オンディーヌ (光文社古典新訳文庫)

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制作 : Jean Giraudoux  二木 麻里 
  • 光文社 (2008年3月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751524

オンディーヌ (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 書店で見かけたときには驚きました。光文社さん、この作品の新訳とは!

    ジャン・ジロドゥの代表作ともいえる戯曲です。水の精オンディーヌと、騎士ハンスの恋物語。劇団四季のストレートプレイでも上演されていますので、ご存じのかたも多いかと思います。ファンタジーと片付けてしまったらそれっきりですが、よく練られた舞台と台詞です。

    バレエの「ジゼル」を思わせる森の奥が舞台となり、2人の恋が時に静謐に、時にドラマチックに描かれます(オンディーヌは従来の訳よりもアクティブなキャラクター造形に感じます)。この恋も「ジゼル」と同じく、一筋縄ではいきません。恋の終わりは…最後の台詞の見事さといったらありません。こうきたか!という巧みさと感動で震えがきます。舞台見ててよかったー!と心の底から思う一瞬です。

    訳も滑らかで読みやすく、堅苦しさは感じません(時どき、「これは要検討?」という言葉も見受けられますがまあ許容範囲内)。必ずしも売れるとは限らない地味な戯曲の新訳を出してくださったことに☆5つです。

    [2008.3.17にAmazon.co.jpにアップしたレビューをこちらにもアップし、一部書きなおしました]

  •  水妖記の戯曲版としてあまりにも有名であり、ラストシーンは傑作である。

    水の精霊オンディーヌと騎士ハンスの悲劇的な恋愛を描いた物語で、人と人に非ざる者との恋は始まりから破局を予感させる。

     これは東西の異類婚の物語同様、予定調和ともいえる筋書なのであろうか。
     水の精霊といえば人魚姫を思い出すが、オンディーヌのように悲劇的な結末を辿る。人魚姫ばかりでない。日本の昔話で言えば、「鶴女房」「天女の羽衣」「雪女」など、異類婚の行く先は幸せなものではない。
     ハッピーエンドに終わる物語は果たしてあっただろうか?(美女と野獣は元々どちらも人間だし)

     人は異種と結ばれるということにロマンを感じる一方、心の底で「禁忌」を覚えるものだ。禁忌だからこそ惹かれ、また、激しく拒絶する。そのような相反した心理が数多くの異類婚譚を生むのではないか。

     そしてこの物語は単なる異類婚による祖語だけにはとどまらない。魂というものは決して分かち合うことが出来ない、永遠にわかり合うことの出来ない男女の虚無的な愛がある。
     
     女の純粋さは自らの魂の死を招く。オンディーヌは自分の魂を破壊することにより、愛から救われるのである。
     この物語は愛からの救済なのだろうか?冷たく横たわるハンスを艶然とした表情で見つめるオンディーヌ。そこに果たして希望はあるのだろうか。

     

  • つける薬がない。

  • まさに悲劇の体をした作品。
    人間の弱さをとことんまでに
    痛感できる作品でしょう。

    実際にハンスは欲に負けて
    オンディーヌ以外の女性に恋をし
    婚約してしまいます。

    オンディーヌは汚れなき、うそなき
    透明な存在。
    しかしながら人はそう生きることはできないのです。

    別のバージョンも読みたいですね。

  • 先日読んだ或る小説で言及されていて、その引用文がひどく印象的だったので読んでみた。
    訳の違いで随分ライトな感じになってはいたけど、最後の展開は凄くドラマチックでロマンチックで、わりと好きです。

    愛した人のことをすっかり忘れて生き続けるのと、
    何もかも覚えているまま、その記憶とともに死ぬことは、
    どちらが幸せなのだろう。

    毎日のあらゆる瞬間の中に刷り込まれたそのしるしさえ、オンディーヌは忘れてしまうのだろうか。
    しるしが残ったままだったとして、その意味を、もしくはそこに意味があること自体を、オンディーヌは忘れてしまうのだろうか。
    魔法にかかったかのように。
    もしくは、魔法が解けたかのように。

  • 私にとって一番好きなパターンなので、いつも以上に冷静さを欠いてしまいます。きっと感じたこと全てを誰かに話したら「何言ってんだコイツ?」と思われるのは間違いないでしょう。そのくらい、好きなタイプの物語です。どこか間の抜けたキャラクターたちが笑わせて、その台詞を良く考えると裏があって考えさせられて、気がつけば目が潤んでいる事に気付く結末。喜劇なのか悲恋なのか。オンディーヌとハンスは、私にとって愛すべきキャラクターとなりました。ただ、この戯曲をもし演じる機会があるとすればやってみたいのはベルタの役ですけれどね。

  • なんとなくデジャヴを感じでしまった。何故?
    ラストまで読み終わった時、この二人がまた何処かで出会うことはないのかと一瞬考えてしまった。

  • 新書・文庫  952||ジロ

  • オンディーヌ、純粋無垢で明るくてキラキラしてて本当にいい子で。
    最終的には悲恋だけど愛ってこういうものだよなって思いました。
    小説で久々に泣いちゃった。

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オンディーヌ (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

森のなかの湖畔近くで暮らす漁師の養女オンディーヌ。ある日、騎士ハンスと出会い、恋に落ちる。ハンスも美しい彼女に魅かれ、ともに城での生活を始める。ただ、彼女は人間ではなく、水の精だった-。「究極の愛」を描いたジロドゥ演劇の最高傑作。

オンディーヌ (光文社古典新訳文庫)のKindle版

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