トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)

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制作 : 土屋 京子 
  • 光文社 (2012年6月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334752514

トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 同時期に新訳が出ると、どちらにしようか迷ってしまうよね。

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    「わんぱく少年トムを通じて描かれる、自由を求める心と冒険への憧れ、そして世界を見る無垢な目。アメリカで最も愛されている作家トウェインの半自伝的小説であり、少年たちの声が聞こえてくる翻訳。

    解説は都甲幸治さん(早稲田大学文学学術院教授)
    トム・ソーヤーは悪さと遊びの天才だ。退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場に変えたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。小さな英雄たちの冒険を瑞々しく描いたアメリカ文学の金字塔。 」

  • 表面的には児童文学だが、インジャン・ジョーの台詞や書き方にネイティブアメリカン問題が透けて見える。白人社会から追い出されたアウトローという白人社会からの決め付け、牛馬の如き刑罰は白人社会の独善的な側面を抉り出している。ハックルベリー・フィンの冒険と併せて、アメリカ社会の問題点を扱う児童文学と位置付けられる。

  • 若干、トムのガキっぽさにイライラするけど、思い出してみれば、ああ、こんな時代が自分にもあったなぁと思い出して懐かしくなった。

  • 「トム・ソーヤ―の冒険」。マーク・トウェイン。光文社古典新訳文庫。

    読んだつもりで読んでなかった一冊。
    序盤、お話が暢気すぎて?やや乗りきれませんでしたが、トムとハックが殺人を目撃する辺りから面白くなりました。

    ただ、トムって何歳なんだろう?
    7歳~9歳くらいか? いや、9歳~10歳くらい?



    アメリカ合衆国の、ミズーリ州という田舎を舞台に、少年が大活躍をする物語。
    大活躍と言っても、幻摩と大戦したりリングに賭けたり新型モビルスーツに乗りこんだりする訳ではなくて。
    塀にペンキを塗ったり、女子とおしゃべりしたり、プチ家出して川で泳いだりするレベルです。

    本が出版されたのは1878年。本の中で、ちょっと昔の、今の大人が子どもだった頃、と言及しています。
    なので、トムが活躍しているのは恐らく1840~50年代くらいか。南北戦争の前。



    南北戦争というのは1861-1865、4年くらいアメリカが2つに分かれて戦いました。
    大まかは

    北部工業重視派=黒人は奴隷としてよりも、労働者及び消費者として必要

    vs.

    南部農業重視派=特に綿栽培。とにかく大勢の労働者が必要なので、安価な黒人奴隷が奴隷として居てくれないと困る

    という対立、戦争でした。北部が勝ちます。奴隷解放。リンカーン。



    トムが活躍するミズーリ州セントピーターズという場所は、恐らく南北戦争で、「ちょうど中間」に居たゾーンですね。
    どっちつかずだったはずです。
    なので、トム・ソーヤ―の世界観は、そのつもりでみると「大プランテーション農業地域」でも無さそう。
    でも、都会とはとても言えない、小さな村というか街。

    #

    トムは弟のシッドとふたりで、「ポリーおばさん」の家で暮らす小学生。
    (どうやら、実の両親は早世したようだ。ポリーさんは父母どちらかの姉妹だったということなのでしょう)

    トムはいたずら好きで落着きが無くて、遊ぶのが大好きで勉強と教会が大嫌い。機転がきいて大胆不敵、そして根は優しい男の子。
    戦争ごっこ、呪術ごっこ、けんかや生き物いじりに毎日夢中だ。
    他愛も無い日常を描くやと思いきや。
    やはり、ハックリベリー・フィンがこの物語に奥行きを出します。

    トムの親友のハックルベリー・フィン。どうやらそうとうどうしようもない父親がいるようで、そして母親はいないようだ。
    ハックは「少年ホームレス」とでも言う存在で、小さな街のあちこちで寝て起きて、学校も行かず、自由気ままに暮らしている。
    一種、トムたち少年世界ではヒーローな存在だ。

    このハックとトムが、「なんとかの呪いを実験する」みたいな他愛も無い用件で、深夜の墓地に忍び込む。

    そこで、殺人を目撃してしまう。

    殺されたのは町の医師。殺したのはインジャン・ジョーという町のならず者。
    ※これつまり、混血か純潔が判りませんが、インディアン=ネイティブアメリカン(アメリカ原住民)の人なんですね。

    ところが悪賢いジョーは、その罪を、泥酔していた別の男のせいにしてしまう。
    泥酔者は、自分が殺してしまった。と思いこむ。

    そのすべてを、トムとハックは目撃してしまった。



    そう、この物語は、

    アルフレッド・ヒッチコックの「裏窓」(1954)
    ハリソン・フォード主演の「刑事ジョン・ブック~目撃者~」(1985)
    ウーピー・ゴールドバーグ主演の「天使にラブソングを」(1992)
    スーザン・サランドン主演の「依頼人」(1994)
    クリント・イーストウッド主演の「目撃」(1997)

    などなど枚挙に暇がない、
    「殺人事件を目撃しちゃった人が、さあそれからどうなるどうなる物語」。
    その原初と言うべきか。

    ※僕は特に、「ジョン・ブック」大好きです。
    「殺人の目撃」、「アーミッシュ(キリスト教中心主義の集団)」、「シングルマザーの恋」。と、いう三題噺に挑んだような映画なんですが、極上の出来栄え。

    ハリソン・フォードとケリー・マクギリスがガレージで踊る場面とか。
    映画至上最高のサム・クックではないかと思います。
    ハリソン・フォードさんは間違いなくベスト映画でしょう。(まあ「SWシリーズ」は別格として...)



