天来の美酒/消えちゃった (光文社古典新訳文庫)

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制作 : Alfred Edgar Coppard  南條 竹則 
  • 光文社 (2009年12月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751975

天来の美酒/消えちゃった (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末英国に生まれ、20世紀前半に多数の短編小説を発表した
    コッパードの代表的作品集。
    ずっと前にタイトルと概要を知って読みたかった
    「The Princess of Kingdom Gone」が収録されているので購入。
    南條訳の邦題は「去りし王国の姫君」。
    想いを通い合わせた美しい姫と詩人だったが、
    彼は芸術と自分自身を最上に愛するナルシシストだった……(涙)。
    人生の悲哀・ほろ苦さがほんのり香る佳作揃い。
    不気味な、それでいて妙にあっさりした表題の「消えちゃった」が
    不条理感たっぷりで面白かった。

  • 以前はホラーと思っていたが、実は普通に文学。
    普通に短編集。
    かなりアクが強いので評価が難しい。
    やはり『消えちゃった』が一番インパクトが強いね。
    他は、ん????

  • 読み終わって目次に戻ったら「こんなに読んでたのか?」と驚いた。翻弄される感じが楽しい。今回は短篇だし休憩本に…と思ったのがだめだった!次はちゃんと時間をとって、少なくとも一編は途切れずに読もう。そっちの方がずっと楽しめるはず…。

  • とあるアンソロジーで、この作者の作品がよくわからない・・・のに気になったので、一冊読んでみました。
    なんか不思議な味わい。で、やっぱりよくわからない。

    「消えちゃった」「天来の美酒」「ロッキーと差配人」
    「マーティンじいさん」「ダンキー・フィットロウ」「暦博士」「去りし王国の姫君」「ソロモン受難」「レイヴン牧師」「おそろしい料理人」「天国の鐘を鳴らせ」の11編。

    ハートフルなのや深遠なのやニヤリなのもあったのに、
    一番印象に残っているのは「おそろしい料理人」の超・図々しさとふてぶてしさ。あーあ。

    「天来の美酒」の原題、”Jove's Nectar”は
    宗教的な含みのある言い回しなんでしょうか?
    ご存知の方がいらしたら教えてください。

  • 表題作の「消えちゃった」は一種のホラーですね。彼らに何が起きたのか。そもそも彼らは何処に向かっていたのか。何処にいたのか。様々な想像を掻き立てられます。「おそろしい料理人」は決して恐ろしくないのですが、とにかく罵詈雑言が豊かで笑えます。スベタ、腹黒おやじなどはまあ普通ですが、家庭の各種汚物って……。地主が料理番の女を追い出すだけの話なんですけどね。最初の奥さんに嫌悪感を抱くようになったというエピソードはどこへいってしまったのか。作者はこの短編を通して何を訴えたかったのか。謎だらけです。

  • 「何が起きたんだ?」「因果関係はあるのか?」「どうなったんだ?」と、頭の中でわあわあ騒いで混乱している自分がいるなあと思いながら読み終えた。読者の受け皿を飛び越して(または踏み抜いて)いく展開には、反発しようと思えばとことん反発して嫌えるが、何とかついていこうと食らいつけば、だんだん鷹揚な気持ちが芽生えてくる。ぶっ飛んだ流れの中に時折入る美しさや微苦笑、心の飢えと渇きがまたこの1冊全体の雰囲気をアンバランスにしていて面白い。

  • 普通の作品もつまらなくて訳が分からない作品も。
    私にはまだ渋すぎたのか。
    失踪譚は理不尽すぎるからなんかむかつくのは変わらず
    料理人の話がなんかめちゃめちゃでそれでいてきれいだったから一番良かったかな

  • 幻想的な雰囲気と、そこかしこに漂う死の雰囲気と、独特の展開が良い感じの短篇集。

    「消えちゃった」
    文字通り、消えちゃうわけです。そのあとの作品でも時々出てくるが、突然時空間がブッ飛ばされるのが面白い。まるで夢を見ているよう。★★★★

    「天来の美酒」
    因果関係があるのかないのか。それはともかくソフィーは美人そうだし、麦酒は美味そう。★★★★

    「ロッキーと差配人」
    酒場で隣のおっさんから聞く与太話、って感じ。まあ普通。★★★

    「マーティンじいさん」
    自己暗示の力ってのはすごいもんで。それにしてもこの作者の短編は、実にコロっと人が死ぬw★★★★

    「ダンキー・フィットロウ」
    三年寝太郎のイギリス版か。いや、三年寝太郎の話、知らないんだけどね。★★★

    「暦博士」
    最後のオチが持つ意味を掴みかねているのだが・・・。それが分かればもう少し面白いのかも。★★★

    「去りし王国の姫君」
    美しい話。「詩人は死んだ」のくだりが唐突過ぎて笑った。★★★★

    「ソロモンの受難」
    意思の力で破壊する力を身に付けたのか、それともただの偶然か?この作品は好きだなあ。★★★★★

    「レイヴン牧師」
    こーゆー短編は多くのバリエーションがありそう。★★★

    「おそろしい料理人」
    恐ろしいっつーかウザいっつーか。思ったより旦那が毅然としてて安心した。★★★

    「天国の鐘を鳴らせ」
    自分に正直に生きるってのは・・・難しいんだなあ。★★★★★

  • ≪内容≫
    詩情溢れる短編の名手、コッパードの新訳短編集。
    表題作「天来の美酒」「消えちゃった」を含む11の物語。

    ≪感想≫
    小説の定型にはまらない奇妙な話の数々。狐につままれたように展開していく物語ばかりで、色んなことを邪推したり深読みしたりすることなく、純粋に話を楽しめたように思う。読後感は小川未明の童話を読んだときのそれに似ているような気がした。

    巻末の解説には次のような評が引用されている。

    「コッパード氏は英語の散文に英語の抒情詩特有の性質を持ち込んだ、ほとんど最初の英国の作家である。」

    こういった物語全体に漂う詩情は、翻訳においてもなお十分に感じられる。そしてそういった幻想的な美しさ、奇妙さ、そしてその根底にある素朴な温かさが僕の中で小川未明の童話に結びついたのかな、と思う。

    とりわけ「去りし王国の姫君」などは原文でも味わってみたい美しい物語だと感じた。あまり海外文学を読まないため、コッパードという作家についても本書を手に取るまで名前も知らなかったのだが、それでも他の作品、また他の訳についても読んでみようかなと思わせるような、不思議な味わいのある一冊だったように思う。

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天来の美酒/消えちゃった (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

故郷の酒蔵で見つけた一本の麦酒で人生が急変する男を描く「天来の美酒」。車で旅する夫婦と友人が大きな街で一人、また一人と消えていく「消えちゃった」。生涯、短篇小説を中心に執筆し続けた「短篇の職人」コッパードが練達の筆致で描いた珠玉の11篇。

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