アンナ・カレーニナ 1 (光文社古典新訳文庫 Aト 3-2)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751593

作品紹介・あらすじ

青年将校ヴロンスキーと激しい恋に落ちた美貌の人妻アンナ。だが、夫カレーニンに二人の関係を正直に打ち明けてしまう。一方、地主貴族リョーヴィンのプロポーズを断った公爵令嬢キティは、ヴロンスキーに裏切られたことを知り、傷心のまま保養先のドイツに向かう。

感想・レビュー・書評

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  • 古典っておろそかにできないと実感。

    要約すれば単なる不倫小説となってしまうけれど、そんなことはない。人間心理のカタログをめくる楽しみもあり、また、春の到来の自然描写の美しさ、息を飲む競馬の場面。。

    まるで映画のようと言いたいのだけれど、でも、読みながら、人間の想像力が思い描く映像には、映画が持つのとはまったく違った、独特の強度がある。
    そうした脳にしかない能力を、ぞんぶんに刺激してくれる作品。

    積ん読になっている現代小説を急いで読まなければならないのだけれど、本作を読むのをやめられない。

  • 読むぞー!と意気込んで全巻まとめて購入したのは何年前だったか、すっかり書棚の番人となっておりましたが、突然のこのタイミングで読み始めることにしました。

    「幸せな家族はどれもみな似ているが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。」という書き出しが与えるインパクトがいきなり鮮烈だ。
    1870年代ロシアの貴族社会での愛憎劇で、うまく物語に入り込めるか少し不安だったけど全然問題なかった。徹底したリアリズムの小説なので、それこそ登場人物の全員に感情移入しながら読める。
    猛烈な吹雪のなか汽車を降り、追いかけてきたヴロンスキーとアンナが再会、そこに生まれてしまう愛を確信するシーンのなんと美しいことか!今まで読んできた小説でもベスト3に入るほど美しく激しい描写だった。
    禁断の愛に身を落としついには彼との子を孕んでしまったアンナ。その関係が夫にも完全にバレてしまいどうなることか。

  • 人間は見たくないものは見ない、ということがこれでもかこれでもかと描かれていてザ・ドラマな大河小説の第二部まで。人も光景も臨場感に溢れていてまったく古臭さを感じさせず、トルストイ先生すごい!のだが、アンナとヴロンスキーがなぜ惹かれ合い抜き差しならないところに追い込まれるのかについてはほぼブラックボックスである(のでカレーニンに同情しきり)。そこのあたりの「なぜ・どのように」はトルストイにとってはどうでもよかったのかもしれないけれど、もうちょっと情報がほしいなあと思いつつ第二巻へ。

  • 19世紀後半のロシア。ひとつの不倫から始まるドラマを軸に、貴族社会の多様な人間模様を描く恋愛小説の名作。

    「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」
    有名な書き出しから始まる第1部は、不倫から始まり不倫に終わる。『出会ってしまった!』という感じ。美しいロシアの情景と細やかな心理描写が読みやすく、冒頭から興味を引く展開が連続して続いていくので、面白くない部分がないというか、ダレることなく一気に読めた。主役となるアンナ&ヴロンスキーだけでなく、青年貴族リョーヴィンと、彼に関わる令嬢キティの物語もそれぞれ独自に進み、人間関係のバランスが絶妙に設定されていて興味が尽きない。個人的にはやや内向的で真面目なリョーヴィンくんに共感してしまった。

    第2部では、行くところまで行くふたり、農業に専念するリョーヴィン、手本となる人物に出会うキティ、というところまで描かれる。手に汗握る競馬レースのシーンは迫力があって面白かった。登場人物たちがこれからどうなっていくのか、続きが本当に楽しみだ。

