木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫 Aチ 1-1)

  • 光文社
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751579

作品紹介・あらすじ

この世の終わりが来たようなある奇妙な夕焼けの晩、十九世紀ロンドンの一画サフラン・パークに、一人の詩人が姿をあらわした。それは、幾重にも張りめぐらされた陰謀、壮大な冒険活劇の始まりだった。日曜日から土曜日まで、七曜を名乗る男たちが巣くう秘密結社とは。

感想・レビュー・書評

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  • コツコツ光文社古典新訳文庫の時間です

    『ブラウン神父シリーズ』で有名なチェスタトンの著作
    もちろん『ブラウン神父シリーズ』は全て持ってました
    古典ミステリオタクの本棚に『ブラウン神父シリーズ』が並んでないなんて有り得ない

    すごく面白かったけど、すごく難しかった記憶がうっすらと…

    で、本作です
    読んだこともあるような気がするんですが、ちょっと思い出せんかったな
    内容的には全く意味わからんかった
    意味分からんかったけど面白かった
    なんで?(知らんわ!)

    結局キリスト教的世界観みたいなんを理解するのって無理なんだと思うんよね
    完全に諦めちゃってる極東の島国の人間に「面白かった」と感じさせる
    なんか良く分からんけどやっぱチェスタトンてすごい

    追記)先日おびーが読んでいたクトゥルフも同じ南條竹則さん訳だった
    通ずるところがあるようなないような(どっちやねん!)

    • 1Q84O1さん
      えっ!
      えーーーっ!?
      そこは助けてくれないとダメじゃないですか!
      えっ!
      えーーーっ!?
      そこは助けてくれないとダメじゃないですか!
      2023/10/08
    • ひまわりめろんさん
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      ( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/10/08
    • 1Q84O1さん
      (・д・)チッ
      (・д・)チッ
      2023/10/08
  • 何だこりゃー!
    面白かった!
    裏表紙に「冒険活劇」とあり、確かにそう言えはするのだけど、冒険活劇のパロディ、という印象だった。
    二転三転の展開も皮肉とでたらめと真面目が入り混じったやり取りも面白かった。
    ブラウン神父も読みたいなぁ。

  • 夕景の描写の煌びやかさまた無気味さは離れ業。
    筋立てはシンプルなのだが、偽ロンギノスもクノーも唸るに違いない文体の崇高がここにあり、陶酔しきった読書時間を過ごせた。美麗な訳業。

  • 非常に多面的な顔を持つ小説だ。冒頭の抽象的な詩文から始まり、無政府主義結社に潜入し真相に迫ってゆくサスペンス調の中盤とは打って変わり、後半はなんだか喜劇を読んでいるようである。めまぐるしく遷り変る立場と音楽的な文章が読者を混乱させる。エンターテイメント性があるのは間違いないが、なにやら哲学小説なような側面もある。

    序盤はやや退屈かもしれないが、進むにつれ面白みは増していくので、読み手を煙に巻くような妙を味わっていただきたい。

  • 【推薦文】
    単なる探偵小説だと思って読んだら度肝を抜かれます。
    探偵もの、サスペンス、SF、哲学などがもろもろぶち込まれてるすごい小説。
    100年経っても色褪せない魅力をもつ本書は古典と呼ぶにふさわしいでしょう。
    (推薦者:電気電子工学科 B3)


    【配架場所】
    大岡山:本館1F 一般和図書 080/Koc/C

  • 〜「汝らは我が飲む杯より飲み得るや?」〜

    最後に日曜日が言う言葉。なんとなく雰囲気はわかるのだが、どういう背景があって使っているのだろう。

  • ひとりの詩人が、おそるべき「無政府主義」を掲げるテロ組織の中枢に乗り込む話。

    組織との戦いを描くアクション活劇、または組織の謎を解くミステリ、かと思って読んでいけば、最終的にはチェスタトン自身の過去の悪夢を紐解き、信仰について説いた本だったのだなと、趣が変わっていった。

    しかし、解説がなければだいぶわからない作品だったと思う。
    まず、初見ではなんのことかわからなかった、幼なじみベントリー宛ての序文がとても大事だったということ。
    そして、きちんと理解するにはキリスト教の知識がいるということ。

    知識不足で読後いろいろ調べながら解釈を進めたが、そうすると読後感の良さがなおのこと伸び、より面白い本へと「変貌」した。

    解釈など、以降はブログにて(ネタバレあり)。
    http://haiiro-canvas.blogspot.jp/2016/01/4.html

  • 月曜日から日曜日までメンバーを曜日で命名する謎のアナーキスト集団に、木曜日として潜入する刑事の物語。
    奇妙でいてシンプルな仕掛けが反復するミステリとしても面白いけど、その実とても観念的な小説。
    筋どうこうは置いておいて、曜日たちのドタバタ劇と観念的な掛け合いの両方がおんなじくらい面白い。
    今まで読んだチェスタトンの中で一番好き。

  • んー副題が副題なのでそうですかと言うしかない。面白さのツボを探し当てられなかった。会話はテンポが良くて楽しかったけれど、全体としては「???」という読後感。

  •  チェスタトンを知ったのは西部邁のエッセイであり、思想家や評論家のイメージが強く、小説は読んだことがなかった。ブラウン神父とか家にあるが積ん読のままだ。で、この「木曜日だった男」をなぜか読むことになった。
     無政府主義者のグループに主人公がスパイ「木曜日」として潜入して、次々に他の曜日を追い詰めたりするのだが、「実は同じ警官なんだよ!」と、日曜日以外のすべての曜日が無政府主義者ではなかったことがわかってくる。その展開が面白い。最後は無政府主義者グループのボスである日曜日の館まで行くのだが、そこから神学論というか、月曜日から日曜日までの登場人物たちと、最初に木曜日だった男である悪魔が集い、議論の末、天使である曜日と悪魔の無政府主義者が意見を一致させて「神の平和」である安息日=日曜日に「あなたは苦しんだことがあるのですか?」と問いかけて夢オチで終わる。探偵小説にして黙示録ってめちゃんこネタバレやんと思った。最後の最後まで読んではじめて、ほんと帯のまんまの話やったな……と思えるようになっている。
     終わり方とか、スラップスティックな感じとか、不思議の国のアリスのような小説だったと振り返って思う。「これめっちゃおもろい探偵小説やで」とは言えない。「キリスト教エンタメ小説やで」と言いながら薦めるべし。

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