神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

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制作 : 関口 英子 
  • 光文社 (2007年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751272

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • すごい。ブッツァーティは汲めど尽きぬ後悔も吐き気を催す徒労感も、こんなにも目の前に届けてくる。僅か数頁の内容も含むこの22作の短編集は、いずれも文体も内容もリーダビリティ溢れているのに、遊園地のフリーフォールばりにすとん奈落へ落としていく。これぞ不条理、生きるのって楽じゃないよ。しかしながらその落下感と後味が癖になってしまうような、不思議な魅力が本作には込められているのだ。「コロンブレ」「グランドホテルの廊下」「風船」「秘密兵器」辺りが素晴らしいが、皮肉的な肯定感に溢れた「マジシャン」がマイベストか。

  • ブラックユーモアが好きなのでこれらの作品は
    本当に面白かったです。

    実際にはありえないお話なはず、なのです。
    だけれどもきちんと人間の心理を捉えているせいで
    現実にありそうな気がして、恐ろしいもので。

    表題作はまさに人というものの弱さを
    露呈させている作品です。
    人は「枷」がなくなるように望みますが
    その「枷」がいざ取れてしまうと
    どのように行動してよいかが分からないのです。

    結局人にはそれ相応の
    「秩序」が必要なんだと痛感させられます。

    それと不条理な作品も多いです。
    「風船」なんかはそれの典例。
    幸せが望むように続かないのと同じ。

  • 『神を見た犬』を始めとする短篇集。岩波文庫の短篇集と幾つか重複がある。
    どれも寓意に満ちていて、読後感がすっきりと行かないものが少なからずあるが、ブッツァーティはそこがいい。収録作の中では『戦艦《死》』が一番良かった。

  • イタリアでは有名な童話作家らしいが日本に来ているものが少ないのが残念。モヤリと残る終わり方、それぞれの短編が実に皮肉っぽく面白かった。

  • 不吉な話が多いのだけど、脳裏に浮かぶのは不思議なことにパステルカラーのきれいなイメージ。おしゃれな星新一という感じ。「コロンブレ」と「七階」がピリッとまとまっていて、特によかった。

    カトリックがらみの諸編を読むと、イタリア人はイタリア人で、日本人とはちがう網にがんじがらめになって生きているようだ。空の向こうに天国があって、そこから聖人が見下ろしてるんだもの。気が抜けない。

  • どちらかと言うと避けてきた「幻想文学」と言うジャンル。歯医者の待ち時間の寄った本屋で手に取って、「古典」の響きに惹かれて手に取ったんだけど、ジャンルとしてはほぼ初体験に近かったが、食わず嫌いはあかんで、と思い知った一作。特に「七階」の空恐ろしさは秀逸。一度でも内科に入院した事のある人間には…。表題の「神を見た犬」では、やはりキリスト教と言う宗教を理解した頭で読みたかった、と思う。しかし、ブッツアーティって覚えにくいし読みにくい(笑)

  • 2009/10/10 購入
    2009/10/16 読了

  • 高校生の時に友人が薦めてくれたのをおよそ7年越しで読了した。
    あの時代に私たちには神がいて、というか、神は自分で自分のために選ぶか作るかするものということを理解していた、そのことを思い出した。

  • 上手くいかないから不幸なのではない、貧しいから不幸なのではない、それだから不幸なのだと思ってしまう考え方が不幸なのだ。ブッツァーティの小説は読者に主人公の人生の最後に立ち会わせそれを問いかける物語だ。一元的な物の見方を否定し物事に違う観点を与える。10代の頃彼の長編「タタール人の砂漠」で頭をガツンとやられた。それと同じ感覚がこの短編集にも詰まっている。謎の怪物コロンブレに殺されまいと逃げ続けた男の話、護送大隊をたった一人で襲撃しようとする年老いた山賊の話。ラストですべての不幸が幸福に代わり、幸福が不幸に入れ替わる。この世界のことはすべて脳内で起きている。他人の視点は何の意味もない。自分の人生が幸福か不幸かは誰が決めるのか。自分の脳が決めるのだ。ザックスナイダー監督が私のお気に入り映画「エンジェルウォーズ」で伝えたかったのもそれだと思うがリアルな映像ゆえに成功したとは言い難い。でもテーマは同じ。自由への鍵はそこにある。

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神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作。老いたる山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」…。モノトーンの哀切きわまりない幻想と恐怖が横溢する、孤高の美の世界22篇。

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)のKindle版

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