなく幅広い題材を用いて、次々と推理小説を発表している。著書に「喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿」シリーズ、「ハウスワーク代行・亜美の日記」シリーズ、「女子大生桜川東子の推理」シリーズ、「歴女美人探偵アルキメデス」シリーズ、『タイムメール』『女子大生つぐみと古事記の謎』『作家で十年いきのびる方法』など多数。

「2022年 『カルトからの大脱出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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