彼女について知ることのすべて (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743345

感想・レビュー・書評

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  • 小学校の教師が愛した女には危険な人物がバックにいた。
    殺害を企てる2人、計画通りにいくのか。
    時間軸を散らし、物語に幾重もの厚い層を生み出し、
    まとめあげる構成力は抜群。
    佐藤正午の真骨頂です。
    そして肝心な、物語の肝、大切な場面で泥酔、失態。
    これもまた真骨頂。
    そこだけに関しては、そろそろ不快になってきた。
    シンプルに「飲むなや」と思う。

  • なぜだかはるか昔に読んだこの本を、まだ読んでないと勘違いして長旅•バカンスの共として持って来てしまった。。。ホテルのバーで一人開いた瞬間、すでに読んだ本であることに気づき。。。(そしてこのレビューを書いている)

    そんな風で、佐藤正午氏の、どの本も粒が揃ったように同じような印象を残してくれる「どうでもよさ、単なる暇つぶし以上でもなんでもなさ」みたいな感じか、どうしても好きなのだということに気づく。
    さて、帰りの飛行機、何を読もうか。。。

  • ーーー
    その夜わたしは人を殺しに車を走らせていた。突然、停電のため暗闇が街を襲う。そして二時間後、事件はすでにわたし抜きで起こってしまっていた。--わたしは小学校の教員。愛した女には危険な愛人がいた。ふたりで殺害計画を企てるが……。男は約束を守れなかった。女は実行した。思いがけない結末。ふたりを待つ現実。切ない「重い」が胸を打つ傑作長編。

  • 長い!ちょっと、無駄に長いと思ってしまう。淡々と物語が進むし、その上時間軸がころころ変わるのでかなり読みにくい!
    人によってはこの読みにくさを“読み応え”ととる人もいるのかもしれないけれど、僕にとっては単に読みにくいというだけのことでした。

    そもそも、この主人公。
    だめな男過ぎる。
    人の親切や気持ちを考えようともせず、
    自分の保身を一番に考え、
    小心者で、
    トラブルが起きても現実からは逃げ回るばかり。
    そのくせ要らない事をグダグダ思い巡らせてばかりいる。
    何ともすっきりしないやつ。

    これだけの物語をずっとこの男の視点から読み進めてきて、好感を持てる部分がひとつも見つからないとか。なかなか無い事と思いますけどね。

    ただ、
    個人的にはさもすれば自分もこの主人公になり兼ねないなと思わされる事もあり、その度にほろ苦い気分を味わいながら読了しました。

  • うーーーん。
    類は友を呼ぶ?みたいな、ちょっとはっきりしない人ばっかり出てくるなーと。
    佐藤正午作品の中ではあまり好きではないかも。

  • 場面がコロコロと変わりすぎて、読んでいて難しかった。

    読みにくさもあってか、何となくスッキリしないな

  • ダメ人間しか出てこない本(- -

    もの凄く些末な心象や情景の描写を折り重ね
    壮大な詩でありレクイエムでもある作品に仕上げてある。
    ただし(わざと)時間軸を一度バラバラに解体し、
    それを思い出すままに、といった感じで
    再構築してあるので、とても難解な印象を受ける。

    リアルという意味では、この上なくリアル。
    記憶の断片が「泡のように」浮かんでは消える感じが
    よく表されているし、伝わってくる。
    そして、それだけに読むものに不安感を抱かせる。

    一応「ミステリ」に分類してはみたが、
    純粋な謎解きという「いわゆる」ミステリではない。
    殺人事件も起こりはするが、それは実は主眼ではないし。

    読むものを捉えて放さない不思議な力を秘めているが、
    好きかと問われたら、あまり好きな方ではないなぁ...
    私はもっと「エンタテインメント」が好きなので...

  • 最初の一行が衝撃的で引き込まれたけど、読み終わってみるとなんかスッキリしないなー。

  • 佐藤正午の恋愛小説ということになるが、物語はミステリー調で進められる。いきなり殺人を感じさせる出だしの中で謎が解き明かされないまま、時間や人物関係が錯綜するような書き方に少々戸惑う。人物を男とか女とか人間関係を特定させない表現などはこの小説の書き方の味なのだろうが、少々長くなってきて最後は疲れてしまった。商業的に失敗したと他の本の解説にあったが、正しく評価されていないのかも。もう一度落ち着いて読み直すべきかも知れない。

  • ちょっと難し過ぎた。
    小さな歯車が、たくさん噛み合ってる、精密機械のような感じ。
    時間軸、環境、心模様など、様々なものが入り乱れたり、被さったり...
    再読するのが最適な作品のようだが、私は一回しか読まない主義なので...

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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