  • 流石のトルストイ先生代表作。「戦争と平和」の次に読んでいるが、テーマは違っても、心理描写の超絶さは変わりません。

  • アンナが生きた時代のロシア
    鉄道の発達(急速な近代化)ペテルブルク=モスクワ鉄道
    農奴解放。
    貴族文学の破綻。。

  • ■主要登場人物は10人程度(総人数は50人くらい)。作者トルストイは、彼ら各々の思想、好尚、性癖、気性、経済状況、家庭環境、家柄などを完全に把握して、そのうえでキャラクターを書き分けている。この書き分けの筆致が明解かつ説得力があって実に実に素晴らしい。ベタな言い方だが、登場人物がみんな生きているのだ!
    ここではそんな中から数人だけ選んで人物紹介しておこう。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ①カレーニン
    アンナの夫。官僚の大立者。が、読んでいて人間的な魅力は少しも感じられない。仕事以外でこの人はいったい何に興味があるんだろうか(時勢についていくため読書するとはある)。アンナの不倫の事実を知って愕然とするのだが、それを踏まえての目下一番の心配事は、これから自分と不倫相手(ヴロンスキー)とが決闘するような剣呑な事態に巻き込まれないようにすること。エラそうにしているがとにかく小心者なのだ。アンナが家を出て行っても、ひとり息子をアンナには渡さず、かといって離婚も認めようとせず、アンナを宙ぶらりんの状態にして苦しめ続ける。
    (カレーニンから手紙を受け取ったアンナは、)「『正しいのよ! 正しいのよ!』彼女は声に出していった。『もちろん、あの人(カレーニン)はいつだって正しくて、キリスト教徒で、寛大な心の持ち主なのよ! それにしても、卑劣な、いやらしい人間だわ! しかもそのことは、わたしを除いて誰にもわからないし、これからもわかりっこないわ。わたしだってうまく説明できないもの。世間ではあの人のことを信心深くて、人徳があって、高潔で、賢明な人だって言うけれど、そういう人たちには、わたしが見てきたものが見えないんだわ。あの人がこの八年間、わたしの生活を抑えつけ、わたしの内にある生きたものを全部窒息させようとしてきたことを、わたしが愛なしではいられない生きた女なのに、あの人はそれを一度だって考えようとしなかったということを、誰も知らないんだ。あの人が事あるごとにわたしを侮辱して、そういう自分に満足していたことを、誰も知らないんだ。・・・・・・でもついに時が来てわたしは悟ったのよ。これ以上自分を騙すことはできない。自分は生きている、自分が悪いんじゃない、愛することが、生きることが必要な体に、神さまがわたしを作ってくれたんだって。なのに今更どうしろというの? いっそあの人がわたしを殺そうとするなら、彼(ヴロンスキー)を殺そうとするなら、わたしはどんな目にあっても我慢して、すべてを許したことでしょうに。でも違う、あの人は……』」

