セイジ (光文社文庫 つ 13-4)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744571

感想・レビュー・書評

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  • なんて生きにくい人なんだろう。彼は、生まれてくる時代を間違えてきてしまったんだろう。
    苦しくなる話だったけど、最後は救われた…かな?

  • 「・・・・・だって、私、神様を目の前で見たんだもの。」

    他人の痛みを共有するということ。
    無骨で不器用な男・セイジがした行為。

    救い―――必ずしも光射すとは限らない。
    慟哭から立ち上がるのは自分の足で、なんてことは解ってる。

    作者が優しいんだと思う。
    不器用な人間に。
    敗者に。
    ドロップアウトした人間に。
    乗り損なった人間に。
    そして、勇気がなかった人間に。

    そう書いてる俺様もきっと勇気がない敗者のひとりです。

  • 映画を観て原作が気になり読んでみました。
    エピソードが絞られている分セイジの言葉が意外に多く、映画のセイジより人間らしく感じられた。強烈なエピソードだけど、セイジがカミサマだったことに救いがありました。
    辻内さんの作品は初めて読んだけれど、もう一つの作品も含めて人間社会に順応できないヒトを描くその視線がすごいと思う。

  • 不器用なセイジを、大学生の主人公の目線から描くのだが
    純粋で感じすぎるほどに感じすぎるセイジが、他人の理不尽な運命に対して起こす行動にクライマックスが描かれる

    小説というのは、書けそうな小説、書けそうで書けない小説だとか
    読んでいろいろ思うのだが、このストーリーは思いつかない部類
    奇妙奇天烈な話ではないのに、視点が独特で心に来る

    今、自分が世界と折り合って生きているんだ。などと
    青臭いことを感じる一冊

  • ぼんやりした話しだった。汲み取れないだけ、かな。

  • 淡々と流れるなかの鮮烈なシーン。
    文字を追うだけでは、読みこなせない文字数そのものよりも心にずっしりきた。

    『奇蹟』がそう簡単に(決して簡単なシーンではないが…)起こるとは思えないけれど、その一瞬以上のものを感じ、絶対忘れられないなと思った。

    竜二と高志なの関係、言葉なしなのが心に沁みる。

  • 神様が誰かを救う話と、人間が人間を救う話だと感じました。

  • 2017/12月
    辻内さんは自分と似た生に対する探求心をもっているというかその境遇におかれているような気がして
    セイジも竜二も
    生の本質に迫る気がします

  • 短編2編、セイジと竜二。
    どちらも、この世界で生きにくいタイプの人が、結果その人なりのやり方で人を救ったという展開。

    何かが起こるよ、と期待させる書き方に疑問を持ったり、ひっきりなしに登場する喫煙シーンだったりが、あまり好みではなかったです。

    うーん。
    私には合わなかったかも。
    残念です。

  • そこにあるものをそのまま受け取るしかない、そんな印象が残る一冊でした。



    なんで、とかそういう感じではなく、あぁそうなんだ、という感じ。



    鈍感フィルターを多くのにんげんが持ってるけど、それがしあわせなのか、ふしあわせなのか。

    読み終わると何とも言えない余韻が残ります。

    陸の魚とはうまい表現やけど、くるしいです。



    というのが一回目の感想。



    二回目読むとちょっと違うく見えました。

    動物のくだりは好きだけど、単なるロマンチストにも見える。

    ちょっとみんなセイジを神様扱いしすぎなのが気になる。

    そこで線を引いちゃうから、セイジが遠くにいるんじゃなくてまわりの人間が違うくさせてるだけで。



    竜二に関しては、ただの甘えたチャンなだけやん、でした。

    辻内さんの文章ちょっと苦手(笑)

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