ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)

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制作 : Virginia Woolf  土屋 政雄 
  • 光文社 (2010年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752057

ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 初夏のきらきらした日射しや花の香り、生のよろこびを見つめる小説なのに、第一次世界大戦の残した傷と影を強く感じてちょっと苦しいような気持ちになった。50代の登場人物たちの、この先の人生がもっとよくなることはなくても、それでもよかった探しをしながら生きていくしかない感じ。本作はウルフが比較的幸せな時期に書かれたそうなのだけれど、そのぶん彼女の抱え続けた不安が素直に表れているのかも。

  • アメリカの映画やドラマを見ていると、本好きの女性が必ずといっていいほど好きな作家にヴァージニア・ウルフを挙げるようなので、読んでみなければとずっと思っていて、やっと読んだんだけど。。。
    うーん、バカなわたしにはまったくといっていいほど、ピンとこなかった。「ダロウェイ夫人」はタイトルは昔から知ってはいたけれども、こんな話だったのか。。。上流階級のダロウェイ夫人の一日のうつろいゆく思い、みたいな感じで、ストーリーらしいストーリーがない。とりとめのない思いがとりとめなく描かれていて、あまり強い感情はない。一瞬、強く思ってもすぐほかのことに移っていく感じで。
    しかも、ダロウェイ夫人だけじゃなくて、登場人物すべて、すごい脇役みたいな人たちもすべての思いが、つながるように書かれているので、正直、え、今だれの話?と何度も見失っていた。。。。
    確かに、文章は詩的で美しいとは思ったけれども。
    あと、ときどき、人々の人生への思いとか、50歳をすぎた人々の老いることへの感情とか、いろいろ、はっとする文章はあった気がするけれど、それも一瞬で流れていって、あまり残らなくて。。。一度でさらっと流して読むのではなく、一文一文じっくりと読んでいくべき本なんだろうなー。そういうのがわたしは苦手だけど。
    あと、ヴァージニア・ウルフって、フェミニストで、孤高の強い女性、ってイメージなんだけど、この小説、解説含めて読んでも、あんまりそういうイメージがわかなかったなあ。。。

    訳者あとがきがおもしろかった。フランク・マコート「アンジェラの祈り」が読みたくなった。(ダロウェイ夫人の靴が何色だか知ったことか!とキレる生徒が出てくるとか)。あと、ヴァとバの表記についてとか。

    映画「めぐりあう時間たち」は見てみようと思う。原作も読みたい。

  • つらかったーーー。

    本当に、人の心の声をそのまま文章に起こしたようでした。
    とてもついていけなかったけど…!
    ジョイスのかおりが…。


    人の考えがおもしろいのはそこに世相が反映しているからだと思う、でもさすがにそれを読みながらいちいち検証できるほど、この本に時間さけなかったよ。。

  • 再読

  • 「灯台へ」のような劇的な展開がないのでやや退屈。また(方法論上仕方がないのだろうけれど)書き手の視点が目まぐるしく変わるので、注意していないとわからなくなりがち。当時の英国の世相がリアルに感じられる。

  • ヴァージニアウルフは『灯台へ』と本作しか読んでいないけれど、最も魅了される作家のひとり。

    意識の流れを繊細に描写した文体は、登場人物への深い共感を可能にし、内容は一見すると平凡だが作品は不思議な明るさに包まれている。

  • 存在するっておかしなこと。

    昔読んだ時は、クラリッサ=セプティマスなのがよくわからなかった。読み返してみて、本当に、ものすごいシンクロっぷりに驚いた。どうして前読んだ時、気づかなかったんだろう。

  • はじめてのバージニア・ウルフ。なぜだか、彼女の作品は哲学的で難しいものと錯覚していた。かえって、女性からの視点、ある意味少女趣味的要素すら感じさせる作品。

  • 細部が、人物が、その織り合わされ方がいちいち面白い。
    この書き方は、自分がどこにでも跡を残し拡散して存在しているというクラリッサの人生観の反映でもあるような。
    何度も読み返せば読み返すほどに得るものがありそう。セプティマスや精神医学関連の話にとりわけ興味が引かれた。

  • イギリスの女流作家、V.ウルフの代表作です。

    ロンドンという街を舞台に、そこで生活するひとたちの脳裏に浮かぶ想念、こころの揺れ動きを、さらりさらりと描いていくという内容でした。

    「意識の流れ」と言われる表現技法が何より注目されることと思いますが、本書のあちこちにあるロンドンという街の情景描写も素晴らしいです。ロンドンというと灰色の空というイメージがありますが、わたしが本書から思い浮かべるロンドンは、ひたすら明るい日差しに包まれた、きらきらした街でした。その視点から言うと、本書の最初に地図を載せていることは、高く評価できるポイントです。

    本書を読み終えたとき、やはりどうしても、「生」を周囲にまき散らすように振る舞う主人公クラリッサと、自ら「死」を選ぶセプティマスの対比、について考えざるを得ませんでした。なぜセプティマスは自殺しなくてはならなかったのか。著者は自らも後に入水自殺を完遂しています。著者だけが描くことのできるであろう、抑うつの心情を単に表現したかったのか。それとも世界にある何かに対する批判や憤怒なのか。

    "悲劇がほしけりゃくれてやる"(I'll give it you!)(P.259)。セプティマスはきっと、その明晰すぎる瞳で、普通であれば見なくてもよい何かを見ざるをえなかったのだと思います。わたしが思うに、彼の自殺は、決して逃げでも甘えでもありません。どうしても守りたかったものを、当たり前のこととして守った。そういうきわめてポジティブな行為であるからこそ、わたしがこれを読んでも、まったく悲しい気持ちや、暗い気持ちにならないのだと思います。それも人なのだということ。

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ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

6月のある朝、ダロウェイ夫人はその夜のパーティのために花を買いに出かける。陽光降り注ぐロンドンの町を歩くとき、そして突然訪ねてきた昔の恋人と話すとき、思いは現在と過去を行き来する。生の喜びとそれを見つめる主人公の意識が瑞々しい言葉となって流れる画期的新訳。

ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)のKindle版

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