    ②アンナ・カレーニナ
    カレーニンの妻、一児の母。健康的な若さに満ち溢れる快活な美女。男からはもちろん女たちからも愛され慕われる。
    とある舞踏会で独身・イケメンのヴロンスキーにダンスに誘われ瞬時に運命的な恋に落ちる。道ならぬ恋情は一気に燃え上がり、逆に積もり積もった夫への嫌悪感は暴れだしてもう抑えられない。「『いいえ、あなたの誤解じゃないわ』夫の冷たい顔を絶望の眼差しで見つめながら、アンナはゆっくりとそう言った。『誤解じゃありません。わたしはたしかにわれを忘れていましたし、今でもどうしようもなくうろたえています。あなたの話を聞きながらも、あの人のことを考えているのです。わたしはあの人を愛している、あの人の愛人なのです。あなたのことなんて大嫌い。怖い、憎いと思うだけです……。』」
    ―――そしてアンナは家を飛び出す。
    しかし、いくら時間をかけても一歩も進まない離婚調停、アンナに向けられるかつての仲間からの誹謗中傷、そしてなぜか愛情を寄せられない新しい赤ちゃん……。何をやってもうまくいかない原因をアンナはヴロンスキーのせいにして八つ当たりする。ヴロンスキーはなんとか二人の関係を保とうと努力するがそれは急坂を転がり始めもはや止められない。「アンナにとってその(苛立ちの)原因となっているのは、ヴロンスキーの愛情が薄らいできたことであり、ヴロンスキーにとっての苛立ちの原因は、アンナのためにつらい状況を引き受けたことへの後悔の念だった。相手がそのつらさを軽減するどころか、いっそう増やしていたからである。どちらも自分の苛立ちの理由を口に出しては言わなかったが、互いに相手が間違っていると思っていて、折あるごとにそれを証明しようとするのだった。アンナにとってヴロンスキーとは、その癖も、考えも、心根も体つきもそっくり含めて、全部がただひとつのことを、すなわち女性への愛情を体現する存在だった。そして彼女の気持ちでは、その愛情はすべてじぶんだけに注がれるべきものだった。その愛情が薄れたということは、彼女の考えによれば、きっと愛情の一部が他の女たちに、あるいは一人の女に振り向けられているに違いないのであった。」
    「『不自然か』不意に彼女は何よりもいちばん自分を傷つけたものを思い出した。それは言葉そのものよりも、彼女を気付付けてやろうという意図のほうだった。『あの人が言いたかったことはわかっている。自分の娘を愛さないで、他人の娘(イギリス人の養女)を可愛がっているのは不自然だ――あの人はそう言いたかったんだわ。でも、子供への愛情なんて、セリョージャへのわたしの愛なんて、あの人に何がわかるのかしら? セリョージャだって、あの人のために犠牲にしたんじゃない? それなのに、わたしを傷つけてやろうと願うなんて! そうよ、あの人は別の女を愛しているんだわ、それしかありえない』」
    そしてアンナは産褥熱で死にかけたことを思い出し、「『そうだ、死ぬんだ!……夫の恥や不名誉も、セリョージャの恥や不名誉も、わたしの恐るべき恥辱も、死ねば全部が消える。死んでしまえば、あの人だって後悔して、わたしを哀れんで、愛して、わたしのために苦しんでくれるだろう』自分への同情の笑みを顔に張り付かせて肘掛椅子に座ったまま、アンナは左手の指輪をはずしたりはめたりしながら、自分の死んだ後のヴロンスキーの気持ちをいろんな角度からまざまざと思う浮かべていた。」
    最後、アンナはヴロンスキーをとっちめようと、汽車に乗って彼のところへ向かうのだが、車上の彼女の精神はすでに完全に崩壊してしまっていたのだった。「彼女は口をあいたまま馬車の中で座る位置を変えた。『もしもわたしが、ただあの人を愛撫だけを情熱的に求める愛人であるだけでなくて、なにか別の者でもありえたら――でも、わたしは別の何かになれもしないし、なりたくもない。そしてわたしのこの欲望があの人の嫌悪をかきたて、あの人はわたしの憎しみをかきたてる。これはこうなるしかないんだ。わたしだってわかっているわ―――あの人にはわたしを騙そうというつもりなんかないし、ソローキン公爵の娘に色気があるわけでも、キティを愛しているわけでもないし、わたしを裏切りもしない。そんなことは全部わかっているけれど、でもだからと言って気が楽にはならないわ。もしあの人がわたしを愛してもいないくせに、お義理で親切に、優しくしてくれても、それはわたしの望むところじゃない。そうよ、そんなことになるくらいなら、いっそ憎まれたほうが千倍もましだわ! そんなのは地獄だから! でも実際にはそうなってしまっている。あの人はもう前からわたしを愛してはいない。そして愛の終わるところから憎しみがはじまるんだ。こんな街、わたしはさっぱり見覚えがないわ。なんだか坂があって、どこもさしこも建物だらけね……。しかもどの建物にも、ひとがいっぱい住んでいるんだ……。何人いるのか、数えきれないくらい。それがみんなお互い憎しみあっているんだ。だからせめて自分は、幸福になるために何が必要か考えてみればいいんだ。さて、離婚がかなって夫がセリョージャを渡してくれて、ヴロンスキーと結婚するとしよう」
    この後のアンナのたどる運命は悲惨すぎてもう書けない。

