存亡 (光文社文庫 か 1-101 門田泰明作品全集)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745110

感想・レビュー・書評

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  • 陸上自衛隊最強の「打撃作戦小隊」が活動している様は迫力があり、神保五郎の強さが格好よい。その精神を受け継いた若者が育っている余韻を残し物語は終わる。日本国防の貧弱さ、日本占領の危機が描かれている。

  • この作家さん、相当頭に来てんだろうなぁ、日本の平和ボケに。物語の最初はハリウッド映画並みに眠たげな展開で、これこの一冊で収まるの?って心配したけど、後半からは面白うように急展開。そして作者の怒り爆発とばかりに専守防衛をあざ笑うが如し、次々と日本の要所が落されていくのは日本国民として情けないよりももう笑うしかない。自衛隊の個々の能力が優れているのは他の記事などでも知っているが、日本国としての枷を課せられている限りはその能力も半減以下でこの物語の展開もあながち無いとも言えないのがいい。
    防衛大臣があまりに不甲斐なく、最後に殺されたと知ってスッとした(笑)。
    まぁ、一冊で収まる事なくあー、こういうオチねと納得せざるを得なかったが、これにオチを付けるといろいろ問題が山積み過ぎて生々しくなるのでアレくらいがちょうどいいのかもしれない。

  • 日本という国家は、大戦後70年平和を享受してきた。その平和は、勿論日本国憲法によるものであるし、日米安保条約による米国の後ろ盾によるところも大と言わざるを得ない。また、この平和は、勤勉な国民性をして経済大国に日本を押し上げ、先の戦勝国の仲間入りに近いところまで国体を押し上げてきたと言っても過言とは言えないだろう。一方、この平和は甘美な副作用があり、危機管理に対する感性を著しく鈍くし、いわゆる平和ボケという現象を出来させた。著者によるところのヘロヘロ国家の出現である。多くの日本の作家達がこのテーマに取り組み、警鐘を盛んに鳴らしているが隣国にへり下るのが国家の習い性と言わんばかりに国家としてのプライドをいとも簡単に捨て去ることを良しとする一部のメディアなどの喧伝もあり国家の危機管理を正面から議論することも中々出来なかったのもまた事実と言えよう。近年、日本を取り巻く国際環境は大きく変化し、遂に北朝鮮は核と中距離ミサイルを持つに至った。また、一帯一路政策により南シナ海と東シナ海において軍事プレゼンスを高めてきた中国は、二隻目となる空母がやがて就航し、いよいよ太平洋への進出に本腰を入れてくるであろう。冷戦構造の際は、共産国家と日本の間にあり、緩衝器として機能してきた韓国は、中国とアメリカの間で危険なコウモリ外交を続け、国際的な信頼を失った。現政権も御多分にもれず、公私混同の嫌疑がかけられ現職大統領が起訴される事態となっており、完全なレームダック状態となった。仮に北朝鮮からの挑戦があった場合は非常に難しい状況になることは火を見るよりも明らかである。
    このような近隣国家の状況のなか、門田氏は読者に問いかける。もし、本気で日本に挑戦する国家があれば、日本はその挑戦を堂々と跳ね返すことができる国なのだろうか?日本のシビリアンコントロールは有事の際にしっかりと機能して国家を守ることが出来るのか。いつ、小説のような事案が起こらないとは限らないのである。

  • 2013.4.1 たまたま本屋で平積されているのが目に入る。
    昔、夢中で読んだ黒豹シリーズを思い出して、読んでみたくなった。

  • 映画を観ているような臨場感のある作品。男気のある自衛隊の隠密部隊が主役。敦賀の原発が乗っ取られる風のストーリーはよくあるし、結末も似たり寄ったりだが、この作品は国を守る隊員達にスポットが当てられ悲しい結末に終わっている。血が血を呼ぶような激闘のすえ、命をかけて戦い抜きそして日本を守った。実際に起こったとしたら大変な事態になるだろう。そういう観点からは恐怖だ。自衛隊、官邸の仕組みも細かく書かれていて良かった。

  • 叔父からもらったので読みました。
    電車の中で暇だったそうで・・・。


    国防・自衛隊・・・私にとっては読んだことのないジャンルの本です。
    日本がいかに国家が弱く、自国を守ることすらできない国であるかを、思い知らされます。
    まあ、フィクションなのでどこまでが本当なのかはわからないけど。
    福井と柏崎の原発が占拠されたりして、
    領海内で艦隊が襲われたりと、なんだか本当にありそうで怖い。
    そのときに実際に動ける部隊って・・・・・・・・( ゚Д゚)
    あぁ怖い怖い><






    でもね。このお話は思想が偏りすぎです。
    過激すぎます。

    そして、中途半端に終わりすぎです。
    続きはどうなったの!?

  • 陸上自衛隊中央即応集団に属する自衛官を主役にした小説。
    主役の所属から想像がつく通り、
    某国工作員による攻撃に対処していくという話。

    なんか、ちょっと微妙なんですよね。
    テーマとか、そのリアリティなんかは良いんですけど、
    内容的に深掘りが足りない感じがします。

    それと、結末が・・・。恐らく、読者に結末を委ねている
    という事なんだと思いますが、なんか、イマイチな結末です。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。1980年作家デビュー。特命武装検事・黒木豹介シリーズは大ベストセラーに。2004年に発表した『大江戸剣花帳 上・下』以来、「門田泰明時代劇場」を続々と刊行し、「浮世絵宗次」シリーズ、「拵屋銀次郎」シリーズ等、いずれもベストセラーに。

「2023年 『日暮坂 右肘斬し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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