人口論 (光文社古典新訳文庫)

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著者 : マルサス
制作 : Thomas Robert Malthus  斉藤 悦則 
  • 光文社 (2011年7月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752316

人口論 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 人口は等比数列的に増加するが、人々の生産性は等差数列的にしか増加しない。この本のポイントだと思います。

    また、人間の経済活動は人口に左右される。これからの人口減少に対してどんな動態を示すのか改めて興味をそそられた。

  • [人>>>食の図]等比級数的に駆け上がっていく人口数に対して、どれだけ尽力しても等差級数的にしか食糧の量は増加しない故、人口は一定数にとどまざるを得ないということを明確に指摘した古典的作品。マルクスを始めとする社会主義者から徹底的に嫌われる一方で、今日に至るまで影響力を有している一冊です。著者は、その名にちなんで「マルサス主義」という言葉も生まれたトマス・ロバート・マルサス。訳者は、フランスの社会主義者であるプルードンの研究で知られる斉藤悦則。


    名前とおおまかな内容は他の作品での引用中の言及などで知っていたのですが、改めてしっかりと内容を読んでみるとその説得力の強さに驚かされます。どうしてもその悲観的(もしくは現実的?)な見方に「そうですよね.......」とため息をつきたくなってしまうところ。本書が提示したディストピア的な世界観が読者を引きつけるのみならず、それに立ち向かう必要性がいつの世にもあるからこそ、古典足り得たのかもと感じました。


    解説では、マルサスが生まれた時代や思想背景に加え、どのような影響を後世に与えたかが説明されているのですが、これがまた興味深い。フランス革命における理性への傾斜の挫折とそれに対する反動など、マルサスの考え方の後ろ側に理性vs.自然という枠組みが立ち上ってくる点にはなるほどと覚えざるを得ませんでした。

    〜人類の歴史をじっくりと探求するなら、以上のことから、人類がかつて存在し、あるいはいま存在しているあらゆる国、あらゆる時代において、つぎの命題が成り立つことを認めないわけにはいくまい。すなわち、人口の増加は食糧によって必然的に制限される。食糧が増加すれば、人口は必ず増加する。そして、人口増加の大きな力を抑制し、じっさいの人口を食糧と同じレベルに保たせるのは、貧困と悪徳である。〜

    とても短い訳者解説なんですが、とても面白い解説でした☆5つ

  • マルサスの提示した有名な命題が、果たして今も有効であるか?ということについての議論が決着していないことは、その命題が提示した議題が現在進行形のそれである、と言える。

    産業革命以降、マルサスの命題はかろうじて破られてきているが、いよいよ食糧問題が危機的になるにつれて、改めてこの命題が輝きを放ち始めることになる。それが果たして幸せなことなのかは、分からない。

    この命題に対して明確な反論が出来ていないことに、我々は、もっと畏怖すべきではないのか?そう、これは未解決の問題なのだ。

    この新訳は、その読みやすさから、新たな読者が増えることが期待できることを併せると、意義深い出版だと信じる。

  • とにかく繰り返しと比喩表現が多く、内容云々よりそちらの方が興味深かったです。歴史的事実も、人口という切り口で見ると新鮮でした。

    神の領域に関してはキリスト教圏ならではって感じですね。それゆえ、中には理解できないところもありました。最後の、悪の正当性についても、若干腑に落ちない部分がありましたが、それだけまだ自分の考えが未熟なんだろうと思います。

    新訳ということで、非常に読みやすい印象がありました。こういう古典に対する再認識って大事ですね。

  • 古典派経済学を代表するイギリスの経済学者マルサスが著した本。
    一般的に「マルサス主義」といわれる法則は大雑把にいえば『人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。生活物資は等差級数的にしか増加しない』という一文にまとめられる。
    豊かさこそ人口増加を引き起こす原因だと仮定し、貧民を適当に飢えさせることが長期的な社会の安定につながるとしたマルサスの論は現代において痛烈な批判の対象になりえる、しかし、それでもこの論が100年以上生き残ってきたのは他人と自分に優劣をつけ自らの優等性を確認し続けたいという人間の本性を捉えているからではないだろうか。