    ③リョーヴィン
    地方の地主。農業経営者。キティを思い続けついに肚を決めてプロポーズするがけんもほろろに断られる。ロシアの農業のあり方、自分が生きる意味、そもそも死とはなにかなど、常にいろいろと思い悩んだり本を読んで勉強したりしている。まじめで正直な好漢。プロポーズに失敗してからキティとは疎遠になるが、ある日再会する……「『ああ、うかがったところでは、熊を仕留められたそうですね?』キティは、つるつる滑って言うことを聞かない茸をフォークでつかまえようとむなしく奮闘し、真っ白な手が透けて見えるレースの袖飾りを震わせながら質問した。『でも、あなたのところに熊がいるんですか?』きれいな顔を彼のほうに半分だけ向けて、微笑みながら彼女は言い添えた。キティの言葉の中身には、別に変わったことはないように思えたが、しかし語る彼女の一つ一つの声の響きにも、唇や目や手の一つ一つの動きにも、彼にとって言葉に表しがたいほどの、なんと深い意味がこめられていたことだろうか! そこには許しを請う気持ちが、彼への信頼が、そして慈しみが、それも優しくおずおずとした慈しみの気持ちが、彼への愛がこめられていた。それは彼が信じずにいられぬ愛であり、その愛のために彼は幸せのあまり息が詰まりそうだったのである。」
    リョーヴィンの、頭文字クイズによる2回目のプロポーズは非常に感動的。そしてついにリョーヴィンはキティを射止めた! ……ただし結婚生活は、リョーヴィンが惚れすぎているせいかキティに対して嫉妬深すぎ。おまえ、ちょっとまぁ落ち着けって!

    ④キティ
    結婚適齢期のお嬢さん。
    リョーヴィンとヴロンスキーを天秤にかけようとするので出だしから印象は悪い。が、二兎に逃げられて二進も三進もいかなくなるし、読んでてなんだかいじらしくなってくる。リョーヴィンからの2回目のプロポーズへの対応はバッチリ。最初からそれで良かったんよ。でもかわいいだけでなくって瀕死のニコライ兄さんの看護では、おろおろするしかないリョーヴィンをしり目に大活躍。リョーヴィンも読者も彼女への評価を一変させる。彼女の思想は、”無思考型キリスト教超穏健派”。バカっぽいがそれがまたかわいいのだ。

    ⑤ヴロンスキー
    貴族。男前の将校。乗馬とダンスは玄人ハダシ。非常にモテるだけに女に変にガツガツしていない。
    そんなヴロンスキーがひと目でメロメロの骨抜き状態になったのが人妻アンナ。アンナとは一日も離れがたく、連綿と愛欲の日々を続ける。しかし何事もうまくゆくというわけにはいかない。アンナの精神状態は次第におかしくなりヴロンスキーにも激しく当たり始める。が、ヴロンスキーはここでもよく耐えた。しかしその忍耐の果てに彼を待っていたのは、アンナの飛び込み自殺という最悪の結末であった。
    ぼくはヴロンスキーが、自殺したあとでもまだアンナに同情していてほしかった。彼女は自分の大きすぎる愛に押しつぶされた犠牲者と哀れんでほしかった。でも……「それは、狂乱状態の彼が鉄道駅の宿舎に駆け込んだときに見た、彼女の体の残骸であった。そのとき宿舎のテーブルの上には、血まみれの体が破廉恥にも見知らぬ人々の真っただ中に横たわっていて、ついさっきまで生きていた気配を農耕に漂わせていた。そっくり残った頭が、重そうなお下げや、こめかみのあたりで渦巻いている髪もろともに後ろにがっくりと折れ、赤い口を半分開いた美しい顔は、小さな唇が哀れみを、開いたまま動かなくなった目が無残さを誘う、奇妙な表情に固まっていた。それはまるで彼女が喧嘩のときに彼に行ったあの恐ろしい言葉を――『あなたは後悔するわよ』というあの言葉を――本当につぶやいているかのようであった。」
    ヴロンスキーは完全に生ける屍となって露土戦争に志願、死の行軍へ参加する。

