- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334749538
作品紹介・あらすじ
両開きのドアを押して入るとカウンターがある。そこは西部劇の酒場…ではなく図書室だった。桜ヶ丘高校の図書部員・望美は今日も朝一番に部室へ行く。そこには不機嫌な頼子、柔道部と掛け持ちの幸治など様々な面々が揃っている。決して事件は起こらない。でも、高校生だからこその悩み、友情、そして恋-すべてが詰まった話題の不可資議学園小説が文庫化。
感想・レビュー・書評
-
他者を見て、ということ。
自分を見る、ということ。
いな、気にしない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中学生の時に読んでめちゃくちゃ好きだった本。
入手してもう一度読み直す。
こういう人、いる。そして部内で流行もあり、頻繁に変わる。わかる。
望美の精神というかテンションというか、当時の私も今の私もなんだか彼女と波長があっている。だから余計に好き。
登場人物全員魅力的だけどナス先輩、部長、頼子はもう合戦モノ。
みんなこの3人の誰かしら好きでしょ。
私は片岡哲生も好き。樫尾もいいな〜!選べん! -
図書部員さんのお話
-
最近好きになった長嶋有さんの作品。
猛スピードで母は、夕子ちゃんの近道、に続き読了。
今まで読んだ作品と少し毛色が違った本作。
んー、正直前の作品の方が好きだったかなぁ…
最後までこの「摩訶不思議学園モノ」っていう楽しみ方というか、読み方というか…イマイチこうノリが分からず終わってしまった感があったかなぁ…
コレ掴めないの自分だけ?って感じもしたので、他の方の感想とか逆に楽しみかも知れない。
とはいえ、ちょくちょく出てくるセンス溢れるフレーズは健在でした(´∀`)
せっかくハマる予感がした作家さんなので、あの時のトキメキを信じて、もう一冊別の作品も読んでみようかな…( ̄∇ ̄)
<印象に残った言葉>
・「その程度でしたか。いや……お手間をとらせました」では失礼。(カランカラン)とは笑わなかったが、意気揚々とひきあげようとする男を頼子は呼び止めた。「あんたのも、みせてみなさいよ!」威勢のいい言葉に、えっと思う。頼子は突然発生したようにみえる「価値観」に対し、もとよりプライドがあったのか。(P94)
・しかし男は容赦がない。近づきざま昇竜拳!昇竜拳!そして竜巻旋風脚!……You win!そして着地。(P115)
・十代を正しく無為に過ごし、二十代はいろいろ面白いぐらいに間違えました。遅れてやってきた自意識と戦い、さまざまなハラスメントを鈍感さで乗り切ったところで三十代。読み、書くことで世界を知り、受賞したことで、今後なにが起きても自分は勝ちだと思えるようになった。自分の出会ったすべての異性に感謝。あ、同性にも!(P130)
・我々人類はこれ以降ずっと、寝て暮らす、そう、寝人間になるのだ!(P180)
・啖呵は切ったもの勝ち。うるせえ、俺はおまえが嫌いだ!って。無茶苦茶だ。論議にならない。でも、タイミングよく言い放ったもの勝ち。この世界はときどき、いや、ときどきじゃなくてしばしば、正しい方ではなくて格好いい方が勝つんだってこと、望美はもう知っていた。なぜ知っているのかも、もちろん分かっていた。(P217)
<内容(「Amazon」より)>
両開きのドアを押して入るとカウンターがある。そこは西部劇の酒場…ではなく図書室だった。桜ヶ丘高校の図書部員・望美は今日も朝一番に部室へ行く。そこには不機嫌な頼子、柔道部と掛け持ちの幸治など様々な面々が揃っている。決して事件は起こらない。でも、高校生だからこその悩み、友情、そして恋―すべてが詰まった話題の不可資議学園小説が文庫化。 -
終わりがないように続くような文体が苦手だけれど、ああ、と感嘆してしまうような、高校生のときにしか出会えない風景を思い出させるキラキラした言葉がたくさん出てくる。
-
ちょっとここで純文学に行くか?でもちょっと重いなと思って手にとったのがこれ。図書館大好きな高校生の青春(?)小説、若干純文学。
図書部員の中山望美は、毎日図書館の裏の図書部の部室に入り浸っていた。そこでは高校のマイナー部活の例に漏れず、部室でとりとめのない話あり、夢を語ることあり、自作の小説ありの日常が繰り広げられている。
ということで、日常系小説とでもいうか、小さな事件が起こる普通の日々を、望美の感情とともにダラダラと綴られている。「〇〇じゃないか、とは言わなかった」なんていう、普通の小説に慣れている読者にとっては、何だよう、なにもないなら書かなくて良いようというような表現が最初から最後まで続くため、苦痛かもしれない。
ただ、ある程度生々しい高校生の日常を楽しみながら読める人にとっては、非常にフレッシュな感覚で読めるのではないかと思う。個人的には面白かったしね。
親友が宣言して登校拒否になったり、司書が小説家デビューしたりと、日常的にはやや大きめの事件も起こるが、それらも淡々と流れていく。ページを繰った途端に「〇〇が没になったのはもう2週間前の話だ」などと時間がすっ飛んだりする。
今どきの小説としては、こういう特になんでもないことを、純文学のようにこねくり回した表現もなくダラダラと綴るというのは普通なのかもしれないが、頭が古いので新鮮に読めた。 -
図書室にある図書部で起こる事件のみを描いています。
主人公の望美は女子高校生らしさが全くないのですが、部員の観察者として優れていて、日常のちょっとしたやり取りが楽しい。
何故ここでという所で終わっているので、ラストでびっくりする。 -
どこかで誰かがこの本を読んで「なるほど、本は役に立つなあ」と思っている瞬間が存在するなら、それだけで嬉しいな
-
本を読むということの(いろいろひっくるめてすごく簡単に要約すると)面白さが、ものすごくたくさん詰まっていて、書かれていて、読みながらずっと読んでいることにうれしくなる小説だった。