田村はまだか (光文社文庫 あ 53-1)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334748692

作品紹介・あらすじ

深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。'09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。

感想・レビュー・書評

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  • R3.2.11 読了。

     背表紙の「そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。」の一言にすごく期待していた。読みやすかったが、最後まで感情移入できなかった。表紙絵はたぶんバーのマスターかな。

    ・「勇ましい気持ち。これが笑えるうちは、だいじょうぶ。自分たちをまだ信じられる。痛いところもあるけれど、だいじょうぶ。意識しないようにしてた、そこのところを、ちゃんと意識して、でも、やるんだよ、って気持ち。いろいろあることを見せないようにして、『がんばれ』とか『そばにいるよ』とか、誰でも言える、誰にでも通じる、取り替え可能な、ただの甘いせりふではない。たんなる励ましではない。苦い。痛い。でも、それは、わたしが、しっかり抱えていくべきことなのだ。」
    …(解説より)

  • 小学校のクラス会に40過ぎて行くんだな~。
    やっぱ東京と地方は違うんだな。
    小中で一緒っだった連中とは地元で行き合った時に立ち話するくらいかな。
    までも、物語としては楽しめた。

    作品紹介・あらすじ------------------------------
    深夜のバー。小学校のクラス会三次会。男女五人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。'09年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。

  • 同じ場所にいる人たちの
    心の中、頭の中を覗くような物語。

    ▶︎読んでほしい人
    同窓会へ行くかどうか迷ってる人

    ▶︎きっかけ
    一万円選書にリストアップされていたから。

  • 日経新聞か何かの書評でこの本を知り、手に取った。「田村はまだか」という題名が秀逸だとの主張に興味をそそられたのが、きっかけだった。
    内容から推測すると、おそらく初めから、またはかなり早い段階でこの本の題名を決めていたのだと思う。到着しない田村君を媒介としたストーリーが、淡々と進んでいく。書評でなく、本屋の本棚でこの本を見つけたとしても、やっぱり買ってたんだろうなぁ、きっと。

  • 面白い。迷ったけど星5つ。
    そもそも、タイトルと装丁と設定でもう、やられてしまっていた。
    読んでガッカリしたらどうしようと思ったけど、そんなことはなく、次々と繰り出されるエピソードを、僕も田村を待ちながら読んだ。僕と同じように、多くの読者が田村を待ちながら読んだことだろう。

    登場人物は全員、元こども。中年になった今を描写する言葉たちは辛辣で、決して順風満帆ではない現実を受け止める感情は、それは諦めだったり、達観だったり、未整理の感情だったりするけれど、それもこれも、「田村はまだか」というフレーズに集約されて、エピソードの最後には少しだけ救われていく。見事だ。

    田村は来なかった、というエンディングだと予想していたが、裏切られた。予想外の重たい、しかし力強い結末で、作品全体が引き締まり、ただの愉快な小説ではなくなっているところも見事。

    マスターの字がきたないところも、見事。

  • 一万円選書の岩田 徹さんが紹介していた本

    自分では手に取らなかったとおもう本に出遭えたことは
    岩田さんに感謝しかない。

    小学生のクラス会
    三次会まで残った数人が
    卒業ぶりに参加する予定の田村君が
    交通事情により遅れてくるのを待っているという設定。

    まずは田村君の人となり・・そして印象的な出来事を回想。
    (マスターの想像や、話を聞きかじった同窓生の印象も面白い)
    昔と現在を織り交ぜながら、今まで生きてきて、
    それぞれの成長や問題、心の葛藤、喜び、現状など
    一章ずつ一人ひとりをフォーカスしながら、
    話が進んでいく。(マスターも含む)
    「田村はまだか?」で毎回一章が締めくくられている感じも好き。

    だけど、田村君が来ない最後の展開はあまりお好みじゃなかったかな。

    ものがたりの締めくくりは清々しい感じに終わってよかったです。
    小学校の同窓会やっているのかな。みんなどうしているのかな。

  • 同級生が集まって二次会で田村を待つという状況での連作短編集。

    登場人物がなかなかに魅力的じゃなくてとまどいました。アラフォーという若くも年寄りでもない中途半端な年齢のせいかな。
    田村の子供時代の話が一番よかったし、なかなか現れない田村が結局一番魅力のある人物です。

  • 田村はまだか?と思いつつ、おぉーい!田村!どうした??って読み手の私もみんなと一緒に待ち続けちゃいました。新感覚。

    • kuroayameさん
      以前ラジオで紹介されていたのですが、もう気になっていた本でしたので、レビューを拝見させていただきとてもうれしかったです。
      ありがとうございま...
      以前ラジオで紹介されていたのですが、もう気になっていた本でしたので、レビューを拝見させていただきとてもうれしかったです。
      ありがとうございました★。
      新感覚ということで、私も是非その感覚を味わってみたいです♪。
      2012/11/21
    • bugnebuly@(o^^o)さん
      是非、田村を待って下さい!
      是非、田村を待って下さい!
      2012/11/27
  • 不思議な小説、大人な小説。
    大人って案外「大人」じゃないんだなって思います。

    句読点の打ち方がとても好きです。

  • 題名からして、何か気になる本
    読み出したらワールドに引き込まれるように、あっという間に読み終わってしまった

    壮大な舞台ではない
    こじんまりしたバーの中で、同窓会の後の5人とマスターが田村を待つ

    待つ間に本名が明らかになっていくのが面白かった
    田村は来ないんじゃないのか、、来なさすぎと思ってから、引き込まれ度が上がりました

    二瓶さんのキャラが良かったです!

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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