琥珀枕 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334741556

感想・レビュー・書評

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  • 「東海郡藍陵県の県令の一人息子、趙昭之の塾師はすっぽんの徐庚先生である。」という始まりからして面白くて、一気に物語に引き込まれた。
    中国の変わった人物や化物が出てくる話で、当の主人公はあまり関わらず、徐先生と共に騒動を見ているといった進行役。しかし、そんな中でも最終的には主人公の成長が描かれている。上手い流れだと思った。面白かったので、その後も読んでみたいところ…

  • 三浦しをんの「三四郎はそれから門を出た」で紹介されてた本。いにしえの中国を舞台とした連作短編で、芥川龍之介や中島敦に繋がるテイストの伝奇物語。

    藍陵県の県令の息子、趙昭之は、すっぽんの妖怪、徐庚先生に伴われて日々、丘の中腹にある亭(香山の照月亭)から県城を眺め、魑魅魍魎が引き起こす出来事を次々観察する。

    「太清丹」、「飢渇」、「唾壺」、「妬忌津」、「琥珀枕」、「双犀犬」、「明鏡井」の七編。オチは今一の感じもするが、この独特の雰囲気はたまらない。

  • 設定こそ昔の中国で、珍しいガジェット満載で読み物としては充分に面白いが、謎解き要素はだいぶプチw。
    不老不死薬騒動より赤蛭を身の内に飼う男と己の欲望に率直過ぎる娘が不気味な「太清丹」、消渇患いの幽鬼(妖怪にひだる神⁉️w)よりもカリバニズムよりも堕胎薬さえ厭わない後宮の閨寵争いがエグい「飢渇」、ポーの「盗まれた手紙」もどきの探し物ミステリ仕立ての「唾壺」、美女の人面瘡との睦み合いが何とも艶かしい「妬忌津」、スッポン先生の出自絡みの「琥珀枕」、昭之の両親の馴れ初め語りの「双犀犬」、そして最終話はおあとが宜しいビルドゥングスロマンの「明鏡井」。

  • 初めはすっぽんの徐庚先生と弟子の昭之が妖怪や怪異の関わる事件を眺めている、中華ミステリか?琥珀枕からの流れは、最後に向かってきれいに流れていき、面白かった。お父さんいろんな意味でイケメン。
    面白かったが、中華風の名前は覚えにくく、時間をあけてよむと登場人物がごっちゃになってしまうので参った。

  • 藍陵の県令の一人息子、趙昭之の先生は実は何百年も生きたすっぽんの妖怪!
    普段は古井戸に住んでいて、陸に上がると老人に化身する。
    何でも知っている先生は、今日も香山の上から城市を眺めつつ、昭之に市井の人々の暮らしぶりを教えてくれる。
    人の世の不思議、喜びと悲しみを学んで、昭之少年は成長するのです。
    謎と怪異に満ちた7つのお話を収録。

    妖と人間が共存し、不思議が満ちた世界でおこるいくつかの事件。
    そこから大切な事を学んてゆく昭之の様子がかわいらしい。
    先生もいい味出してます。伊達に長生きしてません。
    読後感も良く、秋の夜長のお供にぴったりのチャイニーズファンタジー。

  • なんだか既視感を覚える。だからこそ安心して読めはする、けれど一気に何篇も読むのは疲れるな。

  • 随分前に読もうと思い、ほっといた小説です。著者は、薬学出身というだけあり昔々の中国が舞台ですが、様々な薬の使い方、人間の本性、と、ちょっと、おもしろいです。ヨーダのような実はすっぽんの徐先生いいですねぇ。

  • 「琥珀枕」…何のこっちゃ?
    生き物の名前ですか?
    石のことですか?
    表紙が中国テイスト。
    好みのジャンルです。

  • 中国の怪異小説譚。
    県令の息子とすっぽん師匠の関係がとても良い。

  • 昔々の中国を舞台にした怪異譚。不死の妙薬や人肉食、人面瘡などなど怪異の味付けも面白く、狂言回しである県令の子息とすっぽんの化身の師弟コンビがそれを覗き見るという趣向も面白い。このふたりのやり取りも軽妙でいいんですな。段々面白くなってきたなと思ったら終わっていたという感じで、もっと師弟コンビを前面に出した話も読んでみたかったですね。

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