- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334740559
作品紹介・あらすじ
私のこれまでの五十年を通じて、一番印象に残っているのは、敗戦前後の飢餓時代に、たまに口にすることのできた銀シャリだった(「あとがき」より)。そう書く著者が喰べ物について心がけている唯一のことは、米とか、味噌とか、豆腐とか、日常茶飯の物をこそ吟味すること。豪快無比な人生を味わい深く彩る食の数々。口腹の悦びに満ちた名エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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今はもうほとんどないであろう町の名店の味をにくいまでに美味しそうに描写している佳作。その豊かで雑多な食の向こうから、もう見ることのできない著者の姿が沸き立ってくるたまらない一冊。
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表紙のフグの絵が目について購入
長嶋有さんの解説も、よかった。 -
読んでいるとお腹がすいてくる。つまりは名編。
カメチャブ、牛めし、モツ混ざりの肉と葱に白滝が入った汁。 -
2021年10月3日読了。
色川武大といっても、知っている人は少ないか?
阿佐田哲也と言えば知っている人も多くなるか?
色川武大は本名で、阿佐田哲也はペンネーム。
本書は「潮」に」連載されていたものを、単行本→文庫化したもの。
色川氏の食のエッセイ。
1年12か月、月ごとにその月に楽しみな食べ物を書いてある話があるのだが、私もリストアップしてみたい。
これを「個人的な食札」と言って紹介している。
1月のフグから始まり、12月の大根で終わる。俊が重なるときは苦労して考えているらしい。
自由な人で、豪快な方だったんだろうね。
文中からもうかがい知れる。 -
そうそう、ふと思いついたけど、浅田次郎さん、と似ているね。底のほうに温かさが流れてて、え?と思わされる逆転の発想で、それでいて決まったように最後には安心する。ね。
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グルメ本とは違うし,随筆かというとそうとも言い切れない。いわゆる食通とは違う,色川さん(阿佐田哲也)の楽しみ方や感じ方がよく分かる一冊。こういう食の楽しみ方ができるようにはなれないだろうな。
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気楽に読むのに最高。現存する店もいくつかあって楽しい。ものを喰うということに対する著者の姿勢に共感。手元に置いといて数年に一度読み返すだろうな。古びないよね、この手のエッセイは。
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色川武大の好物「ふりかけ」には…ぷっ!
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どれもめちゃめちゃおいしそう。
高級なものとかひねてるようなものじゃなくて素朴で安価なものばかりだけど色川氏の「喰いたい」意思の強さがにじみ出て来てる。 -
武田百合子のエッセイで名前が出てきた人、
そして佐藤愛子のエッセイにも登場。
この本の中にはいろいろな食べ物が出てくるけど
梅むらの豆かんとショコラティエ・エリカのチョコレートを
食べに行きたいなと思った。
でも動けないほど食べ続ける姿は…飽食の罪?