  • これは何だろう。議論が荒すぎてビックリ。
    加えて、300ページ弱の紙面を費やしてこれか。

    改良の余地があることと、無限に改良できることは違う、という命題の説明が9章で議論されていて、その命題自体の真偽はマルサスの言う通りだと思う。
    (例えば、人間の平均身長はまだまだ伸びるだろうけど、火星までは届かない、といったレベルの話。非常に単純で、分かりやすい。)
    他の章はともかく、この9章の内容はそれだけ分かりやすい内容であるだけに、筆者の議論の運び方、展開の仕方に目が集まる。
    だが、たったこれだけのことにどれだけ似たような話を挙げて、先人を批判すればいいのか。自己擁護と他者攻撃が過剰すぎる。正直よく分からない他の章も、同じような論調なのだろう。
    中盤、名前が出ないページがないと言っていいほどのゴドウィン氏批判も過剰の一言。救貧法も批判。ハリネズミ?

    本書の主張としては、食料が増え方に比べて人口の増え方の方が急であるため、貧困が生じる。これは、特権階級からその他へ食料を分配しても状況の解決には至らない。食料配分の仕方によらず、食料が増えればその分人口も増えるため、常にどこかで貧困が生じる。貧困は神が与えた試練であり、試練を通して人間は精神上の優れた特質を獲得できる。


    工業は農業と違って国を豊かにしない。と言っている辺りはさすがに時代が変わったなぁ。
    最終盤の、神は試練を与えた、という部分はキリスト圏だなぁ、と思わされる。特に関心のない人から見れば、なんで神が議論に出てきたのか分からない。

  • 「人口は等比級数的に増加するが、食料は等差級数的しか増えない」のフレーズで有名なマルサスの古典的名著『人口論』。

    巻末の言葉が印象的だった。

    「この世に悪が存在するのは絶望を生むためではなく、行動を生むためである。」

  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】図・3F文庫・新書 【請求記号】080||KO

  • 人口のこと調べるんなら、この本だよね~、的に某I氏に言われて読みました。
    内容としてはひたすら「人口は等比級数的に増加するけれど、食糧は等差級数的にしか増えない」、つまり人口は爆発的に増えるけど、食料はそんなに増えないから、結局養えないんだよね、そこで人口の増加はセーブされるんだよねって話をマルサスさんはしています。
    難しいことをいっているようで、データとか細かいことを言わないので、とても読みやすいです。人口論というより哲学チックなところも多い気がします。

    この本は1798年(本居宣長が古事記伝書いてた頃)に刊行されているんだけど、もう地球とかエコノミストっていう単語がでてくるあたりに感動しました。

  • マルサスの人口論、名前はダーウィンの進化論関連の本を読んだときに知りましたが、とある事情で今回読んでみました。
    シンプルに、新書の一冊という形でまとめられていますが、中は決して単純ではありませんでした。

    人間の本能的な衝動による人口の増加は食糧の生産の限界によって生じる貧困によって止められる、そしてそれは収束点を持つようなものである、というのがマルサスの理論であったと感じました。

    実例をいくつか引用しつつ社会の成長の有限性を指摘したのは先進的であり、それゆえに未だに名が引用されるのでしょう。しかし人類が社会全体を考えて抑制的な行動、この場合具体的には避妊、をする可能性を否定している点には違和感を感じます。
    社会の発展は決して貧困をなくすものではない、という彼の理論は決して貧富の差を肯定するものではないですが、反道徳的であるという印象を招いたのかもしれません。

    一方であとがきで知ったのですがマルサス自身は牧師であったそうで、彼自身の宗教観というか死生観のようなものもその一部特異に感じる意見に反映されているのでしょう。
    全体的には決して読み辛くなく、フランス革命の真っただ中で書かれたとは思えないほど現代にも通ずる普遍性を持っていると思います。
    ここからダーウィンが進化論をまとめ上げる着想を得たというのは実に面白いです。

    21世紀の世界を考えるうえで、読んでおきたい一冊と言えます!

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人口論 (光文社古典新訳文庫)の作品紹介

「人口は等比級数的に増加するが、食糧は等差級数的にしか増えない。そして、人の性欲はなくならない。」シンプルな命題を提起し、人口と食糧のアンバランスが生む問題に切り込んで、19世紀の進歩思想に大きな影響を与えた本書は、現在の世界においてもますます輝きを増している。

人口論 (光文社古典新訳文庫)のKindle版

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