思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)

  • 4548人登録
  • 3.59評価
    • (275)
    • (530)
    • (706)
    • (86)
    • (20)
  • 509レビュー
著者 : 江國香織
  • 光文社 (2007年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334742621

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
有効な右矢印 無効な右矢印

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 雨が続く日とか、寒い冬の夜に読むのにぴったりな小説でした。
    とても個性溢れる3姉妹に最初は少し圧倒させられたけど、どの姉妹にも少しずつ、共感できる部分、自分と重ねる部分があって読みながら興味深かったです。

    そもそも本書のタイトルは、犬山家の「人はみないずれ死ぬのだから、そしてそれがいつなのかはわからないのだから、思いわずらうことなく愉しく(たのしく)生きよ」という家訓からきています。
    「楽しく」ではなく、「愉しく」。
    同じ読みだけれど少し意味が違って、前者は、心がうきうきする。後者は、心のしこりが取れて、わだかまりがない。という意味。
    今の心境がちょうどこの本を読むのにぴったりで、読んでいてすごくしっくり。

    江國さんはいつも、誰もが持っている何かしら欠けた部分、マイノリティな一面を色濃く描いてますが、不思議な程に共感できるんですよね。
    DV夫と幸せに暮らす長女も、情緒豊かながら理性と共に生きる次女も、好奇心の赴くままに生きる三女も、みんな理解できる部分があって。
    彼女たちを通して自分の中にあるものを発見できるのもおもしろいです。

    家族の結びつきが強くて、家族の危機には駆けつける彼女たち。
    みんなたぶん、きっと不器用で、恋愛に翻弄されて、でも地に足をつけて生きようとしていて。たぶんそんなところに強く共感するんでしょうね。

    私の本質は長女に近いかもしれないけど、次女のような理性を持ちたいし、三女のようにまっすぐに幸せを追いたい。
    犬山家の家訓もいいですよね。恋愛に疲れた人にもよいかもしれない。

  • 三姉妹三様の生き方だが、共通するのは、自身の幸福に貪欲なこと、恋愛に対して恐ろしくまっすぐにまじめに向き合っていること。そういう意味で、タフであること。

    なんだかものすごくわかるなあ、という箇所があるある。

    家族とか恋愛とかって、百人いれば百通りの関係ややり方があるもので、だからこそどれ一つとして異常などではありえないのかもしれない。どれほどの幅に対応できるかの度合いが人によって異なるとしても。

  • 今度NHKでドラマ化されるとのことで読みました。
    私には姉妹がいないので(弟ひとり)姉妹がいると大人になってからも楽しそうだなぁ、なんて思いながら読み進めていきました。三者三様の姉妹で個性が強く、でも憎めないですね。
    ただ、お姉さんがDV夫から逃げる決心をしたきっかけみたいなものが私にはわからなくて、唐突だったので消化不良なかんじです。
    「感動のラスト」と裏表紙の解説には書いてあったけど、感動はしませんでした。

  • のびやかに生きる姉妹3人のものがたり。

  • 個人的には何度か再読したぐらい江國香織さんにハマるきっかけになった小説。「恋愛は感情で始まるものかもしれないけど、意志がなくちゃ続けられない」という言葉がたまらなく好きです。

  • 何年かに一度読み返したくなる本。

  • 面白かった!
    三姉妹の生活が目まぐるしく書かれていて、スピード感をもって読める。

    読むと、江國香織好きだなぁとしみじみ思う。

    父親の荷物検査、信仰の対象ではないけれどキリスト関連の置物を大切にする育子、香水をふんだんに振りかけて武装する治子、幸せな主婦と見られることに安心する麻子。現実にはいない人物像でも、彼女たちの習慣にすごくリアリティがある。

  • 人間みな狂ってることをおしゃれに書いている。仲良くて魅力的な姉妹だけど、怖いよ。

  • 思いわずらうことなく愉しく生きる、と聞くと、ひどく自由奔放で苦労のないようなイメージを受けるけれど、実はそうではないという事実を知るような話でした。思いわずらうことなく愉しく生きるには、そうするだけの覚悟や、信念のような確固たる自分が必要不可欠で、同時に多くのものを失う可能性も孕んでいるということ。
    それでも、なぜ彼女たちがそんな生き方をできるかといえば、「家族」という絶対の味方がいるからなのかな。

