辞めない理由 (光文社文庫 あ 50-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334746704

感想・レビュー・書評

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  • ワーキングマザーの和美が会社での立場を追われ、吹き溜まりのような部署に飛ばされるが、そこでいろいろな人の協力を得て巻き返す、という王道ストーリー。
    仕事と同時に小学生の娘の問題なども発覚するなど、現実にありそうな不幸展開。
    それだけに後半の巻き返しを読んでいて爽快感に浸れる。

  • いつまでたっても、ワーキングマザーを取り巻く環境は変わらないんだな、と思う。独身、男性などにとっては、おそらく遠い世界の出来事だろう。
    「そんなに大変ならやめればいいのに」「なんでそんなにムキになって働くの?」どうして母親になった人だけがそんなことを言われなくてはいけないんだろうな。
    雑誌編集の世界は、さすがに経験者だけあって、非常に詳しく書いてあって興味深い。新雑誌創刊のいきさつは、多少ドラマチックに作ってあるけど、でもこういうことも絶対ないわけではないだろうし、この展開で、「新雑誌惨敗」では読む気も失せる。
    それでなくても、ワーキングマザーは大変そうだと思ってしまう設定なのだから、せめて仕事(それも自分が好きな仕事)くらいはうまくいってほしい、というのは読者の願いでもある。
    ジェンダーとか役割神話というのは本当に根深い桎梏だと思う。

  • 最後はうまく行き過ぎとも思うが、後味悪いよりもずっといい。

  • 最初は主人公が受ける理不尽な降格人事とイジメとも思えるメンバーの扱い、夫の無理解などに嫌な気持ちになります。新しい部署では雑誌立ち上げが軌道に乗り出すと、「こんなにうまくいかないだろう」と思うほど新しい仲間の意外な人脈やラッキーが重なりますが、作品の中で言われていた「リアルばかりじゃ苦しくなる」ってのはこういう事なんだな、と思わせられます。
    一見、子供との何気ないエピソードだと思われていたのが意外なところに繋がる伏線だったり、デビュー作だったらしいけどさすが碧野圭だなって思わせられます。

  • 昔の自分を重ねて読んだ部分もあったし、ちょっぴり羨ましくも感じながら読んだ。

  • 一気に読んでしましました。こんなにうまくいくことはないでしょう〜とツッコミを入れたくなる部分はありましたが、スピード感があって、まとまっていて、面白かったです。仕事と子育ての両立で、余裕がなく、自分はこれだけやっているんだからと、他者を責める気持ちが勝っていた主人公の和美が、新しい部署で再生して、もと同僚や部下を凌駕していくさまは、痛快でした。

  • ワーキングマザーの主人公が、
    職場での人間関係のせいで失脚し、子育てとの両立に悩まされながら仕事で成功していく話。
    子どもがもう小学生の設定だったから、
    自分と少し立場が違ったけど、
    参考になることとか、共感できそうなことがたくさんあった。
    ストーリーとしても面白かったし、これから育児と仕事を両立させないといけない人が増えていく世の中になるから、こういう題材の本が増えてくれればいいなぁと思う。

  • 読んだのにレビュー漏れを発見。
    残念ながら特に印象に残っていません...

  • 男性は無条件に「男は働き、女は子育て」と思ってる。21世紀になっても変わらない…

  • 出版社で雑誌編集をしているワーキングマザーの話。

    リアルな働く子持ち女性が描かれていて、高校生に将来を考えさせるのにも良い小説だと思う。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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