    ⑥オブロンスキー公爵
    アンナの兄。地方の貴族。
    女好き、遊び好き、友達好き。本人もみんなから好かれている。非常に顔が広く、登場人物たちのあいだを縫うように動き回っては、お話がとっ散らからないようにつなぎとめる、物語の影の功労者。リョーヴィンとキティのあいだをとりもったのはナイスプレイだ。金遣いが荒いのが玉にキズ。

  • 初トルストイ。
    アンナの不倫シーンは昼ドラのようで、ついつい読んでしまう。体裁を気にするばかりで自分のことを見てくれない夫と、若々しい愛情を素直にぶつけてくる青年。この青年は思わせイケメンなのでつまり女の敵。夫もまぁまぁなクズなので、アンナかわいそう。

    「小説」として読もうとするとリョーヴィンの田舎シーンは死ぬほどつまらないが、舞台が近代化の機運高まるアレクサンドル2世代(農奴解放etc.)であることを考えると、「歴史書」をも包含したものとしてスラスラ面白く読める。

    巻末に当時の結婚観などが読書ガイドとして付されているのが嬉しい一冊。

    個人的な推しは、どこか影のある優しい女性ワーレニカ。

  • まだ1巻なので、詳しい感想は書けませんが…。
    人物ごとの描写がすごくわかりやすいです。それぞれの人物の設定、性格、都会と田舎の対比などがこと細か。
    そのうえで心理描写も詳しく、とくに女性の心情は既婚の婦人から若い女性まで「なんでこんなに女性の気持ちが分かるんだろう」と驚くほど共感できました。
    物語としても続きが気になります。

  • 新訳で送る『アンナ・カレーニナ』全4巻。19世紀後半のロシアを舞台に、さまざまな人間関係とテーマが描きこまれる。

    (たなぞうに登録していたときに)KUMIさんの『戦争と平和』の感想に引き込まれるものがあったので、トルストイって面白そうだな、と思ったのがこの本を読むきっかけ。
    さすがに『戦争と平和』を読む自信がなかったので、読みやすいと評判の光文社古典新訳文庫の訳でこちらを挑戦した次第。

    最初は「どんなかんじなんだろう・・・?」とおずおずしながら読み始めたのだが、いやはや面白い!!
    訳のせいか文章も非常に読みやく、登場人物も個性が立っていて、ロシア名ながら思っていたほど混乱しなかった(さすがに読み進めていくうちに、端役の名前は何度も忘れましたが・・・主要人物はだいたい覚えられました)。

    物語と登場人物たちがみずみずしく、生き生きしている。
    特に、いろいろな立場の人間がそれぞれの物の考え方をする過程がじっくり繊細に描かれているのが素晴らしい。まさに、柔らかい思想の襞を分け入るような、丁寧な職人技である。
    それでいて、物語はどちらかというと大胆で、恰幅の良い印象を受けるのが面白い。

    しかし、どちらかというとこの物語、題名にもなっているアンナよりも、男性陣(リョーヴィン、オブロンスキー、カレーニンなど)のほうがリアリティがあって、人物像がはっきりしている気がした。
    アンナはやや美化されている感がなきにしもあらずだが、これからどう転がるのだろう。

    わくわくしつつ、1巻を読了。

    • diver0620さん
      最近ロシアづいている僕としては読みたくなってきました。新訳があるのかぁ。
      最近ロシアづいている僕としては読みたくなってきました。新訳があるのかぁ。
      2011/08/06
    • 抽斗さん
      >diver0620さん
      お返事遅くなってすみません(^^;)。
      是非読んでみてください!! さすが世界の文豪トルストイ、と思いますよ!
      >diver0620さん
      お返事遅くなってすみません(^^;)。
      是非読んでみてください!! さすが世界の文豪トルストイ、と思いますよ!
      2011/08/11
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