恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)

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著者 : コクトー
制作 : 中条 省平  中条 志穂 
  • 光文社 (2007年2月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751227

恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今頃ではあるけれど、新訳版を購入し、
    昔読んだ角川文庫の画家・東郷青児訳バージョンと読み比べ。

    読みやすい、こちらの方が日本語としてこなれていて、
    非常に読みやすいのだった。
    コクトー自身による挿画も収録されていて、お得感。

    内容は……
    年は違うけれども、
    精神的結合双生児とでも呼びたくなる姉弟を中心とする、
    まるで神話のような悲劇。
    彼らの純潔さ、無邪気さ、残酷さを引き立たせるように、
    善良で凡庸な人物が配置され、見事な明暗を成している。
    とはいえ、姉弟が闇に溶けているのではない。
    二人は雪明かりに包まれて、清らかに白い。

    ところで、東郷訳版と萩尾望都によるコミカライズ版では
    かなりキツイ性格に見えていた姉エリザベートが、
    この新訳版では――氷が僅かな温もりでほんのり融けたように、
    少しだけ角が取れて、セリフ回しも微妙に柔らかく、
    それによって一層、読後感が切なくなるのだった。

  • ある種これは、アヘン中毒を体現しているのかも
    しれませんね。
    一つの雪玉の接触が…
    それがある意味…

    その言葉そのもので読んでも、
    歪みを感じました。
    どこまでも、どこまでも落ち続ける
    子供たち。

    きっとエリザベートは
    最後まで、自我をもてなかったのだと思います。
    かわいい弟を離せなかった。
    そしてそれが、あの悲劇へと…

    でもそれも別視点で見ると
    依存症の末期なのでしょうね。
    そして、己が身は滅びていく…

    背筋が寒い本でした。

  • ラストの数ページにはただただ圧倒された。全編にわたって比喩表現や心理描写が巧みで、尋常とは言えない物語世界にすんなりと入り込めてしまう。作者自ら描いた魅力的な挿絵もそれを助けている。内容を忘れてもう一度じっくり読んでみたい。

  • よくわからなかった、というのが正直な感想。コクトーが映画「オルフェ」の監督である、ということ以外は何者であるのかよく知らずに読んだせいなのかもしれない。
    挿絵はきっとコクトー本人のものだよね?
    この本を読む限りでは、コクトーとは言葉の人ではなく、映像の人、イメージの人、という印象が強い。訳のせいもあるのかもしれないけれど、小説、文章としてはあまりにもぎこちなさすぎた。映像作品ならこれは解消されているのかも?
    どうしてこのタイトルなのか、読後の今も理解できていないが、とにもかくにも変人姉弟の物語である。近親愛に純粋さを求めたのか、或いは普通にはないエロスを求めたのか、とかく芸術家の求める「愛」とは一般人とは異なる次元にあるようだ。

  • 姉弟とごく限られた親しい人のみで構成されたこども部屋に象徴される、彼らの世界の狭さとその密度の高さが印象的。愛憎を濃く濃く煮詰めていくような暮らし方に危うさを感じつつ、彼らだけで完成される浮世離れした生活にあこがれを感じたことも確かだ。

  • 混沌という言葉がまず浮かんだ。光と陰がぐちゃぐちゃに入り混じった混沌。カオス。原始宇宙みたいな。人間精神の純粋さには本来、善も悪も関係がないということを思い出させられる感じ。ここまで来ると殉教と言っていいのではないかと思う。無邪気な子どもの世界に殉教。

  • 社会から離れた所にいる麻薬を孕んだ姉弟。

  • この本は何度も読んだ。いろんな訳で、原書で仏語で、萩尾望都で。で、いちばんよかったのは、萩尾望都でした。

  • レースを編むように完遂されてゆく宿命の美徳。

  •  全体的に文章が詩的であり、登場人物の心理を深層まで描いているので文章が難解極まりないものとなっている。
     更にテーマにはゆがんだ愛情が据えられているため、読んでいて気持ち悪くなるかもしれない。しかし、そんな作品ゆえに何度でも読みたくなるような作品である。

     登場人物たちは傷付け合う事でしか自己を表現できない。せめて彼らには幸せになってもらいたかったものだが、ラストは姉弟の心中となってしまいため、なんとも悲しい作品。

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恐るべき子供たち (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

14歳のポールは、憧れの生徒ダルジュロスの投げた雪玉で負傷し、友人のジェラールに部屋まで送られる。そこはポールと姉エリザベートの「ふたりだけの部屋」だった。そしてダルジュロスにそっくりの少女、アガートの登場。愛するがゆえに傷つけ合う4人の交友が始まった。

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