    トムとハックは、「どうしよう」と恐怖におびえて暮らします。
    だけど、とうとう無実の泥酔者が裁判で死刑になりそうになる。
    トムはとうとう、裁判で目撃を証言してしまう。
    衆目の中で、脱走するインジャン・ジョー。

    さあ、それからは「ジョーが復讐に来るかも」とおびえる日々…。



    そんなことがありながら、少年トムの中では
    「ジョーの復讐の恐怖」と同じくらい大きく、
    「ロビン・フッドごっこ」や「バッタをつかまえる」とか「角砂糖を盗む」などの問題も常駐しています。
    そして実は最大の課題は「転校してきたベッキーちゃんが可愛いから婚約したいぜ問題」です。
    ちなみに「婚約」というのは、一緒に歩いたり、たまにチューしたりすることらしい、という認識です。

    ところが「ベッキー問題」は、トムがついうっかり、元カノの名前を出したことからこじれて、難航します。
    でも最後には、ベッキーが教師の大事な本を破ってしまい、その罪をかぶることによって、なんとか交際の間柄になります。
    (これはつまり、「弱みに付け込んだ」という構造だと思うのですけれど。
    19世紀から既に「恋愛物語の転機の作り方」というのは難しかったのですね。21世紀の今でも、同じような苦労をしたドラマが毎週いっぱい放送されていますね)

    そして、些細なことからトムはハックともう一人の友達と「家出して海賊になる計画」を実行。
    ところが、初日の夜からもう、ホームシックにかかる有り様がなんともラブリー。
    数日で帰宅します。

    そしてハックと盛り上がったのが「宝を掘り当てよう作戦」。
    とりあえず適当にそこらで穴を掘ったら宝が出てくるんぢゃないだろうかという物凄く杜撰な作戦ですが。
    そしてその遊びの最中に、変装したインジャン・ジョーを更に目撃してしまいます。
    (ここ、見つかるんぢゃないかというスリラーが秀逸です)



    そして最後は、ベッキーと訪れた洞穴探検で迷子になって死にかける。
    その途中で洞窟内でジョーを目撃する。

    同時並行で、ハックはジョーの犯罪を未然に防ぐ大活躍。

    そして、ジョーは偶然から洞窟内で餓死してしまいます。



    終盤。なんといってもいちばん面白いのが大団円部分。

    ハックは大活躍の結果、優しい未亡人さんの家に養子として迎えられます。
    つまり、ホームレスから奇跡の市民階級復帰なんですが、
    きちんとした服を着て、靴をはいて、学校に行って、黒人とも遊べず、こぼさずにご飯を食べる…という暮らしが、ハックは苦痛で苦痛でたまらず、脱走...。

    (物語上はトムの説得で戻るような雰囲気でなんとなく終わります)

    やはり、ハックの存在感そのものが強烈なタブーへの一撃であり、物語世界をロックンロールなワクワク感に持ち上げていることが良く判りました。



    そして、続いて「ハックルベリー・フィンの冒険」を手に取ろう、という目論み。
    かなり、読書の快楽です。

  • こんな話だったんだ。ハックが魅力的に描かれている
    2016.3.26

  • 「トム・ソーヤーの冒険」M・トウェイン◆筏を作って海賊になったり、夜中に墓場に出かけて行ってとんでもない出来事に遭遇したり。前に読んだ時はただただそのやんちゃっぷりが痛快で好きだったのに、読み返してみて、トムって腕白なだけでなく心根の優しい正義感のある、何をするにしてもまっすぐな子だと気付きました。

  • 初めて読んだ。子供の頃に読んだら、どんな感想を持ったかなあ・・・と思ったけど、名前だけは知っていても通らずにここまで来たんだから、感想も何も・・・もらっても読んでないかもしれないな。言葉が難しく、原文はどんな英語を使っているんだろうと興味がわいた。トム・ソーヤーのはちゃめちゃぶりに大笑いし、繊細な感情に自分の子供のころを思い出し重ねた。こんなにもありありと子ども目線で書けるなんて、子ども時代をよく覚えているのだろうな、感受性がすごく豊かな人なんだろうなあと著書に興味を持った。
    そして、最後の最後に、私が読みたかったのはこれじゃなくてハックルベリー・フィンの方だったとわかった。次に読む。

  • とてもおもしろかった。
    こんな話だとはおもっていなかった。
    読んでよかった。

  • 中盤にかけては何ともゆる〜い感じで、いい歳の自分には合わないかな、などとも思ったが、偶然目撃してしまったある事件を巡る少年たちの冒険、心の葛藤にいつの間にか引き込まれていた。

  • 新書・文庫  933.6||トウ

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トム・ソーヤーは悪さと遊びの天才だ。退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場に変えたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。
小さな英雄たちの冒険を瑞々しく描いたアメリカ文学の金字塔。

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