現実入門: ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫 ほ 5-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745486

作品紹介・あらすじ

結婚も離婚もしたことがなく、独り暮らしをしたこともない。キャバクラにも海外旅行にも行ったことがない。そんな「極端に臆病で怠惰で好奇心がない性格」のほむらさん・四十二歳が、必死の思いで数々の「現実」に立ち向かう。献血、モデルルーム見学、占い、合コン、はとバスツアー…。経験値をあげたほむらさんが最後に挑むのは!?「虚虚実実」痛快エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「経験値」をあげるために、穂村弘さんが初めての体験を繰り広げます

    美人編集者のサクマさんと

    42歳の「経験値」の低い穂村さんに、最後は
    やられたーー と騙される、面白すぎる本です!
    疲れて、脳を休ませたい時におすすめですよ

  • 文庫で再読です。
    「現実」の経験値が低いほむらさんが、敏腕編集者のサクマさんとともに様々な「現実」を体験していくエッセイ。

    献血に競馬、占いにはとバスツアーなど、未体験の「現実」に飛び込んでいくほむらさん。
    そして最終章で「!」とさせられ、あとがきで「!?」とさせられます。
    どこからどこまでが現実で、どこからが非現実なのか、今回は見極めてやろうと思いながら読んでいたのに、結局ほむらさんの思うつぼにはまっているのです。

    江國香織さんのあとがきが、さらに味わい深い余韻を残してくれます。
    「落とし穴には落ちてみるべきだと私は思う」という言葉に激しく共感。
    そして、落ちてみたくなる落とし穴を掘ることができる、ほむらさんの魅力にやられてしまいます。

  • カフカの人生論のなかで紹介されてて 気になっている作家さんだったから嬉々として買いに行った
    めちゃくちゃすき 私も人生の経験がなくて生活がこわいからわかる安心する やわらかい言葉の表現がかわいくてずっと読んでたい

  • これは穂村さんが独身時代のエッセイかぁ…
    あれ?もしかしてこの女性編集者と?
    やっぱりそうだよねー!
    えっ!待って、結構本気で現実的。
    え、え、え、えーーーー!?

    現実か虚言か、
    存在するのかしないのか、
    体験したことあるのかないのか、
    もう訳わからず楽しかったです。

  • 生活が下手な著者が様々なことに挑戦するエッセイ。当たり前の現実の中に子供のような素直な目線の著者が思ってもみない角度で見ている姿に笑いを誘われる。虚虚実実エッセイというのがうなづけるような仕掛けもあった。

  • 解説江國香織、同感です!

  •  これはエッセーでもあり、私小説でもある。ちゃんと最後にはオチがある。彼には独特の比喩がある。またそれがユーモアに通じるのだ。クスクスさせる笑いがあって読者を楽しませてくれるのだ。

     一人っ子で気のクスクスさせる笑いあって楽しませて、「決意や決断というものを極力避けて生きてき」た主人公は、未だかつて経験してこなかった「経験値リスト」の中の項目を女性文芸編集者と共に体験することになる。極めて現実経験値の低い彼は人の生きてきた時間の痕跡を読みとることがきわめて難しいのだ。

     献血や、ブライダルフェスタ、健康ランド、ホルダー心電図、一日おじさん、競馬、大相撲体験。それらを面白くユーモアを交えながら描写していく。現実体験が不足しているとはいえ、視点を変えれば感受性豊だからこそ見えてくるものがある。だから6回も増刷され多くの読者に受け入れられているのだ。

     妄想に近い擬似体験から現実体験を通して、感じるのは

    「現実だな、と私は思う。現実って感じだ。」

    「現実感」というものをその感覚を描いたものだったような気がする。

  • 穂村さ~ん。また笑ってしまったよ。
    ほっこりすることもあったりで。

    サクマさんと一緒に、初めて体験日記として、いろんなことに挑むお話。サクマさんへの淡い恋心からくる妄想暴走がとまらない。

    ホムホムワールド、たまに気色悪いものが混じっているけど、これなら、友人にも安心しておすすめできるかなぁ

  • 穂村さんの脳内おしゃべりが面白くて、によによしちゃう。
    人生の経験値って考えると、私も多くのことを体験していない。やりたい!気になる!と思ってもやらない方の理由をうだうだ並べて結局経験せず。みたいなことがよくある。
    歳を重ねるにつれ、良くも悪くも経験することが大切だと、経験がその人を作っていくなと思うようになった。
    深みが生まれるというか、引き出しが多いというか。
    臆せず経験値積んでレベル上げしていきたいなって。勇気?やる気?穂村さんがやってるなら私も...(ヨイショ)みたいな気持ちになった。

    個人的にとてもビッ!!!ときた文があった

    誰かが幸福になったからといって、そのせいで僕が不幸になるわけではない。
    私が私自身の手で私を幸せにしなくては、誰も助けてはくれないのだ。

    他人と比べることも、他人に幸せを委ねることもしてはいけない。結局は自分で生きていくしかないんだ。

  • ほむほむのエッセイの中で最初に読んだのはこれだった気がする。それからほぼ全冊買い揃えた。私の中では歌人ではなくエッセイスト。テレビで見かけるようになってから、割と普通の人なのかーと思うようになってしまったけど、エッセイを読む限りでは結構な変な人である。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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