コサック: 1852年のコーカサス物語 (光文社古典新訳文庫 Aト 3-6)
- 光文社 (2012年3月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752477
作品紹介・あらすじ
モスクワでの無気力な生活に疲れた青年貴族オレーニンは、チェチェン人と対峙するコーカサス辺境での軍隊勤務を志願する。その地はコサックの自由な精神に溢れていた。そして美しい少女マリヤーナとの恋が彼の内面を変えてゆく。トルストイの従来のイメージを一新する輝かしき青春小説。
感想・レビュー・書評
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最初はコーカサス地方の情報処理にてこずってしまった。ロシアに住んでいたキリスト正教の青年が戦争を通じ、土地の遊牧民の生活に惹かれていく。なんだか読んでいて、旅先だからこその大胆さを主人公が発揮してるような印象。コサックは流れてきた人達なのかな。元々いるタタール人の方が上品だという表現がある。動物を飼育し、けして洗練された生活でない中で、女性でも気が強く合理的に自分の意見を持っている。この土地の爺さんを主人公にした別の話も読んでみたい。なかなか遊牧民の生活風景に触れる作品がない。
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人が、獣が、山が、これほど生き生きとした物語はほかにあるだろうか。
若きオレーニンから、若きトルストイから吹き上げる爆風を、ぜひ全身で感じてほしい。 -
新書・文庫 983||トル
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ロシア貴族の若者が、コサック地方に赴き、そこの自然と人々に触れることにより自分を見つめ直していく物語。
カジュアルな訳文ですらすらと読める。物語としての大きな展開はないが、だからこそ細部の心情や行為にしみじみし、余韻が残る。