    それぞれ全くタイプの違う女性である三姉妹の麻子・治子・郁子。
    自分は誰に一番近いだろうかと想像しながら読むのが楽しかったです。
    とはいえ、彼女たちほど思いわずらうことなく愉しく生きることは容易ではないので、「誰にも似ていない」という結論に至ったのは、私だけではないだろうと思います。

    ある種の覚悟と強い信念を持って自由奔放に生きるか、少し気持ちをゆるめて多少の煩わしさを許容するか。バランスよく生きたいと感じました。

  • 好きな一節。『喪失感は、巨大だったが、それは埋めようがないことを、治子は知っている。放っておけばいい、と治子は考えている。喪失感はただここに「在る」だけで、それに囚われたり浸ったりする必要はない』治子強いなぁ。ドラマでは、真木よう子か。ぴったりだ。

  • 家族の記憶が、温かさや煩わしさとなって、別々に生きている姉妹の基盤になっている様子は、とても微笑ましい。

    「恋愛は感情で始まるものかもしれないけど、意志がなくちゃ続けられない」「恋愛が過大評価されているってことが問題」
    「ちゃんとしたボーイフレンド」を持たない育子が、こういうことを言える正彰くんによって、恋愛を知ることができたという展開はすばらしくよかった。

  • 2011.12.04読了。

    ひさしぶりに江國さんの本。

    やっぱりあたしには登場人物の独特な口調に馴染めず。
    そして主人公の3姉妹がそれぞれ変わりすぎてて、なかなか感情移入できず。

    治子の熊木に怒る理由とか、育子の男性との付き合い方とか...
    麻子の場合はきっと実際DVな状況にならないとわかんないんだろうな。
    でももどかしかったー。

    それぞれの恋愛観を持つ3姉妹。
    女のたくましさ、強さはすごい共感。

    この3姉妹は変わりすぎではあるけど、誰だって姉妹間、家族間、恋人間、友人間で独特の世界があり、それは他人から見れば理解できないものなんだってことを改めて共感。

    決まった形なんてないし、普通はなんてことはない。

    ついつい自分の価値観で決めつけてしまいがちだけど、そう思えばもっと楽になるのかなーとか、いろいろ考えてしまった一冊。

  • なかなか魅力的な三姉妹とその両親ではあるが、誰も幸せでは無い。一番破滅的な感じで始まった育子だけに希望が残るものの、若い彼氏と型にはまった生活に入るのが幸せだろうか?とにかく魅力的でも淋しい人たち。それが思いわずらうことなく愉しく生きる事?

  • 初めて読んだとき、麻子の恐怖があまりに自分と似ていて、背筋が凍りました。
    なぜ麻子は、江國さんは、こんなに解るんだろうと。

    そして、気づかないうちに遠くにきている自分に気付いてハッとしました。
    もがきながらも、最良の状況を掴みとったと思っているので、抜け出すことなんて考えられません。
    でも、この本を読んで、いつか後戻りできなくなるかもと怖くなりました。
    DVのお話はたくさんあるけれど、こんなに寄り添って書けるのは江國さんしかいない気がします。
    私と同じ感想を持った人も結構いるのではないでしょうか。

    私も江國さんのお話の、まどろむような感じが大好きなのですが、この小説で改めて江國さんの力を感じました。
    深刻な状況が、江國さんらしくすこやかな登場人物によって、深刻になりすぎていないのが素晴らしいです。

  • 久しぶりに江國香織の小説を読んだ。

    三姉妹の感覚が、私の家と一緒だったので興味深かった。ま、我が家は犬山家ほどのびやかではないけど。

    今度ドラマ化されるみたいやけど、文章ならではの描写に身を委ねてて心地よい小説やった。

  • この人の作品、読み始める前は何となく億劫なんだけど、一度ページをめくるともうやめられなくなる。不思議。
    人は誰かに愛された経験があると、何度でもやり直せるものなんだあ。

  • 主役にこれっぽっちも共感できなかった本は初めてだわ・・・。
    どう取っ付いていいのかわからなかった。
    タイトルからして、3人姉妹がそれぞれ思いわずらっているのかと思っていたら、全然思いわずらっていなかった。
    それでも最後まで読んだのは、DVによる婚姻の継続がどうなるのか興味があったからだけの理由。
    ちっとは思いわずらって欲しい。

