- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752637
作品紹介・あらすじ
18世紀末、商船から英国軍艦ベリポテント号に強制徴用された若きビリー・バッド。新米水兵ながら誰からも愛される存在だった彼を待ち受けていたのは、邪悪な謀略のような運命の罠だった…。アメリカ最大の作家メルヴィル(『白鯨』)の遺作にして最大の問題作が、鮮烈な新訳で甦る。
感想・レビュー・書評
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『白鯨』があまりに有名なアメリカの作家メルヴィルの『ビリー・バッド』です
『白鯨』は読んだことある気がする
あれ?途中で挫折したんだったっけ?
まぁいいや『ビリー・バッド』だし
うん冒頭からかなり退屈
何しろ主人公ビリー・バッドが動き出すまでに全体の1/4くらい進んでいる
しかもなんかよく分からんことをつらつら語っているだけなので、別にたいして物語も進んでいない
その状態で1/4読まされるのはつらーい
そして古典の名作にありがちな「どうとでもとれますよ感」
エグい
この読み手を試してくる感じ
巻末に「あなたはこの物語をどのように捉えましたか?(配点70/100)」って書いてあるのが見えました
けっこう振り分けてきたねっていう
あと30点は漢字問題かな?っていう
もう堂々と回答欄に書いたるねん
「そんな知らんわ!」 -
「神の天使に打たれて死んだのだ! それでも、天使は吊るし首にせねばならん」
「中動態の世界」で触れられていて、読みたいと思っていた。
どう受け止めていいか当惑する物語。
解説で書かれていた曖昧さというのにはかなり納得するのだけど、納得し切れるわけでもなく、納得してしまってももったいないように思う。
でも納得するしないの手前で、物語は面白い。
また読もうー! -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742664 -
誰からも憎まれぬ水兵だったビリー・バッドがなぜクラガートにだけ嫌われたのか?というクィア・リーディングのおすすめにされていたので読みたいメモしてあったのだと思われる本
メルヴィルの饒舌な語り口(解説および訳者の言うシェイクスピア的な朗読劇調)が好き -
面白いと言っていいのか。
モヤモヤした感じが残る小説だ。
水夫ビリー・バッドの人生。
ビリーは美男子で、周りの人間から愛されるキャラクターだ。
彼はある船で働いていたが、軍艦に徴用される。
その船でも彼は愛されキャラクターになる。やがて、こっそり彼に話しかけてくる謎の人物、そして彼を嫌う上官。こんなキャラクターが配置され、いよいよ盛り上がるか、というところで盛り上がらない。いきなり終わってしまうのだ。
これといったオチがあるわけではない、というか、オチはあるんだけどすっきりしない。突然始まって、突然終わってしまう感じだ。
いわゆる冒険活劇などではなく、ある人物の人生の1部分を切り取った感じ。
その中には、様々な人間が登場し、当時の時代背景などが説明される。
エンターテイメントではなく時代の空気を切り取ることに腐心したような小説だ。
浦沢直樹のコミックと関係があるのかは不明である。 -
文学
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メルヴィル 「 ビリーバッド 」著者の遺作 中編小説
キリスト教道徳の寓話にも読めるし、共同体の中で 秩序と苦悩を描いた小説にも読める。著者の人生の総決算としての思想哲学 にも感じる。
著者が描きたかったのは 多様で複雑で曖昧な現実の世界。そんな世界で どのように秩序を守るのかを 伝えたかった と捉えた
船中という人種や身分が多様な共同体が舞台。一神教的な 善と悪の二項対立では 共同体の秩序は保たれない。善の象徴である主人公のビリーバッド、知性の象徴であるヴィア艦長。ヴィア艦長の苦悩と共同体の秩序を保つ姿が印象的
キリスト教道徳の寓話
*狡知に対して 経験、才覚に欠け〜なりふり構わず 身を守ろうという感覚もないことは無力→ 無垢な善では自分すら守れない
ヴィア艦長の本の好み
*内容より文体にひたるものではない
*至上の秩序を備えた全ての真摯な精神〜が惹かれる
*どんな時代でも 現実の人間と出来事を扱う
*モンテーニュのように しきたりに囚われない
何かを書いておけば点数くれるかもw
何かを書いておけば点数くれるかもw