青い麦 (光文社古典新訳文庫)

  • 147人登録
  • 3.36評価
    • (5)
    • (14)
    • (17)
    • (8)
    • (0)
  • 25レビュー
制作 : Sidonie‐Gabrielle Colette  河野 万里子 
  • 光文社 (2010年11月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752194

青い麦 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 幼馴染と、夏に出会ったマダム。ああ、僕は。

    フィリップは別荘で夏休みを過ごしながら、幼馴染のヴァンカとすれ違う自分、マダム・ダルレイに惹かれていく自分をもてあます。大人になりゆく少年の戸惑いをみずみずしく描いた作品。

    この作品は、「若い男女の恋」を描いたことで画期的だったそうである。なぜかというと、それまでフランスには「若い男女の恋」がなかったから。恋愛マスターのフランス人をイメージすると「!?」となってしまう。それまでのフランスの恋愛は、若い男と人妻だったり、男と高級娼婦や階級が下の若い娘との金銭的恋愛だったりと、ベテランが若者を導くような恋しかなかったらしい。

    本文は「あーはいはいわかるわかる、夏休みの別荘、年上の女性、ひと夏の体験、思春期、ヴァンカの気持ちをわかってあげろ、しかしこういう年代ってあるある」など、通常運転のオシャレなフランス文学と思って読んでいたが、解説でその話を知ってびっくり。あらためて、新しい恋愛を描いたコレットの才能に感服。現代でもこういう話あるよな、と思うのは、いつの時代も普遍的な人間の姿を描いているということ。

  • 文章の中に色彩と香りを閉じ込めた素晴らしい物語だった。不器用な幼い恋をヴィヴィッドに灼ける青い夏に、秘密と嫉妬というほろ苦い果実の味を知った二人を深い群青の秋の憂いに映す鮮やかな筆致。短い夏を毎年海辺の別荘で過ごすフィリップとヴァンカに訪れる、微妙な恋の温度差。ことに年上の女性との逢瀬のあと夜更けの丘で逡巡する場面と、少年の秘密を知ったヴァンカの心情との対比が実に見事だった。雲が太陽をよぎる瞬間の静寂、タイムの葉を包む手に移った香り、朝焼けに赤くたなびく靄。フランス映画を観ているような映像美に溢れていた。

  • 最初は正直フィリップの青さにすごくイライラした。けれど最初薄っぺらいと思っていたヴァンカがストーリーを追うごとにすごく面白くなった。最後の方はとくによかった。あとはちょいちょい訳の言葉遣いが気になったのでフランス語をもっと勉強して自分で原書を読んでみたい。

    p.134「だって、わたしにいじわる言ってるあいだは、そこにいるでしょう、あなた……」

  • 解説の、何故この小説が当時斬新だったか、それ以前のフランスの恋愛とはどういうものだったのかがとてもわかりやすく、面白かった。
    近代までのフランス恋愛小説が不倫ものばかりなのはそういうことなのね…。
    本文の文章は現実から3cmくらい浮いているようで、綺麗だった。
    物語には入り込み切れなかったのだけど、そういうタイプの小説ではないのかも…とすると私には不向きだったのかも知れない。
    共感を求めるというのは、もしかして現代的な読み方なのかなー。

  • 解説とあとがきを読んで、「なるほど、こういう話だったのか」と納得した部分が大きい。本編だけを読んだ印象としては、夏の描写が綺麗だと思った。そしてこういう恋愛の話は苦手だとも……。

  • 「シェリ」「シェリの最後」「青い麦」とコレットを読破。あまり恋愛小説は得意ではないな。私自身がレンアイに向いていないのかも。

  • この訳者さんのフランス小説を読むのは3冊目。読みやすかったのは訳者のおかげかフランス文学の傾向なのかな。
    個人的にフィルの秘密より前半のヴァンカとのやりとりに引き寄せられた。

  • フランス小説はよくわからない。

  • みずみずしい感性と文章、夏。
    理想的な作品のひとつです。

  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】図・3F文庫・新書 【請求記号】080||KO

全25件中 1 - 10件を表示

シドニー=ガブリエルコレットの作品

青い麦 (光文社古典新訳文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

青い麦 (光文社古典新訳文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

青い麦 (光文社古典新訳文庫)のKindle版

ツイートする