  • こちらも追加漏れでした。
    うん。この三姉妹にはそれぞれ共感できるところがあり、反感もあり。
    「思いわずらうことなく愉しく生きる」って、案外すっごく難しいことなのですね。

  • 久しぶりの秀作。
    三者三様の女の生き様が醜く豊かである。
    女であるということはこんなにも鮮やかでのびやかであるものか。
    作者の空気の捉え方もまた秀逸。

  • 丁度家のことで悩んでいた時に読んだ。
    最初、自分の家族にあまりに似ていて驚いた。
    悩んでいた時に出会えて、本当に良かったと思う作品。
    この本のおかげで、弱い両親を許そうと思うことが出来るようになった。
    DVなんてほとんどの人が体験しないようなことだけれども、江國さんは本当に現実に近い形で書かれている。
    彼女たちのように強く、「思いわずらうことなく愉しく生きよ」うと思った。

  • 家族 恋愛 結婚 DV 人間関係 それから、それから…


    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」
    が家訓の犬山家に育った三姉妹。
    それぞれが抱える日常生活。

    テーマは上に書いたようにすごく複雑で、重いとさえ言える。
    それでもどこか共感できて、読み切れちゃった。

    扱っているテーマがかなり重いものだったからか、
    普段読んでいる江國さんの小説とは少し色が違った気がした。
    (最近いろんな作家さんで「らしくないな」って思うこと、多いなぁ)
    でも、江國さんのエッセイを読んだあとだから、
    あぁこの本は江國さんが書いてて江國さんが詰まってるんだ…
    っていうのをすごく実感できた一冊でもあった。

    おいしいものを食べたときの幸福感とか、
    恋愛に対して妙にドライで奔放なところとか、
    自分が正しくない理由がわからない、くらいの我の強さとか。


    個人的にすごく強烈だったのは、
    結婚生活に絡むDVの問題を抱える長女の麻子の話で、
    次女の治子や三女の育子の話はそれにまつわるエピソード、
    くらいに感じるほどだった。
    DVに潜む暗さを感じさせられた。

    いつか、時間がたってから読んだら、治子や育子の話が
    もっとスッと中に入ってくるのかもしれないな。

    江國さんの小説はそういうのが多い。
    『神様のボート』 も 『薔薇の木枇杷の木檸檬の木』 も。
    時間がたって、自分の中の視点が変わったら、
    きっと話全体の見方も変わるだろうなって思わされる。


    男女が愛し合うシーンの描写がなまなましくないのも好き。
    すごくきれいでいとおしいもののように思えるから。
    慈しみ合うために必要なものなんだ、って実感できるから。

  • 想いわずらうことなく愉しく生きよっていい言葉ー。

  • 特別な雰囲気でもないのに、なんとなく気になって、どんどん読みすすんだのは江國マジックだから?

  • 兄弟って不思議だ。(私には妹がいる)
    同じ両親と、同じ(様な)DNAを持ち
    生まれた時から、同じ屋根の下で育ち
    同じ様な状況で、同じ様な時間をすごしてきても
    全然違う人間になってゆく。

    数えきれないくらい喧嘩をして
    数えきれないくらい憎んだり恨んだりしても
    やっぱりかけがえのない存在。
    愛おしくなってしまう存在だったりする。

    これは、
    思いわずらうことなく 愉しく生きようとする
    3人の姉妹の物語。

    テンポが良くて、ディティールが相変わらず
    とろりと甘くて美しい、江國さんらしい作品だと思う。
    とっても、面白かった。

  • 江國香織は姉妹が得意だなあ。「流しのしたの骨」は20代向けといった感触だったけど、こちらは読者の年齢を選ばず、読み応えあり。育子が好きでした。治子は職場に思い切り似た人がいて、閉口(苦笑)。男にはメロメロなのに、勝負には勝たないといけないとは…分裂してる。男も決して歯切れよくないし。どちらにしても、その愚かさ具合に反発と共感両方を感じる。

全509件中 1 - 25件を表示

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)を本棚に登録しているひと

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)はこんな本です

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)の単行本

ツイートする