青い麦 (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-1)

  • 光文社
3.29
  • (7)
  • (17)
  • (34)
  • (11)
  • (0)
本棚登録 : 289
感想 : 40
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752194

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 急に古典小説が読みたくなって、いつもお世話になってる光文社古典新訳文庫から青臭い青春小説の『青い麦』と『肉体の悪魔』の2冊を借りた。どちらも16歳の少年が人妻と初体験をしてしまう話で、その対照的な内容を楽しむのが目的だった。
    果たして結果は上々。2冊読まないとその違いがわからないので速攻で読んでの感想だけど、まず、フランス文学は難しい(そこかい!)。
    抒情的な表現や情景描写がいたるところに挟み込まれ物事は2行で済むのにそういった表現のおかげですごくスローペースなので、ジェットコースターなドラマ慣れしてるときつく感じる。逆にそれを楽しむのがフランス文学なんだろうけど、嵐が丘のヒースクリフとキャサリンのような激しい愛憎はなく、未成熟な15歳と16歳の淡い幼馴染の兄妹のような恋人のような恋中に突如合わられた成熟した人妻が現れ、少年は体験を迎えていつもそばにいた女の子を女として意識し、また、いつもそばにいた男の子が体験を迎えて心情に変化した事に気づいた女の子も女として感情を露わにしていく、しかしどちらもがまだ幼く若い、そんな切ない恋物語をこの齢になって読むとまた感慨深く懐かしくもさえ思えてきた。
    若いっていいなぁと切実に思うw

  • おフランス…!という感じでした。
    ヴァンカ、本当に15歳?家庭的通り越してる気がしますがこの頃の外国の娘さんはこんな感じなのかな…
    カミーユのせいで…みたいになってたけど、小さい頃からお互いを知りすぎてるというのも問題アリなのかもしれないと思いました。苦い。

  • 性的欲求のためかなり苦しんでいる主人公。
    人間模様の変化、官能の芽生えが瑞々しく描かれている。
    嫉妬や焦燥感、不安、悲哀と思春期ならではの陰影に富んだ心の機微が細やかに描かれていた。

  • フランス、ブルゴーニュ地方の断崖が続く美しい海岸に建つ別荘でのひとつ屋根の下での未成年者二人の激しい恋。
    純情多感な二人の激しい心の葛藤、目まぐるしく変わる感情の起伏、自分の気持ちを押し止める事ができずストレートに相手にぶつけてしまうが故に起こるすれ違い。不器用だが切なく、もどかしい。
    年上の女性に翻弄される青年という設定はフランス映画でよく見た記憶があったが、本書の解説で語られる興味深いフランスの恋愛事情で納得。
    夏の終わりの美しい情景が二人の接触を嬉しくも悲しくも演出する。その素敵な風景に浸れました。映画化されているようなので機会があったら観てみたいです。

  • 年上の女性とそういうことをして、世界が変わるほどの衝撃を受けて鬱々とする少年。
    幼馴染の少女としてみると、彼女は恋にひたってうっとりとしている。男と女の違い…?

  • 鹿島茂さんの解説によると、恋愛の本質はイニシエーションらしいです。
    はて?
    その辺りは自分にはよくわからないけれど、フランス文学や作者についての解説がわかりやすくて良かったです。

  • 幼馴染と、夏に出会ったマダム。ああ、僕は。

    フィリップは別荘で夏休みを過ごしながら、幼馴染のヴァンカとすれ違う自分、マダム・ダルレイに惹かれていく自分をもてあます。大人になりゆく少年の戸惑いをみずみずしく描いた作品。

    この作品は、「若い男女の恋」を描いたことで画期的だったそうである。なぜかというと、それまでフランスには「若い男女の恋」がなかったから。恋愛マスターのフランス人をイメージすると「!?」となってしまう。それまでのフランスの恋愛は、若い男と人妻だったり、男と高級娼婦や階級が下の若い娘との金銭的恋愛だったりと、ベテランが若者を導くような恋しかなかったらしい。

    本文は「あーはいはいわかるわかる、夏休みの別荘、年上の女性、ひと夏の体験、思春期、ヴァンカの気持ちをわかってあげろ、しかしこういう年代ってあるある」など、通常運転のオシャレなフランス文学と思って読んでいたが、解説でその話を知ってびっくり。あらためて、新しい恋愛を描いたコレットの才能に感服。現代でもこういう話あるよな、と思うのは、いつの時代も普遍的な人間の姿を描いているということ。

  • 解説の、何故この小説が当時斬新だったか、それ以前のフランスの恋愛とはどういうものだったのかがとてもわかりやすく、面白かった。
    近代までのフランス恋愛小説が不倫ものばかりなのはそういうことなのね…。
    本文の文章は現実から3cmくらい浮いているようで、綺麗だった。
    物語には入り込み切れなかったのだけど、そういうタイプの小説ではないのかも…とすると私には不向きだったのかも知れない。
    共感を求めるというのは、もしかして現代的な読み方なのかなー。

  • 「シェリ」「シェリの最後」「青い麦」とコレットを読破。あまり恋愛小説は得意ではないな。私自身がレンアイに向いていないのかも。

  • フランス小説はよくわからない。

シドニー=ガブリエルコレットの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×