- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334745820
感想・レビュー・書評
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勝手にタイトルからもっと爽やかな展開を想像してたが
暗いしジメジメナヨナヨしてて読んでいて辛い。
勘違いした自分が悪いとはいえあの時、別の本を選んでいたら有意義な時間を過ごす事ができて…それがきっかけで素敵な出会いがあったかもしれないし…最悪なにも読まなくても別の新しい趣味が見つかったかもしれないし…あーだこーだうんぬんかんぬんetc…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
銀行を辞めて,日々これじゃないと思いつつもタクシードライバをしている中年男の話。
中盤までは「元銀行員で~」「銀行の頃は~」と連発して,正直一番嫌いなタイプの主人公だったが,終わりは安心の荻原浩クオリティ。
おっさんにエネルギィを与えてくれる。 -
今を肯定したい時
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“人生は偶然でなりたっている”
そう呟く主人公の牧村は、入社以来初めて上司に逆らったことをきっかけに銀行を退職し、タクシー会社に勤めることになった。
タクシーの営業成績も偶然に左右される。
もし1台前のお客さんを乗せていたなら?
もしその交差点を左折していたなら?
自分の人生を貶める牧村は、学生時代の恋人の自宅近くにタクシーを止め、妄想をはじめる。
もし、銀行ではなく、出版社に入社していたら?
もし、妻ではなく、学生時代の恋人と結婚していたら?
上手くいかない時に、誰しも想像する仮定の世界。
でも、どんな道を通っても、その道はデコボコ道であり、妄想するような直線道路ではない。
今の場所が自分の望んでいた場所と違っても、これまで通ってきた道は、自分自身の手で開拓してきた愛おしい道。
人生をやり直すとしたら、過去に歩んできた一地点ではなく、
今、自分が存在するこの場所からなんだ。
そんな暖かな、そして、ささやかな勇気をくれる一冊。 -
誰だってあの日に、あの頃に戻れたら...って思うことはあるけど結局あの時があったから今がある。
タクシーあんまり使わないけど面白く読めた。 -
荻原さんの本、安定したおもしろさだわー。
なんかほっとする。
登場人物が普通っぽくて、ダメなとこあって。でも、それでいいじゃんて流れなのがいいわ。
この小説ではタクシー運転手に転職して、人生いろいろうまくいかない人が主人公。
現実逃避しちゃったり、たられば論ばっかりするけど、なんだかんだ自分なりの幸せを見っけてく。 -
エリートからの転落、人生の選択肢を誤ったと現実を認められずにいる主人公。今の仕事がうまくいかないのは自分のせいじゃない。俺がこんな場所にいてやってるんだ。はやく誰か連れ出してくれ。
過去を思う時にたらればはつきものだがたらればの世界に浸かり現実を蔑ろにした先には更なる暗雲が立ち込める。どんな状況にあっても自分を認めそこで闘うことができるということはなんと幸福なことだろう。
ラストはすっきりし、私も頑張るか、という気持ちにさせてくれた。