- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751753
作品紹介・あらすじ
アメリカ人青年に恋した初老の未亡人は、再び男性を愛する喜びに目覚めたのだが…(「だまされた女」)。インドの伝説の村、頭脳の優れた青年と見事な肉体の若者が美しい腰の娘に出会う。娘は女になり、目覚めた愛欲が引き起こす混乱の結末は?(「すげかえられた首」)。
感想・レビュー・書評
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マンは(新井素子が好きだった関係で)昔から興味があった作家ではあるのだが、実はほとんど読んだことがなく、岩波で「トニオ・クレーガー」を読んだのと、これと同じ光文社古典新訳で「フェーリクス・クルル」を読んだくらい。
『だまされた女』(原題は "Die Betrogene" で、ドイツ語にはよくあることだが、「だまされた女」が一語で驚く)は序盤はタルいものの、主人公が想いを寄せる家庭教師キートンが登場してからは徐々に盛り上がり、衝撃の結末まで一気に読ませる。『すげかえられた首』もインド神話の雰囲気を湛えて楽しい。
いつの日か「ブッデンブローク」も読まねば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トーマスマン でレポートかかなきゃいけないとき、『魔の山』で書こうと決めてたけど心折れかけてる時読んだ。でもあんまりおもしろくなくて、結局レポートは書いたのかはわすれた。
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だまされた女、という題名と、裏表紙の説明から
初老の女性が、若い男性に骨抜きにされて社会的に、そして金銭面でだまされるのだと思っていたら違っていた。彼女が愛していた自然に裏切られたんだと分かった時には思わず声をもらしました。なるほど、そういう事だったんだ・・・。
すげかえられた首、二人の男と女が出てくるという事で、今度こそ女が騙されて首をはねられ、首と身体を男二人がわけて愛でるのかなと思っていたら違っていました。
この話は・・・なんていうか、シーターの我儘さが際立っていたような気がします。二人の男の友情の熱さに緩和されそうになっているけれど、なんて酷い女なんだ。 -
2021年 30冊目
読書を通じて裏切られる歓びを感じた。 -
うーーーん 私にはドイツ文学は無理だと感じるばかりだった。昔読んだゲーテはまだまだよみやすいかったけど。きっと色々と読んでいけば馴染んでいけるのだろうけど。
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ノーベル文学賞受賞者の短編2編。ドイツ文学。
東南アジアに住んで以来インドの影響力の強さを感じ、インドに興味持って買ったのに、「だまされた女」を読んで「すげかえられた首(インドの伝説から着想を得た作品)」に読み進む気が起きなくなってしまった。一旦読了扱いに。
解説に、「すげかえられた首」はゲーテの「若きウェルテルの悩み」に描かれる三角関係という題材を繰り返している。とあったけど、「だまされた女」も理性と感情の対立という形で「若きウェルテルの悩み」の伝統を受け継いでいるのではないかと思った。
古典を読むにあたって、日本の文庫本の後ろについている解説が素晴らしい!と学習したのだけでも成果と捉えよう。ドイツ文学はあとゲーテだけ読んだらもういいかな…という気分に。 -
「女」しゃがんだ時にズボンとシャツの間から肌が見える現象をセクシーと捉えるのか、だらしないと捉えるのか。イケメンが俺と同じ事言っても、俺はセクハラで向こうはカッコいいとかお前ら言うんだろー?とか、なんかそういう厳しさね。岩山ですっころぶよりも、膝に来る。
「首」インド神話。ツマブキさとしと中村シドウは旅に出ました。途中一目惚れしたのでサトシは竹内ユウコと言う娘と結婚しました。ゆうこの実家に3人で挨拶に行く際に、サトシは急にお参りしたくなりました。その理由は。。。こっちも世の中キビシイなあ。