嵐が丘 上 (光文社古典新訳文庫 Aフ 8-1)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751999

作品紹介・あらすじ

ヨークシャの荒野に立つ屋敷"嵐が丘"。その主人が連れ帰ったヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋をする。しかしキャサリンは隣家の息子と結婚、ヒースクリフは失意のなか失踪する。数年後、彼は莫大な財産を手に戻ってきた。自分を虐げた者への復讐の念に燃えて…。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭から妙に引き込まれた。人嫌いすぎて、出てくる人出てくる人どんどん盛り下がって行くのが新鮮。本筋に入ると、今度は原色の絵の具がチューブから噴出して自分勝手に塗りたくっていくような激しさ。途中、冗長だなと感じたところで、本文にも「退屈な話」と。率直。

  • ジェーンエアの方が登場人物に共感できるしわかりやすい構成で面白かったなあ。

  • 登場人物は少ないのだが、少しややこしいため
    巻頭の人物関係図を何度も確かめてしまった。
    ネリーさんがお手伝いという立場にもかかわらず、
    自分の心情や態度を貫き通して勇ましいなぁと
    思った。
    読んでいて気持ちが灰色になったが続きが気になる
    ので下巻も読もう。

  • 嵐が丘に行ってふたつの屋敷を行き来してみたい
    でも実際にそうしなくても、想像の中で何度もそうできた
    ドロドロしてもよさそうだし実際ドロドロしてるのだろうけど、嵐が丘の爽やかさと主人公ふたりの情熱的ではあるもののピュアな精神がそう感じさせない
    愛憎劇という言葉がなぜかピンとこないのは多分そのせい

  • 個人的には、この作品を読んだ直後に出たケイト•ブッシュ「嵐が丘」を初めて聴いた時の印象が忘れられない。
    "It's me, your Cathy. I've come home. I'm so cold. Let me in your window."
    というフレーズは、この作品そのものです。

    …今の人は、「恋のから騒ぎ」のオープニング曲だと思ってるのかもしれませんけど…

  • モームの世界十大小説に数えられる英国の古典。荒野に立つ屋敷 <嵐が丘>に関わる人々の狂気をはらむ愛憎劇。

    なんちゅう話やねんコレ……と思いつつ、いつの間にか目が離せなくなっている。不思議な魅力を感じる小説だ。舞台となる<嵐が丘>という屋敷には、二つの家系を中心に奇人・変人ばかりが集まり、それぞれ言動がやたらに粗暴。なんだこいつら……しかし引き込まれるのだ。これには語り手となる女中の常識人的な視点が、読者と世界観の乖離を防いでいるのも大きいと思う。

    キャサリンがネリーに漏らす本音には、スピリチュアル性を感じさせるほどのすさまじい愛情がある。しかし身分や財産といった社会的な現実が悲劇の引き金となり、そこから始まる愛憎劇は昼ドラ的な連続感があって一気に読めた。ヒースクリフの化け物的な存在感はある種のアンチヒーローともいえるだろうか。不気味だが強いエネルギーを感じる作品。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      私は「ハリー・ポッター」シリーズ全巻を読んだ後、この物語がやたらと思い出されて、この新訳文庫で再読しました。
      結果として気付いた...
      同感です。
      私は「ハリー・ポッター」シリーズ全巻を読んだ後、この物語がやたらと思い出されて、この新訳文庫で再読しました。
      結果として気付いたのは、「ハリー・ポッター」の作者JKローリングは、イギリスの女性小説家の系譜にいる人なんだ、という事でした。
      2022/06/01
    • 一条浩司(ダギナ)さん
      白いヤギと黒いヤギさん、コメントありがとうございます。
      「ハリー・ポッター」は4巻までしか読んでいなくて自分は気づかなかったのですが、そう...
      白いヤギと黒いヤギさん、コメントありがとうございます。
      「ハリー・ポッター」は4巻までしか読んでいなくて自分は気づかなかったのですが、そうなのですね。言われてみれば、なるほど……とも思います。他のイギリス女性小説家にも関心がわきました。
      2022/06/01
    • 白いヤギと黒いヤギさん
      ありがとうございます。
      「不気味だが強いエネルギーを感じる作品」
      私もそう思います。
      ありがとうございます。
      「不気味だが強いエネルギーを感じる作品」
      私もそう思います。
      2022/06/02
  • 文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいないが、「北九州一家監禁殺人事件」「尼崎連続殺人事件」を想起させられた。むろん、内容が暗いからといって文学として質が低いということはないし、実際このような物語を着想することはすばらしいと思うが、とはいえやはり1人の読者として、積極的に評価したい気持にはなれなかった。最終的にキャシーとヘアトンが結ばれたことはよかったが、キャシーもまたさんざん悪態をついていたので、すなおに喜ぶ気にはなれない。とにかく登場人物の誰もが「イヤなヤツ」で、誰にも感情移入ができないのである。そういうなかで延延と恋愛要素を描かれてもしらけてしまう。作品の舞台同様に、まさに荒れ果てた大地のような小説である。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      私は小学生の時にこの作品の映画を先に見てしまいました。恐ろしいのなんの。夜、眠れなかったのは言うまでもありません。
      小説をきちん...
      同感です。
      私は小学生の時にこの作品の映画を先に見てしまいました。恐ろしいのなんの。夜、眠れなかったのは言うまでもありません。
      小説をきちんと読んだのは高校生の時ですが、それ以降、何故だか知らないけど何回も読んでます。不思議と人を惹きつける所があるんでしょうね。
      2022/06/01
  • 音楽には北国と南国で気候の与える影響があるし、特徴があると感じてたけど、文学にもあるねと思うほど、『嵐が丘』は気候の厳しい土地の小説だなと感じる。厳しい気候が擬人化してるのかと思うほどみな激情かつ陰湿…こんなに言葉ひとつひとつに恨みつらみや呪詛を盛り込んで発することができるエネルギーはどこから…生きる力がすごい…と思いつつ読んだ。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      姉のCブロンテの書いた「ジェイン•エア」も気候と風土が影響を与えていると感じます。でも、この二人、作品を書くまでの生活経験が微妙...
      同感です。
      姉のCブロンテの書いた「ジェイン•エア」も気候と風土が影響を与えていると感じます。でも、この二人、作品を書くまでの生活経験が微妙に違うんですよね。その辺の事情も勘案しながら読むと、更に深みがあると思います。
      2022/06/01
  • 持っている方の嵐が丘の文が難しかったため、この本で上を読んだ。とても分かりやすい訳だった。

  • ラジオでケイト・ブッシュのWuthering Heightsがかかってホラー的な歌と知った。それまで苦手な恋愛物と遠ざけた本書を読むことに。だけどこれは‥ホラーでも恋愛でもなくヒステリックな男女が出てくる堕落した名家を語る下女‥私にとって珍味。

    • しずくさん
      今YOU TUVEで聴いてみましたが、こんなんもあるのですね。
      面白いものを挙げて下さるので嬉しいです!
      今YOU TUVEで聴いてみましたが、こんなんもあるのですね。
      面白いものを挙げて下さるので嬉しいです!
      2021/08/14
    • 111108さん
      ラジオから流れた時、昔明石家さんまのやってたTV番組のオープニング曲がこの曲だったと思い出しました。
      いろんなところがつながってる事に気づい...
      ラジオから流れた時、昔明石家さんまのやってたTV番組のオープニング曲がこの曲だったと思い出しました。
      いろんなところがつながってる事に気づいて面白かったです。
      2021/08/14
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