- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334749699
作品紹介・あらすじ
五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、周囲の人はぬいぐるみやロボットに変わり-(「チヨ子」)。表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。
感想・レビュー・書評
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五つの短編集。
味のあるウサギのイラストにひかれて読んでみた。
「チヨ子」 幼少の頃、私自身ウサギのキャラクターが大好きで部屋には沢山のウサギ達が居た。
従兄弟達がゲームやオモチャを選んだ時も、おばに「本当にクリスマスプレゼントこれでいいの?」と何度も確認された時も、私は新たなウサギのぬいぐるみを抱いたままうなずいた。
そんな訳で私には「チヨ子」がドンピシャだった。
あの子達どうしたっけ?あんなに大好きだったのに。あとがきにある、着ぐるみを着た宮部さんが可愛らしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮部みゆき 著
本作は1999年から2010年にかけて発表された五つ中短編、著者自選宮部みゆき作品集。
私にとっては久しぶりに手に取った
宮部みゆきさん、好きな作家さんで、以前は随分読んでたけど、しばらくご無沙汰していた。
しかも…時代小説捕物帳や怪談以外、長編のイメージしかなく、最近少し忙しくしてる合間に片手間と言っちゃなんだけど…古本屋で
宮部さんの短編集を見つけ短いので丁度いいと買って読んだ。
ホラーのジャンルを含むようだと…
これまたホラーを少し読みたかった気分なので一石二鳥?しかしながら、全く怖くはなかった(・・;) 流石に短編集なので、あっという間に読めたのだが、モヤモヤ…
これといった決め手に欠ける感じ。
宮部みゆきさんって、こんな感じだっけ?
それから、それから…ってところで
はぐらかされたように終わる(・_・;
巧いんだけど…自分は宮部みゆきさんに関しては、長編が好きかなと思った。 -
久しぶりに宮部作品を読んだ。
宮部のファンタジーには何度か読んで
きたが、短編は、イマイチだった。
共感できたのが、チヨ子。
幽霊談の雪娘、玩具屋の話は、あまり
入ってこなかった。
いしまくらは、殺人事件に絡んだスト
ーリーで、最後のオチが良かった。
聖痕は、長いだけに期待したが、何を
テーマにしたいのかが見えて来ない。
長編は、いい作品が多いだけに残念。 -
「雪娘」「オモチャ」は良かった。特に、「オモチャ」は「泣けるホラー」である。
「聖痕」は力作だが、私は支持しない。 -
宮部さん自選の他で未収録の中短編集。5編。
初出1999〜2010で少し古め。どれも懐かしい雰囲気がある。
「チヨ子」は、アルバイトで着ぐるみを着ることになった女子大生が、着ぐるみを着て人を見ると、その人の大切な物に見えるというもの。鏡に映った自分を見て大切だったぬいぐるみ「チヨ子」を思い出す。作者が、着ぐるみ着て朗読したい為創作したらしい。
「聖痕」は、他の作品とは異質。母親と同居男性をその虐待苦から殺した少年A。反省して罪を償い、保護監察付きで社会復帰し、平穏な生活を送ろうとする。しかし、ネットに彼を救世主とするサイトが立ち上がり、巻き込まれていく。実社会の描写からこの後SFの流れになる。「英雄の書」に繋がるらしい。そちらも読みたい。
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久しぶりのヒット。ホラー&ファンタジーの短編集とのこと。読みやすく読後感も悪くなく後半の短編が少しずつ長くなっていくのも良かった。
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図書室本。短編を色々楽しめた。
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損のない名品。