狭き門 (光文社古典新訳文庫)

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著者 : ジッド
制作 : 中条 省平  中条 志穂 
  • 光文社 (2015年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753061

狭き門 (光文社古典新訳文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 【G1000/5冊目】取り敢えず産まれてこのかた1度たりと聖書に触れたことのない人にとっては脚注を読んでもほぼ言っている意味がわからないが、少なくともこの作品の読者として想定されている層にとっては基本的な素養として持っていることを前提としているはずである。さて、狭き門であるが、タイトルから真っ先に思い出すのが「狭き門より入れ」という聖句であろう。とは言え、この作品における狭き門というのはアリサが独り善がり的な信仰心を胸に一人で達した神に殉じる境地といえるのではないだろうか(と勝手に想像する)

  • いとこで幼なじみのアリサとジェロームの愛の物語。信仰で結ばれた二人は自他共に認める相思相愛の仲。だが、その信仰は皮肉にも二人の愛は破滅させた。

    ジェロームは信心深いアリサのことを愛する。その愛は「結婚」「婚約」といった俗物的な言葉で縛られない清らかな関係だ。ジェロームはアリサを通して信仰を見、アリサのために美徳を積む。そしてアリサどこまでも理想化していく。
    だが、アリサはジェロームが自分を愛するために美徳を積んでいることに気付いてしまう。自分こそが神とジェロームの間にある障害だと気づき、ジェロームの前から身を引く決意をする。

    後半はアリサの信仰上の懊悩がひたすら描かれるが、これは信仰の借りた愛の物語だろう。
    肉欲の存在は示唆されるが、全く描写されない。「婚約の誓い」ですら俗物的なものとして退けられる。形而上の愛の結びつきを求めようとした二人の至純の関係に心が震撼した。

    「幸福よりほかに魂は何を望むんだ?」というジェロームの問いかけにアリサは「清らかさ……」と答える。ここにこの作品の全てが縮約されているような気がした。

  • この題名の本がまさか恋愛の本だとは思ってもみなかった。
    この手の愛のあり方は、自分には苦手というか、理解出来ないもの。

    好きな人を他に譲ろうとしたり、好きだからこそ、敢えて会わないとかの自己満足的行動(かと言って日記においては自分の取った行動を悔いている)は本当に分からない。

  • 彼女「を」愛そうとしたジェロームと、彼「と」愛そうとしたアリサ。あーこりゃ叶わんわ。悲恋だわ。同じものを見ているようで方向が正反対だった愛のおはなし。解説が秀逸。


    にしても、こんな小説を書けちゃうジッドって何者……?

  • キリスト教の教えは私には馴染みがなくてほんとのところは理解できないけど、純愛とは、魂の至高の実現とはなんだろうと考えさせられる。悲しいけれど、美しい。

  • ヒロインのアリサの気持ちに共感できなくて
    「えー!えー!なんでそっち行っちゃうの!?」という
    気持ちになりつつ読了。

    私自身が人生や生活の中で「宗教」に重きを置いていないせいかな?と
    読み進めて『訳者あとがき』の中の石川淳氏の文章の引用に
    納得した。そうか、アリサは人の世に幸福を求めていなかったのか…。

    小説より作者ジッドの人生のほうが波乱万丈ですね。。

  • 恋愛小説のようで、恋愛小説ではない。宗教色の強い作品で、ジェロームとアリサの軋轢を描いている。若干、
    お互いに病的になってしまう不思議さはあったけれども、文章の美しさはピカイチでした。

  • 最近、聖書の「狭き門より入れ・・・」のフレーズを、結構聞いてたので、
    ふと、図書館で目について借りてみた。

    これは、10代後半の、恋愛と、自分の生き方のバランスに悩み苦しむころに読んだら、なんだか、カッコイイ自分になれそうな感じ。
    自分の体と心を持て余し、つい、欲情を汚いと思ってしまう頃に読めば、一つ大人へなれるのかな。
    おばちゃんが読んでも、しょうがないわ(ToT

    信仰と愛の関係が反するものであり、
    自分を破滅に導く(本人的には救いか)ほどの信仰心や、神への思いなんかは、日本人的な私にはイマイチ理解できない。

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