ハムレットQ1 (光文社古典新訳文庫 Aシ 1-6)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752019

作品紹介・あらすじ

デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった…。シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作。

感想・レビュー・書評

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  • Q1バージョンでさらっと読める。王である父を失い悲しみに暮れていたハムレットは、まもなくして結婚した叔父と母を不審に思っていた。そこで毎晩現れるようになった父の亡霊から衝撃の事実を聞く。
    劇中劇という手法がとてもオシャレだと思う。悲劇とはいえハムレットと恋仲にあったオフィーリアの末路がかなり哀れ。

  • おぼろげに知っていた話をちゃんと読んでみた。
    Q1は最短のシナリオらしく、すぐに読めるが説明不足なのか謎が多く残る。
    王妃は何も知らなかったのだからそこまで責めなくてもと
    人生半ばの私は思うのだが。
    若さ故の純粋さ潔癖さがそれを許せないのだろう。

  •  あっさり過ぎて読んだ気がしない。

     新潮文庫でも同じことを思ったので、別に古典新訳文庫のせいじゃない。『ハムレット』という作品のもつ魅力がよく分からない。

     あと、特にオフィーリアが謎。
     彼女は何を思って生きていたのか。。。

  • Q1は通常底本とされるF1,Q2の2/3程度の分量で読みやすく、400年以上前の作品(1600年36歳のとき)だというのに(さらに内容も知っているのに)、面白く読めた。解説にもあるとおり、実際の演劇用に再構成された幕順が引き込ませるのかもしれない。悲劇とはいえ人が死にすぎだが、亡霊による復讐、狂気への誘い、その瑣末を文字通り劇的に表している。以下解説より。
    ・解題 小林章夫
    1603年 Q1(Quarto四折本) 2154行
    1604-5年 Q2 3674行
    1623年 F1(First folio二折本)3535行
    Q1はドイツ語で上演されていたものと似ているので、たんなる海賊版ではなく、台本を劇団員が思い出しながら復元したというのが有力な説。Q1は、ハムレットが主人公で好評だった劇を、『ハムレット』として改作し、初期段階としてある、原初的な姿。シェイクスピアは、先行する劇などからヒントを得て、作品を作り上げてきた。
    ・上演台本としてのQ1の魅力 河合祥一郎
    Q1の魅力は大きく二つ。①話の流れが整理されていて、とてもわかりやすい構成。Q2やFでは劇中劇を決心してから悩み出す妙な展開だが、Q1ではハムレットの様子がおかしいという話になった後、ポローニアスの立ち聞きが実行に移され、悩んだハムレットが現れる。そして瞑想後、尼寺の場へ移り、心理がわかるようになっている。
    ②母ガートルードの人物造形。Q2,Fでは最後までクローディアスの罪を知らないが、Q1ではハムレットに責められて殺人は知らなかったと訴え、ハムレットに協力する。また、ホレイショからハムレット暗殺の罠の報告を受け、ハムレットの味方であることを明確にする。そのことによって、母が最後に毒杯をあおり死ぬというのは、何も知らないよりも劇的。シェイクスピアが参照した種本、フランソワドベルフォレ『秘話集』でも同じ筋書き。

  • 月間チャレンジその①、短いのから始めようと手に取ったのは不朽の名作

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742373

  • 2021年5月7日購入。
    2022年11月29日読了。

  • 戯曲
    かかった時間 60分くらいではなかろうか

    断片的にのみ知っていたハムレットを読む。みんなが知ってる「ハムレット」と違うのはわかっていたが、光文社古典新訳文庫、活字も訳も読みやすいから…

    とはいえ、おそらく他の版(Q2とかFとかいうらしい)に比べれば、シェイクスピアのシェイクスピアたるゆえんが感じられにくいとか、悪質な改作?だとか言われているらしいこの版について、「もの足りなさ」は、たしかにある。

    せっかく今回、上演に適したショートバージョンを読んだことだし、ぜひ他の版についても読んでみたいし、訳の違いも見てみたい。

    ところで、これ、主役、ホレイショじゃね?笑

  • すごい久々のシェイクスピア
    ハムレットの原点ということで読んでみる。
    解説にもある通り、表現が割と淡白というか、修辞語が割と抑えめで読みやすかった。
    ただシェイクスピアにしては物足りなさも感じる。

  • Q1は、「ハムレット」上演版ないし海賊版と称するらしい。有名な「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」という台詞も、さらっと流れていった感じ。ただストーリーは分かりやすいかった。2019.6.8

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著者プロフィール

イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている。
出生地はストラトフォード・アポン・エイヴォンで、1585年前後にロンドンに進出し、1592年には新進の劇作家として活躍した。1612年ごろに引退するまでの約20年間に、四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残した。「ヴィーナスとアドーニス」のような物語詩もあり、特に「ソネット集」は今日でも最高の詩編の一つと見なされている。

「2016年 『マクベス MACBETH』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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