グレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫 Aフ 6-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751890

作品紹介・あらすじ

絢爛豪華な邸宅に贅沢な車を持ち、夜ごと盛大なパーティを開く男、ギャッツビーがここまで富を築き上げてきたのは、すべて、かつての恋人を取り戻すためだった。だが、異常なまでのその一途な愛は、やがて悲劇を招く。過去は取り返せる-そう信じて夢に砕けた男の物語。

感想・レビュー・書評

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  • よくわからなかった

    本当のところこの時代を生きた(あるいはこの時代を知っている)アメリカ人でなければ読み取れないことが多分にあるんだと思うんです

    でも「わからなかった」で片付けてしまっては古典を読む意味がないじゃないか!!
    …とは思わないんです
    読んでみてわからなかった
    立派な感想じゃないですか

    「わからなかった」から自分なりにいろいろ調べてみてもよし、さらに深く考えてもよし、わからないままでもよし
    「わからない」を始点にしてもよし、終点にしてもよし

    いいんですよ
    古典なんてわからなくっても
    「ああ、それならお父さん読んだことあるよ」って言いたいだけなんですから
    「どうだったって?」て聞かれたら
    咳払いのひとつもして「あ、そうだ植木の伸びたの切っとけって言われてたんだ」とかなんとか言えばいいんです
    それでもしつこく聞かれたら「いや〜グレートだったね〜、ギャッツビー、グレートだったわ」とか言っとけばいいんです

    古典ってそういうことです(絶対違う)

    • ひまわりめろんさん
      hibuさん
      おはようございます!

      ですよね!
      分からなくたっていいんですよ!
      アメリカ人にもきちんと伝わるグレートマジンガーを生み出した...
      hibuさん
      おはようございます!

      ですよね!
      分からなくたっていいんですよ!
      アメリカ人にもきちんと伝わるグレートマジンガーを生み出した永井豪先生が素晴らしいってことですよ!
      永井豪とダイナミックプロですよ!(何故か興奮)
      2023/06/03
    • hibuさん
      ちなみに私はマジンガーZ派です。
      頭から飛び立つのがカッコよかった!
      ちなみに私はマジンガーZ派です。
      頭から飛び立つのがカッコよかった!
      2023/06/03
    • ひまわりめろんさん
      ですよね!
      やっぱマジンガーツェェェッット派ですよね!
      ま、ワタクシの場合はツェェェッット派というより兜甲児派なんですけどね!
      なんで、甲児...
      ですよね!
      やっぱマジンガーツェェェッット派ですよね!
      ま、ワタクシの場合はツェェェッット派というより兜甲児派なんですけどね!
      なんで、甲児に生意気な口きく異星人は嫌いでした
      どこぞの王子か知らんけども!
      後に彼もいろいろあったってことが分かって最終的には和解しましたけどね
      2023/06/03
  • すごく好み。今読んで良かったと思う。

    ディカプリオ主演の映画を見て、小説も読んでみようと思った。

    何社かから出版されていたので、本屋で迷った。私が外国の本を選ぶ際に重視していることは、日本の小説のように文脈に違和感を感じずに読むこと。外国語に忠実に訳されたところで、回りくどかったり日本語として成り立たず理解できなければ意味がなく、そんなに細かい言い回しが知りたいなら原文で読んだら良いと思うので。

    まず村上春樹訳を手にとってみた。装丁の可愛さから初めに目を付けていたけれど、中を見てみるとザ・村上春樹という文体で、「オールドスポート」がそのまま書かれている。次に手に取った新潮文庫は日本語が古くて読み辛いと感じた。
    この二冊から選ぶのは難しいと思っていたところ、光文社文庫からも出ていることが分かった。何となく思い込みで、堅苦しそうなイメージを持っていたけど、パッと見ただけでもとても読みやすそう。オールドスポートは訳されていなかったけれど、この本に決めた。
    光文社のポリシーが「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」らしく、私が求めているものだったので納得。
    機会があれば村上訳も見てみたいなぁ。

    読んでみると、既に映画を見た後なので話が入ってきやすい。アメリカの恐慌前の様子を知らなかったしそもそも考えたこともなかったけど、まるでヨーロッパ貴族のようなオシャレな暮らしをしていたり、街全体が好景気で浮かれていたなんて。

    客観的に見ると「結局まともだったのはギャッツビー」だと言うのが分かる。彼はデイジーしか見えていないようなロマンチストで現実的ではなかったが、それが彼の全てだった。他の生き方や、デイジー以外の原動力なんてなかった。
    トムやデイジー等、現実を生きて幸せであるはずの人々がそれに満足できず、ふらりと逃避してしまう。子供も自分で育てず家政婦に任せっきり。そりゃあ退屈で遊ぶ余裕もあるだろう。
    それで不器用で真っ直ぐなギャッツビーが振り回される。
    ニックも語り手として隠れているけれど、巻き込まれた側だろう。
    トムやデイジーはきっとこの先も周りを勝手に振り回して、その結果起こったことには責任を取らず逃げるだけ。
    ギャッツビーにとって、緑の灯は遠いままの方が良かったのか……?

    ギャッツビーが唯一得たものと言えば、ニックとの友情だろう。長い付き合いでもないニックが、葬儀に参列するように知り合いを訪ねて奔走してくれるほど、ギャッツビーには徳があった。本当はその他の薄情な人々に来てもらう必要などなかったのかもしれない。
    個人的にはニックには全ての真実を関係者に明かしてほしかった。それが義務のような気がして。

    読んでいると1920年代のアメリカの様子が分かる。エアコンがなくて夏は異常に暑かったこと、灰の谷と呼ばれる荒廃した地域とその周辺で住む人々、禁酒法と裏社会の稼業……作者がまさに生きていた時代だからリアルで興味深い。

    T.J.エクルバーグ博士の目や、緑の灯火が何回も出てくる。視覚的にわかりやすく、はっきりした描写が楽しかった。
    最後のシーンが特に美しくて大好き。

    西部人が東部で暮らすのに違和感を感じるように、元々金持ちではないギャッツビーが生粋のお嬢様であるデイジーと一緒になるのは難しい。過去を取り戻すことも。
    それでも夢を追うギャッツビーが素晴らしいということか。自分の意志を持って光に進んでいくことが。

    20180909

  • 映画『華麗なるギャツビー』を観に行こうかなあと思っていて、そのまえにおさらいとして開いてみた。

    内容よりも先に、恐ろしいほど村上春樹な環境設定と言い回しにあふれていて驚いた。中流から上のクラスで生きる人々と彼らの服装の描写や、少々持って回った比喩と、短くて浅めの男女のやりとり。たしか、『ノルウェイの森』にフィッツジェラルドを読む青年が出てきているくらいだから、影響としては大いに受けているわけだし…と納得しながらも、登場人物の名前を「ワタナベ」とか「青豆」に置き換えていったら、ハルキストかつ海外文学を読まない人は、春樹作品としてがっつり食いつくんではないだろうか?とぼんやり考えたりした。

    それよりも意外に感じたのは、主人公であるジェイ・ギャッツビーから受ける印象が非常に薄いこと。大豪邸で夏の夜毎に繰り広げられる大宴会や、高級だけど洒落ものを超えた下品さのある着こなしがきらきらと描かれるわりには、彼自身はなんだかぼんやりして見えてこない。「実はこんな男でした」とネタばらしされても、「そういうの、あの時代ならあるよね」とあっさり納得してしまうし、彼がたどる顛末も、「やっぱりそういう感じなんだな」で終わってしまった。

    それは彼の運命の女・デイジーにしても同じように感じた。当時流行りのフラッパーかと思って読み進めていっても、そんなことは全然なくて、ダム・ブロンド(金髪おバカちゃん女)っぽく描かれてはいるものの、ごくごく普通のWASPのお嬢さまだった。中野翠さんの映画エッセイで、「リムジンの中から外を眺める人生」という表現があった(ゴールディ・ホーン主演の『プライベート・ベンジャミン』への批評だったと思う)けれど、まさにそういう感じ。たまたま窓から見かけて、「あら、素敵な殿方」と心動かされた瞬間があっても、結局は運転手に「行きましょう」と言いつけて去っていける程度のイケメンがギャッツビーだったんだろう。

    少女マンガ的な甘さと美しさ、あざといまでの切なさも見せるわりには、「全般的に薄い感じのドラマだなあ」と思って読み終わった。でも、この独特の浅さがアメリカ文学でもあるし、たぶん、語り手であるニック・キャラウェイの立場と現実主義の明晰さがそういう描写をさせるんだとも思う。主役ふたりが薄いから、トムとジョージの取った行動が強烈に残るのかな、とも思った。個人的には、ゴルフの女王・ジョーダンの、現実離れしたスーパーガールでありつつ、自分の足でニューヨークを歩いて行く姿が素敵だった。

    読後感はわりとさっぱりしているものの、もの足りないというほどではないし、微妙な感触。訳者・小川高義さんの訳者あとがきが自分にない視点で面白かったので、合わせ技でこの☆の数かと。

  • 何回目かわからないぐらい読んでいるけれど、今回は津村さんの世界文学の紹介をきっかけに再読。
    フィッツジェラルド節満載で相変わらず文体がカッコいい。そして前回読んだ村上春樹訳とはまた違った味わいがある。こちらの方が読みやすい。
    全員がどこかしら一癖ある西部出身の登場人物達が東部ニューヨークの風に馴染めず、それでもしたたかに生きるトム、デイジー、ベイカーに対し、やはり馴染めずに帰郷する語り手のニック、そして過去よもう一度とばかりに不器用ながら純粋に生きるギャッツビー。誰かに感情移入するということはなく、1920年頃の時代の雰囲気を感じることができる。
    難しいといえばそんなことはないのだけれど、決して分かりやすくはなく、人生経験を積んでからこそ味わえる作品という気がする。とはいえフィッツジェラルドが執筆したのは29歳の時。人生の重さが現代とは違う。

  • 何読目かの今回、ギャツビーはアメリカそのものなのかなと思った。
    金は得たけれど、歴史や積み重ねた文化がないことを恥じ、自分の中で美化したヨーロッパに憧れ続ける。
    私の勝手な読み方だけれど、そう思うと一層ギャツビーの滑稽だけれど愛すべき憐れさが胸に沁みた。

    ところでギャツビーの訳といえば、のオールドスポート問題、春樹訳のカタカナは怠慢じゃないだろうかと私はなじったのだけど、この新訳が取った手法は何と「訳さない」。
    お…おう…。
    思い切ったね…。
    そこは私は訳して欲しかったので、小説自体ではなく翻訳に星4つ。
    それ以外の大胆な訳は割と好きなんだけど。

  • よく聞くタイトルだけど、未だ手に取ったことがなかった。そして読み終わり、なんて言うか、嗚呼、アメリカンだなぁ、と思った。
    ギャッツビー氏は悲しい。大きな子どもにしか読み取れなかった。自分が信じてる世界が全てで、嘘も現実もまぜこぜになっている。彼が一途に(病的なまでに)愛しているデイジーもまた、大きな子どもだし、トムもまたしかり。
    金の万能性と、それに群がる人々の繋がりの薄弱さを鮮やかに描いているように思う。
    結局、ギャッツビー氏の葬儀に出席したニック、メガネの男、父親は、ギャッツビー氏の金には目もくれてない。ニックは彼の真実を、メガネの男は知性を、父親は出生そのものを体現化した存在として最後を飾る。逆に言えば、これら三つこそギャッツビー氏の隠し通したかったものとは言えないだろうか?
    最後に。
    情景描写と心理描写のリンクがとても巧妙で、美しいと思った。

  • 誰の発言かがわかりにくくて読み飛ばしてしまった部分もあるけど、ギャッツビーのデイジーを思ってまた会えるシーンはドキドキした。
    ギャッツビーがデイジーはトムを愛してなかったと思いたいとこだわる気持ち、わかるようなわからないような気持ち。あと、デイジーは最後ギャッツビーに会いにこなかった。
    そんなものだったのかと思ったり。

  • ギャッツビーは、ハンサムで、寡黙で、大金持ちで、一途なので、男性が思う「かっこいい男」のように思える。無論私もそう思う。(粘着質すぎるけど…)だからこそギャッツビーには人間らしさがない。説明こそあるが、ぽっと出の人物のようである。またイマイチ恋する理由も分からない。しかしながら、デイジー(ギャッツビーが思いを寄せる女性)と対話する時の彼の動揺っぷりは愛嬌たっぷりで、特に先走りすぎる会話をしてしまう彼の描写は、本当に良かった。
    ギャッツビーとやたら平凡な話者以外にまともな人がいないので、読了後はただただ頭に?が浮かんだが、時間が経つにつれもう一度読みたくなる不思議な感覚が湧く。多分ギャッツビーに対する思慕か同情だろう。感情が大変なことになる作品だった。恐らく、原書で読む方が翻訳作品特有の言い回しが理解できるのだろう。機会があれば是非読みたい。

  • どう感想を書いていいのか難しい。私は単調な物語に感じてしまったが、読了後にむず痒い感覚が残った。もう一度読めば何かがわかるような気がした。

  • 読み終わったら映画も観ようと思ってたけど、今はそんな気になれない。そんな、そんな、という暗い気持ち。直感的にくそデイジーと思ったけど、誰も責めたくない。

    • かまぼこさん
      昔からいつか読みたいと思っている本です。そろそろか…
      昔からいつか読みたいと思っている本です。そろそろか…
      2021/10/29
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